カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
地元紙に、松本市にある「郷土出版」社が2月末を以って閉業することが掲載されていました。
“地域文化の発掘と顕彰”を社是に掲げ、その通り、地方の文学書や児童書を始め、信州に留まらず地方の文化を紹介してきた小さな出版社。その創業以来42年の歴史に、ここで幕を閉じることにしたのだそうです。
長野県は異常に出版界と関わりが深いようで、信州人が創業した大手出版社だけでも、岩波書店に始まり、筑摩書房、大和書房、三笠書房、みすず書房などなど。県出身の著名な出版人は、これまでその数60余名とか。その理由(教育県で理屈っぽい信州人だから??)は知る由もありませんが、若者の活字離れや電子書籍の登場により、“出版不況”で業界が苦しんでいるだろうことは想像に難くありません。
そうした影響もあるのか、学術書や文芸書など、文壇の華やかなベストセラーとは無縁だったであろう“良書”を出し続けてきた、地方の小さな出版社が消えようとしています。
若者に限らず、活字離れをしている我々にもその責任の一端はあるのかもしれません。私が買うのは文庫本ばかりで、あとは40年来のビッコミ・オリジナルのみ。郷土出版から出された書籍で、今まで私自身が購入したのは、恐らく「職員会議に出た犬-クロ」ただ一冊だけだったろうと思いますので、何の手助けにもなりませんでしたから・・・。
そんな後ろめたさも感じつつ・・・、
長い間お疲れさまでした。そして、ありがとうございました。