カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 お正月と云えば箱根駅伝。一時期の低迷で、各大学の佐久長聖高出身選手が減ったため県民的には興味が減少し、むしろ大学卒業後に入社した実業団の元旦に行われるニューイヤー駅伝に関心が移りました。
しかし、スポーツフリーク的には(バラエティーばかりで他に見る番組が無いこともありますが)“箱根”は(今や国民的?)一大イベント。今年は、完全優勝での青山学院の圧勝に終わり、番組的にはあまり盛り上がりのない大会でした。
 個人的に選手たちの強さ以上に印象的だったのは、青学の優勝インタビュー。
各区間を走った選手たちの、(他大学との比較で)時にユーモアを交えながら、理路整然として実にしっかりしたコメントを聞きながら、競技指導に留まらず、その人格形成、自主自立といったしっかりした指導がされていることに感心し、勝つべくして勝ったのだろうと納得。原監督が、主力が卒業で抜ける来年を危ぶむ声に対し、「10年掛けて築いてきた組織は簡単には崩れません」と自信を持って応えていたのも、ナルホドと思わざるを得ませんでした。
おちゃらけた部分もあるコメントを聞くと、“なでしこ”の佐々木監督を連想させますが、大舞台で必ず結果を残しているのは、何かマネジメントに通ずるものがあるのでしょうか。
 一方、画面に映る、走り終えた上武大の選手たちが、必ずコースに向かって一礼し(日体大も同様です)、花田監督も「4年間お疲れさん!」と言って、監督車から選手の労を労う姿に、「学生らしいイイチームだなぁ」と感じつつも、結局最下位と結果の出ない現実に、(全国から有力選手を集めるための、大学のブランド力や選手強化のための資金力の差は当然と理解出来ても、それだけではない筈の)一体何が違うのだろう?と、モヤモヤした気持ちが拭えませんでした。

 個人的に(TVで見た中で)一番面白かったスポーツ中継は、アメリカンフットボールの日本選手権“ライスボウル”。
パナソニック(旧松下電工)と立命館の、まさに手に汗握る筋書きの無いドラマのような展開に、何気なく回したBSチャンネルを変えられずに、結局そのまま試合終了まで見入ってしまいました。
以前、現JRFUコーチングディレクターの中竹竜二さん(U20日本代表監督で早大ラグビー部元監督)に伺った時に、「(セミプロ化した)実業団に、学生チームが勝つことはもう無理でしょう」と仰っていましたが、アメフトもそれに近い状況でしょうに、8年振り(2008年立命館)となる学生アメフト界の悲願に向けて、逆転に次ぐ逆転で、最後は終了寸前のFGが決まれば(注)・・・というところまで社会人王者を追いつめた学生たちのひた向きなプレーは、実に見事の一語。
“Good Loser”たちに盛大な拍手を送ります(実際に、TV桟敷で試合終了後に拍手をしていました)。

 さて、駅伝シーズンの最後は、17日(女子)と24日(男子)に行われる全国都道府県対抗駅伝です。
今年の長野県は、女子チームに初めて選出された(東日本では長野県チームでの出場経験はあるが、全国では初)清水裕子選手(積水化学。大桑村出身で高校は岐阜の中津商)が“ふるさと選手”として(おそらく最長区間のアンカーで)走りますので、大いに楽しみです。
男子は佐久長聖が復活してきましたし、中学生も強いようですが、大学生がまだ弱い(実業団の無い長野県は、一般で大学生が最低一人は走る必要があります)。個人的には、オール佐久長聖ではなく、今年もニューイヤー駅伝で快走を見せたトヨタ自動車の宮脇千博選手(駒ヶ根出身。高校は岐阜の中京高)に、是非一度“ふるさと選手”で走ってもらいたいと願っています。
【注記】
ライスボウルの試合終了後、最後のFGの場面でパナソニック側に反則(フィールドプレイヤーが1名多い12名居た)があったことがファンの指摘で分り、審判団の誤審を協会が両チームに謝罪。但し結果は公式規則に則り変更なしとのこと。もし、その時点で反則が確認されていたら、5ヤード立命館が前進しての再FGだったそうです。
アメフトの試合後にこうした謝罪がされるのは極めて異例とのことで、それ自体は潔いと評価しつつ、せっかくの好ゲームに水が差されたようで、ちょっと後味が悪いですね。