カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 家内が(定例の)娘の所に上京し不在だったため、買ってあったネマガリダケを調理し忘れていました。皮ごと焼いて、味噌を付けて食べるのが(酒の肴に)最高ですが、日が経って少し古くなったので、ここは味噌汁にすることにしました。

 ネマガリダケ(根曲がり竹)と言っても、竹ではなくチシマザサ(千島笹)という笹の一種で、日本海側から東北・北海道、千島列島の雪の深い山間地に分布し、この時期に旬を迎える山菜です。また、戸隠などの長野県の北部では竹細工の材料として使われ、タケノコを採取されぬように地区で止め山にしていると、以前黒姫出身の会社の先輩から伺いました。
長野県では北信以外でも、白馬栂池や小谷、志賀高原や乗鞍などでも採れるそうです。北信地方では、このネマガリダケに缶詰のサバの水煮を入れた味噌汁が「タケノコ汁」として、この時期の名物などだとか。
東信が本拠で、毎週買い出しに行くスーパーマーケットのツルヤにも、水煮のサバ缶が目立ちますが、中信地方ではサバ缶を入れるという風習はありません。

 このネマガリダケ。以前も本ブログでも紹介させていただいた通り、ここ数年ツルヤの店頭でも東北産(青森、山形、岩手など)がパックで売られていて、毎年楽しみに購入しています。

 そこで、帰って来る家内を駅に迎えに行くまでに少し時間が空いたので、ネマガリダケの味噌汁を作っておくことにしました。このネマガリダケは、灰汁が少ないので灰汁抜きが不要で、そのまま焼いても煮ても大丈夫です(筍も、旬のものは刺し身で食べられるように、掘ったばかりは灰汁が無く、日が経つごとに灰汁が増えていくのだとか)。

 さて、我が家では(奥さまのポリシーで)化学調味料は一切使わないので、ちゃんと煮干しで出汁を取ります。その間にネマガリダケの皮を剥いて、根元の固そうな部分を除いて、ネギを切る様に薄く斜めにスライスし、煮干しを取り出して、代わりにネマガリダケを入れて煮込みます(やはり日が経ったせいか、何本か芯が傷んでいたので捨てました)。
そして味噌(我が家の常備は、地元丸正味噌の絶品無添加「二年味噌」)を溶いて出来上がりです(その間、火を止めて駅に迎えに行って来て、調理再開)。
家内が、新宿駅地下の人気回転寿司「沼津港」で(罪滅ぼしに?)買って来てくれたお寿司(私メには好物の光モノ中心)と一緒にいただきました。
(時間が経ったとはいえ、松本ではなかなか味わえない)新鮮な海と、今が旬の山の味に、「うん、旨いっ!」(でも、やっぱり焼いた方が美味しいかも・・・)。

 タケノコ汁。やはり家内や母には然程好評では無かったようで、上田で会食があり(宿泊し)、翌日帰ってみると・・・、
「人気無いから捨てちゃったけど」
「えっ、飲もうと思ってたのに・・・」
(鮮度にもよるとは思いますが、やっぱりネマガリダケは、シンプルに皮のまま焼いて食べた方が宜しいようです)