カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
東京から帰省してくると、娘たちが良く「松本の水は美味しい!」と言います。我が家は浄水器も付けておらず、只の水道水です。
最近では浄化技術も進み、都会の水も昔に比べて随分美味しくなったように思いますが、多少は違うのでしょうね。
松本は“湧水の街”ですが、都会に比べれば水道水もやはり美味しいのでしょうか?但し、松本の上水道のメインの取水は奈良井川からで、塩尻市の本山地区(そば切り発祥の地)に浄水場があり、そこから塩尻~松本へと送られてきますが、川の水を見ると分かる通り、例えば同じ犀川水系の梓川に比べれば、それ程美味しそうには感じられません(但し奈良井川はダムも無く水量は豊富です)。
また、富士見町(諏訪郡)の上水は、町内の南アルプス山系の石灰岩質の地層(かなり前に、某鉱山会社が石灰岩の採掘調査で試掘したことがあるそうです)の水源からも引っぱってきており、非常にミネラル分、特にカルシウムが豊富。途中の沢には天然岩魚も棲息しているそうです。
以前富士見町の事業所に勤務していた時に、一緒に水源を案内していただいた町の助役さんの説明によれば、知られてはいませんが、あの「南アルプス天然水」よりも成分的には上回るのだそうです。町でもペットボトルに詰めて販売もしていますが、如何せんTVCMをするような販促費も無く、知名度が上がらないと残念がっていました。
毎日ミネラルウォーターを飲んでいる訳ですから、こんな水を毎日使える諏訪地方の人たちは幸せですが、こういう幸せって、きっとそうでは無い所で暮らしてみないとなかなか気付かないのでしょうね。私メも離れてみて、しみじみと感じた次第です。諏訪エリアは本当に美味しい水だと思います。諏訪地方に酒蔵が多い所以です。
そこに暮らしていると当たり前のようでなかなか気付かないかもしれませんが、水が美味しいということは本当に幸せなのだろうと思います。そう云えば、以前旅先でのその土地の水のことを書いた川本三郎さんのエッセイにもありましたっけ。曰く「ああ、ただ水のうまさかな」。
夏、一段と水の旨さを感じる季節です。