カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
前々回の「チーズダッカルビ」のついでに、同じく韓国料理の話題です。
我が家からほど近い、桐の追分交差点にあった韓国創作家庭料理「やんちゃ坊」。本ブログでも以前何度か紹介させていただきました(第354話参照)が、信州大学が近い(高校の美須々の方が近いのですが)と云う場所柄、宴会やコンパなどでの信大生や先生方の溜まり場でもあり、信大生の学生アルバイトも多くて活気のある店でした。そして何より、ご主人の李さんの奥さまが作る韓国料理は絶品でした。
我が家から近いこともあって、昔は深志高校の上にあった中華薬膳料理の「チャイナスパイス」か「やんちゃ坊」が家族全員(シンガポールに家族で赴任していてエスニックに慣れていたこともあるのか)大好きで、我が家の外食時の定番でした。そのため、ある意味常連客でもあったので、時折買い物をするご主人の李さんと食品スーパーで出会って、「また食べに行きますね」と挨拶を交わす間柄でした。李さんは食堂経営の傍ら、在日の立場から日韓交流の歴史を紹介したりと地元で積極的に文化活動もされていました。
その「やんちゃ坊」が1月末で突然閉店してしまいました。
「やんちゃ坊」が閉店するらしいと聞いたのが12月末。家内の知り合いの方からでした。その方は信大の学生さんとも交流があったので、そこからの情報の様でした。何でも、息子さんが横浜におられるので、家族全員横浜に移住されるのだとか。その時点で閉店までに1ヶ月も無く、また何かと慌ただしい年末年始を挟んだこともあって、なかなか食べに行く機会がなく、時折店の前を車で通っても、閉店を知らせる様な張り紙や案内もなど閉店する様な素振りも全く感じられなかったことから、閉店はしないのでは・・・と勝手に決め付けて安心していました。
ところが、やはり一月末で突然閉店。店の前を車で通ってもナンの張り紙も無く、閉じたまま。その内、次に入居するテナントが決まっているのか、改装工事が始まって元の「やんちゃ坊」の仕様はどんどん無くなってしまいました。
「あぁ、本当に閉店しちゃったんだ・・・」
ショックでした。他の韓国料理店の方に謂わせると、“創作料理”であって本当の(伝統的な)韓国料理では無いと批判する方もいましたが、でもどれも本当に美味しくて、他店の倍もありそうなナムルに始まり、海鮮チヂミ、チャプチェ、豚キムチポクム、トッポギ、スンドゥブチゲ・・・毎回の定番メニュー(掲載の写真も第354話より)でした。
「やんちゃ坊」・・・本当に美味しかったので、都会ではテナント料も高いので価格は上げざるえを得ないかもしれませんが、是非横浜で再開して欲しいと思います。風の噂に聞こえたら、娘の住む糀谷からもすぐなので、また食べに行きたいと思います。
「この前食べに来たら、“研修旅行のため臨時休業”って張り紙があって・・・」
「スイマセン。バイトの子たちも連れて、全員で韓国に行って来たものですから・・・」
昨年の秋頃だったか、食べに伺った時のそんな李さんとのやり取りが最後になってしまいました。バイトの信大生ともそんな関係を築きながら、松本にすっかり溶け込んでいたのに本当に残念です。
「チャイナスパイス」(5年間にまた中国から戻り、東町で3年半ぶりに再開済み)と「やんちゃ坊」。どちらも我が家から近く、しかもどちらも絶品料理であり、時にテイクアウトをお願いするなど、本当に重宝した名店でした。残念なことに両方とも閉店或いは移転と、どちらも遠くなって足が遠のいてしまいました。
あぁ、家から近い名店がどんどん無くなって行きます。あとは“諏訪の誇り”(侮るなかれ!)「テンホウ」くらいしかないかなぁ・・・(グスン)。
【追記】
「やんちゃ坊」が閉店してしまったので、止む無くレシピを調べて作ってみた自家製ナムル。買ってあった豆もやしと寒縮ホウレンソウのおひたし、大根を使って、すりゴマも無かったので擂鉢ですって・・・。ナムル大好きな奥さまの評価は・・・「これなら十分。ウチでもナムルが食べれるジャン!」と高評価をいただきました。ナムルの定番食材でもある干したゼンマイ(ワラビ?)こそありませんが、奥さまは「別に好きじゃないから・・・」とのことでした。チャプチェもインスタント食品でも市販されていますし、チヂミも海鮮はともかくジャガイモなら家庭でも簡単に作れますので、また韓国料理が食べたくなったら、「やんちゃ坊」を偲んで自宅で作ってみようと思います。