カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
今年の春は、例年になく早かった桜に始まり、何もかも平年に比べて10日程早いスピードで一気に駆け抜けて行ったかの様です。松本でも、4月21日にナント30.3℃という真夏日を記録して、春どころか、一気に“夏来る!”。その後平年並みに落ち着きましたが、GWに入って里山は既に新緑や若葉で初夏の装いです。
また今年のハナミズキは街路樹も含めてどこも花付きが良い様に思いますが、我が家の芝生ガーデンの紅白のハナミズキも同様です。21日の暑さで、一気に満開になった感じでした。
また階段状フラワーガーデンは、南側が隣家の塀際のために日陰となるため、他よりも遅めですが、今年は既に春爛漫の装い。
何だか、せっかくの春が勿体ないくらいに、今年の春は足早に過ぎて行きます。
前話の蓼科にフキノトウを採りに行った帰り、茅野の日帰り温泉で汗を流して(茅野にはたくさんの公共温泉施設があります)から昼食へ。
お義母さんのリクエストで、茅野市宮川にある「勝味庵本店」へ行きました。
こちらはトンカツと鰯料理の専門店。お義母さんが贔屓にしているお馴染のお店。ただ家内はそれ程トンカツ好きではないので、これまで来たことは無かった由。義父が亡くなった後は姪が良く連れて来てくれたそうですが、その姪も昨年嫁いでしまったため、今回はリクエストにお応えして食べに来た次第。次女が成田勤務だった時のお寿司屋さんで新鮮な鰯の美味しさを知って以来、私メが鰯好きだといことも初めて来た理由だったようです。
信州にも銘柄豚が幾つかありますので、メインの看板料理であるトンカツはともかくとして、しかしもう一つ看板に掲げたイワシ料理は銚子港のある千葉県ならいざ知らず。魚の中でも魚編に弱いと書く鰯ですので、いくら輸送方法が進化したと言っても、“海なし県”信州でイワシ料理というのも何となく眉唾モノで首を傾げてしまいます。
平日でも混むからと12時前に到着したのですが(11時半の開店の由)、ナルホド、カウンター席を除いてテーブル席は既に満席。一人客であればカウンターで食べられたのですが、結局テーブル席が空くまで30分ほど待つことになりました。10台以上ある駐車場は、殆ど地元の諏訪ナンバーで満車。平日でも混むからというお義母さんの話も決して大袈裟ではなく、地元で愛されるお店の様です。
待っている間に注文を取ってくださり、義母と家内はミックスフライ定食、私メは鰯定食をチョイス。テーブルが空いて着席してから、せっかくだからと、奥さまのお許しでお昼から生ビールの大サービス(ヤッターッ!)。
事前にオーダーしていたこともあり、席に着く間も無く、料理が運ばれて来ました。トンカツやフライはフルーツ系とニンニク系の2種類のソースがあり、お店の方曰く双方混ぜるのもお薦めとか。更にお好みで、蒲田の名店「檍(あおき)」同様に岩塩も用意されていて、千切りキャベツには専用ドレッシングも。
こちらの勝味庵の特徴は、炒りゴマの入った小さな擂鉢と擂りこぎ棒が出され、炒りゴマを各自擂ってそこにお好みのソースを注いで食べる方式とのこと。確かにすりおろしたゴマが何とも香ばしい。
(キャベツが高騰する)以前はキャベツとしじみのお味噌汁は、何度でもお替り自由だったとか。今でもご飯はその様でした。
鰯定食はその名の通りイワシ尽くしで、刺身と素揚げ二尾、フライの組み合わせ。空いていたカウンター席ではなくテーブル席を希望したのはこちらですのに、随分お待たせしたからと、イワシのフライにヒレカツをサービスして下さいました。鰯尽くしの定食は、先ず刺身は全く臭みが無く、脂も載ってプリプリ。生姜醤油ではなく、生姜のポン酢で頂くのですが、これもなかなか美味でした。頭から骨ごと食べられる素揚げも、ポン酢のタレが掛かっていて紅葉おろしで頂きます。フライとヒレカツは擦りゴマと二種類のソースを混ぜて頂きました。
奥さま曰く、蒲田の名店「檍(あおき)」に比べて衣が厚過ぎるとのことですが、
「蒲田の檍と比べちゃ可哀想でしょ!」
海なし県の信州で、これだけ新鮮なイワシ料理が食べられただけで私メは大満足でした。そこで、スタッフの方に聞いてみました。
「このイワシはどこから直送されて来るんですか?」
すぐに応えられなかったので、
「あっ、ごめんなさい。別に気にしなくてイイですからネ!」
帰りがけ、そのスタッフの女性が、
「千葉の銚子と北陸の金沢や富山から直送されて来るんですが、今日のは富山からだそうです。」
とにこやかに教えてくれました(恐縮です)。
(食べるまで然程期待していなかったので、今回は写真がありません。悪しからずご了承ください。次回行ったら、ちゃんと撮って来ます・・・。)
茅野市宮川の「勝味庵」。料理も勿論ですが、スタッフの皆さんの対応も気持ちが良くて、地元で愛されているのも納得の良い店でした。
「ごちそうさまでした。また来まーす!」
亡き義父が元気な頃、義母と毎年採りに行っていたというフキノトウ。
4月も半ばになると、里のそれは薹が立つどころか花も枯れて茎も20cm程に伸びていて、既に蕗の葉も出ています。しかし、茅野の奥の蓼科周辺では山蕗のフキノトウが出て来るのは例年だと5月連休頃だとか。今年は桜を始め全てが早いので、4月20日頃の平日に場所を教えてもらいがてら、義母と三人で蓼科へ行ってみました。最盛期には土手一面に出ることもあるそうですが、やはり少し早かったらしくまだ所々に出ていた程度。でもそれなりに採集することが出来ました。タラの芽などもそうですが、里のモノと山のモノでは苦味が違います。やはり野趣溢れ滋味豊かなのは、自然の山のモノには敵いません。
細かく刻んで炒めて、砂糖や酒、そして味噌で味付けをします。ご飯のお伴に、そして酒のつまみにもなります。
今回試してみて意外と美味しくて且つ奥様にも好評だったのが、刻んで鶏挽肉に混ぜたつくね。鍋材料に鶏団子として作ってみましたが、フキノトウの苦みが良く効いて何とも美味でした。セリも一緒に頂いて、春一杯の鍋になりました。酒のお伴にフキ味噌も添えて・・・。“春尽くし”の食卓でした。
信州松本梓川・桜ウォーク2018。
昨年初参加(第1200話参照)したのですが、昨年は桜が全く咲いておらず、しかも参加した初日は生憎の雨。氷雨の様な冷たい雨に、景色を楽しむどころか、とにかく早くゴールしたい一心での21km。全く以って“トホホの歩”でありました。
イベントは二日間行われるのですが、昨年のリベンジをと、今年も初日の21kmに挑戦しました。しかし、今年は異常な程早かった桜の開花で、集合場所に向かう途中、今回のコースにもなっている安養寺の枝垂れ桜は既に花は全て散って若葉の装い。今年は桜ウォークとは言えそうもありません。しかしこればかりは自然が相手なので致し方ありません。当初雨予報もあったのですが、幸い雨は夕刻からと予報が変り、ウォーキング中は曇りの予報。ところが、今度は先週の暴風警報よりはましでしたが、風速8mの強風・・・。リベンジのつもりが、これは果たして返り討か・・・。
受付を済ませて出発式。今年は遠く札幌から参加された方もおられるそうで、県外からの3割の参加者も含めて、9kmと21kmの2コースに計400人とのこと。全員で準備体操をして、9時に21kmコースから先にスタートです。先頭の方々は小走りでスタートダッシュ。我々も先方でスタートです。若い家族連れやカップルの方々はチラホラで、どちらかというと我々よりも年配のカップルやグループの方々がむしろ多い様でしたが、皆さん結構な健脚振り。さすがです。
途中、梓川河畔の堤防道路に出ると予報通りのかなりの強風で、向かい風の地点では歩くのも大変な程でした。オイオイ、今年は風かヨ~!と恨みごと・・・。
途中、枝垂れ桜の名所安養寺は既に花も無く皆さん素通り。旧梓川村の倭橋から梓川を渡る中央橋の両岸の桜並木も残念ながら桜は既に散っていました。桜瀬満開だったら強風も気にならないかもしれませんが・・・。
「でも、今年は北アルプスが見えるだけまだイイかぁ・・・?」
と、ブツブツ・・・。
チェックポインとなる21kmコース中間の梓水苑でランチタイムです。
今年は雨ではないので、テントに入らず公園のベンチで休憩。ご一緒になった同年代のご夫婦は、やはり松本市内にお住まいで今年が初参加とのこと。昨年の状況をお話しすると、
「何も考えずに明日も28kmに申し込んであるのですが、ちょっと無謀でしょうか・・・?」
「う~ん、どうなんでしょうね?」
(ハッキリ言って、無謀だと思います・・・)
「明日の午前中は雨予報ですし、明日のコースは地区の桜の銘木を巡るコースですけど、桜はもう散っているでしょうし・・・」
後半は、上高地線の終点である新島々駅の八景山(やけやま)地区で折り返しです。八景山橋は四万十川に見られるような沈下橋です。その手前では八重桜が満開。そして湿地帯では今年も水芭蕉が咲いていました。清流の梓川は雪解け水か、結構な水量でした。この八景山橋のポイントで、係員の方から残り4kmとのアドバイスがあり、さぁもう一頑張りです。途中まで一緒だったあのご夫婦も、ペースダウンされたのか見えなくなりました。
ゴールの波田体育館に向かう梓川の河川敷にはケショウヤナギが自生しているそうですが、既に殆どが芽吹いているので、他の柳と区別が付かず。
このケショウヤナギは、冬の成木は赤紫色で、若枝が白いロウ質を被り、一見すると「白粉(おしろい)」を塗ったように見えることからケショウヤナギ(化粧柳)と命名されたそうですが、実際木肌が赤いので一目で分かります。このケショウヤナギは氷河期の生き残りで、日本列島では北海道の十勝日高地方とこの上高地と梓川流域にしか生息していないという希少植物で、絶滅危惧Ⅱ類植物なのだそうです。
そして、最後河岸段丘の坂を上ってスタートした波田体育館にゴ~ル!
9時にスタートし午後1時半の到着でしたので、昼食休憩時間を除くと4時間で21km。時速5kmペースだったでしょうか。
受付で確認後完歩証と、慰労のマツタケご飯のオニギリと水餃子を頂いて一服です。家内に依れば、21kmで3万歩だったとのこと。
それを聞いた、ベンチの隣で休憩されていた年配のご夫婦曰く、
「あれっ、こっちは3万9千歩だ。我々の方が足が短いから歩幅が狭いだダネ!」
(「・・・だだね」は松本地方の方言です)
お疲れさまでしたと、お互い労い体育館を後にしました。それにしても、ロゲイニングの様にポイントや速さを競う訳でもないのに、皆さん速いこと。せっかくの梓川河畔を歩くコースですので、(桜はともかく)北アルプスと梓川の清流の景観をもっと楽しんで歩けばイイのになぁ・・・と思いました。
「あぁ疲れた。でも、桜さえさえ咲いていればヨカッタのに・・・ネ!」
「来年、どうする?」
「う~ん、どうしようかぁ・・・?」
3度目の正直か、或いは二度あることは三度あるのか?・・・。
その前に、秋にはまた「松本城ウォーク」があります。
信州と言っても全県ではなく、栽培の盛んな安曇野(穂高)を中心とした松本地方(中信地区)で春のこの時期に食べられる「花ワサビ」。米粒の様な細かな白い花が咲き、ワサビ田の春の風物詩です。
3月末から4月中旬に掛けて、地元のスーパーマーケットの野菜売り場に「ワサビの花」として20~30本の束で並びます。
定年前に上田の子会社に通勤していた時に、旬な「酒の肴」としてワサビの花を話題にしたところ、地元のメンバーは(少なくとも上田など東信地方のスーパーには並ばないので)誰も知りませんでした(逆に、東信ではポピュラーだという活鮒は中信地方では見たことがありません)。そこで、奥さまの知り合いの方から頂いた際に、全員には無理なので限られた職場の同僚だけでしたが、いただいた花ワサビを小分けの束にして、且つおひたし用の調理方法のレシピを添えて配ったところ(早速自宅で作ってもらった)飲兵衛のメンバーには(酒の肴として)大好評でした。
どちらも茹でるか熱湯で湯がくか。茹でると柔らかくなり過ぎることもあるので、多目の熱湯で湯がく方が良いでしょう。どちらも辛味を増すために砂糖で揉むのがコツ。甘味を増すというお汁粉の塩同様に、正反対のモノを少量入れると効果があるのか、この場合はワサビの苦みを砂糖が消して辛味をより際立たせるのだそうです。
漢字では「山葵」と書くワサビ。日本原産のアブラナ科ワサビ属の植物で、古くは飛鳥時代から使われて来たのだとか。因みに、英語や仏語でもそのままwasabiと発音されています。湧水や水のキレイな静岡の伊豆や安曇野が代表的な産地ですので、産地故の食材なのでしょう。
ワサビ田に咲くワサビの白い花。真っ白だった北アルプスの雪解けが始まり、常念坊などの雪形が現れる頃。どこからか“早春賦”が聞こえて来そうな、信州安曇野の春を代表する風景です。
奥さまのお友達からセリをたくさんいただきました。
安曇野の穂高のご親戚が営まれているワサビ田に自生しているのだそうです。我が家の近くの田んぼの用水路にも自生しています。
因みに信州では田の用水路のことを方言で「せんげ」と呼んでいますが、地元信州では安曇野の「拾ヶ堰(じっかせぎ)」に代表される様に、堰のことを「セギ」と呼びますので、もしかするとそこから訛ったのかもしれません。
ただ、クレソンなどもそうですが、自生しているセリも近くに人家などがあると、どんな菌がいるか分からないので、清水の様な本当にキレイな水質の所で育ったものでないと安心して食べられないそうです。
「そうか、だからセリは根付きで店頭でも売られているんだ!」
と目からウロコでありました。
色々な料理法がありそうですが、我が家では本場の秋田を参考にセリ鍋です。比内鶏とはいきませんが、食材は鶏ツクネを肉団子にしてシンプルにポン酢で頂きました。セリがシャキシャキして何とも美味。
また、セリのおひたしとは別に、セリの根だけを茹でて私メは中華風ドレッシングでもいただきましたが、酒の肴になかなか乙な味。
そして、先日たまたま視聴していたNHKの「趣味どき」で春の野菜としてその日はセリが取り上げられていました。ナルホドと思ったのはイタリアンのセリのリゾットとセリと鶏ササミを使った混ぜ蕎麦。
そこで、セリはありますので、たまたま買ってあった鶏胸肉をササミの代わりに使って(レシピをちゃんと覚えていなかったので適当に)セリの混ぜ蕎麦を作ってみました。奥さまからは好評でしたが、個人的には、
「まぁ、こんなモンかぁ・・・」
むしろ、片栗粉をまぶして茹でた鶏胸肉が思いの外柔らかくて、片栗粉でトロミのある汁とも相まって「!!」。
「おぉ、これだっ!これって金沢の治部煮ジャン!!」
そこで、(休肝日ではない)翌々日残しておいた鶏胸を使って、柔らかく煮たニンジンと、セリ、菜花のおひたしを使って治部煮にしてみました。ちゃんとワサビを添えて。
そしてまだ残っているので、同じく紹介されたセリのリゾットにも挑戦して見ようと思います。茎を細かく刻み炒め、冷凍したご飯は日本故に水で洗って粘り気を取るのがコツと記憶していました。味付けまでは覚えておらず、コンソメを使って適当に洋風にすればイイかなぁ・・・。
セリ。独特の香りと根も含めた食感に、まさに“春”を、そして春の息吹の様な生命のエナジーそのものを頂いている気がしました。
【追記】
休肝日に先述のセリのリゾットを作ってみました。視聴した際のおぼろ気な記憶をベースに、細かく刻んだセリの茎を薄くスライスしたベーコンと一緒にオリーブオイルで炒め、白ワインと水を加えて煮立ててからコンソメで薄めに味付けをして、水でヌメリを取ったご飯を入れて、自家製塩レモンと塩コショウで味を調整。最後に火を止めて、葉の部分を混ぜて完成。シンプルな味付けですが塩レモンがアクセントとなり、薄味ゆえにセリの香りも十分に感じられました。奥様にも好評で、美味しく“春”をいただくことが出来ました。
今年の松本城の桜の開花が4月1日で、5日には満開。信州の桜も、今年は例年にない異常なほどの速さです。
今年も開花宣言三日後の4日から始まった、恒例の松本城「夜桜会」の本丸庭園無料開放と松本城桜並木「光の回廊」としてのライトアップ。
私メは、10日に定例の「食蔵バサラ」での“飲み会&食べ会”に出席するのに併せてお城に寄って見て行くことにしました。
奥さま不在のためバスで行こうかと思いましたが、“春宵一刻値千金 花有清香”とばかり、せっかくの春の夕刻を楽しんで歩いて行くことにしました。
松本深志高校に来ると太鼓の音が響き渡っていて、一号館の屋上で恒例の応援団(應援團管理委員會。略称「応管」)の指導よる新入生諸君の応援練習が行われていました。でも“♪蒼溟遠き波の涯”で始まる「校歌」ではなく、また「自治を叫びて」でもなく、全く記憶にない曲・・・。まぁ、45年も経っていればその間新しい応援歌も誕生していても不思議はありません。有也先生の像に挨拶をして正門から出ると、外国人の方が興味深げに練習の歌を聞いていたので説明すると感心していました。
本丸庭園を一周して黒門へ戻ります。すると、会社の先輩が三脚を据えて天守閣を撮影されていました。
「今年の桜は早過ぎて、写真はダメだわ」
と残念がっておられました。
でも黒門を出ると、お城の黒いシルエットと夕映えをバックにした屏風の様な北アルプスのコントラストがとても素敵でした。
「そうそう、桜は無くとも、松本にはお城と山があるじゃない!」
と、独りごちて「バサラ」に向かいました。
そんな、足早に訪れた今年の春ですが、注意して見てみると我が家周辺の里山でも色々な“春”を見つけることが出来ます。
4月1日、早朝ウォーキングで行ったアルプス公園の柳の芽吹きと辛夷の花。早いからでしょうか春の、若葉の中でも一番美しく感じる柳の芽吹き。柳の芽吹きを見ると、何故かいつも石川啄木の
『やわらかに 柳あおめる 北上の 岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに』
の歌が頭に浮かんできます。
そして、雪の様なコブシの花。里山ではむしろ辛夷の方が桜よりも春の訪れをを告げるてくれる花でしょうか。辛夷では、南牧村出身の作詞家いではく氏の『北国の春』がその代表作でしょうか。
アルプス公園から望む常念岳。山も雪解けが進み、早くも雪形(常念坊)が現れつつあるようです。
もうちょっとゆっくり進んでくれてもイイのにな・・・。今年の春は何だか気忙しい気がします。
今回自分の不注意で、一歩間違えばとんでもないトラブルになるところでした。
東京への往路。途中の双葉のSAに立ち寄り、休憩スペースで奥さんがパンを食べ私メはコーヒーを飲んだのですが、そこに免許証、スマホ、財布と全て入ったショルダーバッグを忘れて来てしまいました。しかも全く気が付かずに、そのまま(結果免許不携帯で)運転を交代する石川のSAまで運転。石川でトイレ休憩して運転を家内と代わる際に初めてバッグが無い事に気付きました。
「あっ、双葉のSAだ!」
そこで、NEXCO中日本のお客様窓口にコンタクトして上り線双葉SAのコンシェルジュの電話番号を教えていただきました。
連絡をすると、コンシェルジュに忘れ物として届けられているとのこと。中身を確認頂き、私メのバッグに間違いありませんでした。
すぐに取りに来られるか聞かれたのですが、引き返すのも時間のロスなので、事情を説明して二日後の帰路に立ち寄ることにさせてもらいました。
そのため、その間東京ではスマホもお金も一切無し。チョットした買い物が出来なかったりという不便がありましたが、一番の問題は、スマホのSUICAが使えないこと。家内はスマホのSUICですが、こちらは駅で都度行き先と料金を確認し、切符を購入しないといけません。
何年か前までは出張しても当然の行為だったのが、SUICを使うのが今では当たり前になり、乗換案内で経路さえ確認すれば(乗り継ぎの場合の合計金額もコスパかTime is moneyで選ぶかも含め)後は自動改札へタッチするだけ。足りなくなれば自動で課金されるので、いくらだったかの表示も今では然程気にしなくなっています。
今回オサイフケータイが無くて被災し振りに切符を買ったために、改めてその便利さと共に、デジタル社会の怠惰な現代人の“ズボラさ”(信州弁で言えば“ずく無し”でしょうか)を認識させられた次第。
東京から松本への帰路。双葉のSAは上下線のSAが本選を挟んでの左右ではなく、同じ上り線側の上下に並んでいるため、行き来が可能(今では双葉もスマートICになっており、同じ側にあるため、車での入退場も可能とのこと)です。そのため、事前に電話で確認した際に下り線の双葉のSAに車を駐車してから取りに行くことを伝えてありました。下り線のコンシェルジュに立ち寄りその旨を伝えると、上り線のコンシェルジュから事前にその旨が伝えられていて“そそっかし屋”が忘れ物を受け取りに来ることを承知されており、わざわざ案内頂き、上り線のSAへのアクセス階段まで連れて行ってくださいました。上り線のコンシェルジュで事前に中身を申告し本人確認を済ませ、何も欠けることなく全てが無事戻って来ました。もし万が一戻って来ていなかったら・・・?財布の中の現金などはどうでも良くて、反省してただ諦めれば済みますが、むしろバッグの中の免許証、スマホ、そして何枚ものカード類などのキャンセルや再発行手続きなど、それこそ気の遠くなる様な煩雑な手続きが待っていたことを考えると、本当にヤレヤレでした。
良く海外から来られた観光客の方々が、落し物や忘れ物が戻って来たことで、日本のマナーを絶賛されていますが、私メも今回実感した次第です。
ただ、その昔出張で長野市に行った際に財布を落とし、見つからずに交番に届けたのですが、その後全く帰って来なかったことを考えると、時と場合に由るのか、或いは土地柄や人に由るのか、はたまた時代が変わったのかと考えさせられた一件でした。