カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
無事義父を見送った週末の4月9日。
その週はバタバタと慌ただしかったので、(家内の)気分転換も兼ねて、母をデイサービスに送り出してから、久し振りのウォーキングへ誘ってみました。
「どこへ行くの?」
という奥さまからの問い掛けに、
「この時期、お城しか無いっしょ!」
松本城の桜は例年より早く4月1日の開花でしたので、4日から13日まで『国宝松本城 桜並木光の回廊』として、夕刻女鳥羽川の桜並木のライトアップ、シナノキの並木にイルミネーションが飾られた本町通、そしてお城の桜もお堀端も囲むようにライトアップがされました。また、これに合わせて11日まで夕刻本丸庭園が無料開放されて「夜桜会」も行われました。毎年恒例で市民の間にすっかり定着した感がありますが、地元のタウンペーパーに拠ると、今年は海外からの観光客の方も多く、夜桜会は昨年の1.4倍に当たる4万4千人近い来場者だったそうです。ありがたいことです(12日のタウンペーパーには、お堀の水面に浮かぶ散った花びらの写真も掲載されていました。“花筏”、如何にも風流ですね。室町時代の撰歌集には既に登場しているようですが、誰が名付けたか、“もののあわれ”でしょうか・・・いとをかし)。
先ずは、途中の深志高校の桜。春、桜の下でお弁当を食べるのが恒例でした。老木で、病んだ幹を切ったので、大分樹形が小さくなりました。今年も新入生を迎え、恒例の応管(応援団管理委員会)による応援練習「歌練」が屋上で行われ、放課後の大太鼓の音が風に乗って我が家まで聞こえて来ました。そのお陰で、今でも校歌も応援歌も空で歌えます(多分)ので、新入生諸君も頑張れ!ガンバレ!(と陰ながら応援)。
そして、坂を下って松本城へ。内堀沿いの桜はもう満開で、早い木は散り始め。この日は、青空を背景に残雪の北アルプスも見えていました。お堀端をゆっくりと一周しながら歩いて行くと、確かに例年以上の人出で、歩道も人の波が続きます。お国ことばを聞くと、県外からの方々も多そうでした。サクラ前線を追いかけて、皆さん北上されて来られたのでしょうか。
突然聞えてきた懐かしい“シングリッシュ”に、思わず声を掛けて写真も撮ってあげたカップルはマレーシアのジョホールからとか。
「どうぞ、日本のサクラを楽しんで行ってください!」
彼等も気を使って、私たちを撮ってくれました。
“おもてなし”文化度はともかく、東南アジアの人たちは、日本人以上に(例えば老人や子供たちなどの弱者には)親切です。
翌10日には、朝帰京する娘を駅で見送ってから、ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール。通称“音文”)へ。弘法山か迷ったのですが、“花より団子”の面で、「コメダ珈琲」ではなく初めての「支留比亜珈琲」へ行ってみたかったので、音文に決定(弘法山の桜は来年に取っておきます)。
こちらも、周辺の公園に結構大木となった桜があって見事です。ここは戦前からの紡績工場の跡地。帰りがけ、遮断された大糸線の踏切で電車の通過を待っていたら、踏切名が書かれていて「鐘紡踏切」との表示。
「そうか、ここは鐘紡だったんだ。」
嘗ての工場の面影は、大きなヒマラヤスギと桜の老木だけかもしれませんが、今でも踏切にその痕跡がしっかりと残されていました(公共ではなく、JRの私的資産名称でしょうから、特に問題が無ければ変えなくてもイイのでしょうね、きっと)。
そして、一週間後の先週末の4月16日。
松本では、市中のサクラは既に散って葉桜になっていますが、標高が800mを越えるアルプス公園は満開とか。遅い年はゴールデンウィーク中に家族総出で花見(&BBQ)をした記憶がありますが、今年は4月中旬に満開となったようです。
そこで、週末の4月16日。早朝ウォーキングを兼ねて、アルプス公園へ行ってみることにしました。
拡張されて70haを越える広い公園内には、ソメイヨシノを中心に1300本の桜があるそうです。古くは私が子供の頃の県の種畜場時代からあったソメイヨシノの老木ですが、旧道沿い(今では車も通らず、またメインエリアからも外れるため、マレットゴルフに興ずる人たち位しか目にしないかもしれませんが、勿体ない程)に見事な桜並木を造っていました。また広場のサクラも満開で、既に散り始めたようですが、明日は荒天予想のため、週末旧市内での最後の花見を楽しもうという方々が既に早朝から場所取りをされていました。
この日はやや霞が掛かっていましたが、常念を始めとする北アルプスも眺望出来て、残雪のアルプスとサクラの花がコントラストを描いていました。
松本の桜の季節は、今年は何だか足早に過ぎて行きました。
来年の桜はリタイアして曜日は関係なくなっているので、すいているであろう平日に、地元(だけ?)では“西の吉野、東の陸郷”と称されているという陸郷桜を、ウォーキングも兼ねてノンビリと見に行こうと思っています。