カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 紅葉の京都。ホテルは、この時期どこも満員だと思いますが、早めに予約し確保したので、岡崎の平安神宮の近くと好立地。東山もすぐそこです。

 そこで二日目の朝。習慣の早朝ウォーキングで、今日は京都の東山へ。修学旅行以来と言うので、先ずは平安神宮から黒谷光明寺付近を通り、哲学の道へアクセス。ハッキリと場所が分からずとも、東西南北のハッキリした京都ですので、東大路辺りから東山を目指せば必ず哲学の道にはぶつかります。
結果、大豊神社辺りで哲学の道に遭遇しました。そこから永観堂方面へ歩きます。「善の研究」などで知られる哲学者西田幾太郎博士が京都帝大の教授時代に散歩をしながら思索にふけったことから名付けられた、琵琶湖疏水沿いの「哲学の道」。春は桜、夏の深緑、秋の紅葉・・・。その季節毎に風情ある道です。この道を歩くのは、大学入学した年の一年目だけ、観光に京都中を歩き回って以来、実に40年振り。
所々紅葉も色づきを増している中、途中にはカフェや料亭などもあり、朝早くからワンちゃんの散歩やジョギングをする欧米人の方々、また哲学の道を歩いて通勤する人たちなどとすれ違いました。若王子神社で疏水沿いの道が終わり、住宅街を歩いて永観堂へ。
“モミジの永観堂”として知られる禅林寺。浄土宗のお寺さんです。“遅いぞ永観”と後ろを振り向かれた阿弥陀様のお姿、“見返り阿弥陀”でも知られており、私メが一番好きな仏様であります。京都観光は大学入学の一年目だけで、その後は地元に居ると「いつでも行ける、来られる」と結局行かなくなり、結果卒業して京都を離れてしまいましたが、この見返り阿弥陀さまだけは、何かあると参拝し、阿弥陀さまの前で一時間近くも佇んで心を静めていました。その間(紅葉の時期でなければ)それこそ一人も観光客が来られないこともあり、今程の人気では無かった様に思います。私メにとっては、永観堂も同じ浄土宗(我が家の総本山は知恩院)でもあったので、じっとお祈りをしていても後ろめたさも無かったのかもしれません。
拝観時間前の境内はひっそりしていて、お寺さんの方々が黙々と落ち葉を掃いておられます。既に紅葉のライトアップもされていて、行列用のロープが何重にも張られていてその人気の程も伺えます。
そこから南禅寺へ。“絶景かな!”の山門を抜け湯豆腐の老舗の料亭横を歩いて戻りました。
 夜、ライトアップの永観堂にホテルから歩いて行ってみました。まだ夕刻5時半頃だというのに、既に100m近くはありそうな程の長蛇の列。並んでいては夕食の予約時間に間に合いそうもないことから諦めて、後ろ髪をひかれながら永観堂を後にしました。
 近代的に改装された京都駅から始まる大混雑に、学生時代に比べ、インバウンドの方々含めて人口がまるで倍になったかのような国際観光都市京都。
 明るくなった朝6時半。早朝のウォーキングで毎朝訪れた、40年振りの岡崎公園の平安神宮や東山の永観堂と南禅寺。観光客は勿論、殆ど人もいない贅沢な空間です。
「京都で“前の戦争”と云えば応仁の乱を指す」という“都市伝説”の様な、千年続いた古都本来のはんなり、しっとりした時間がゆっくりと流れているようでした。