カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
クラブツーリズム「伊勢神宮・出雲大社・安芸の宮島と瀬戸内海ワンナイトクルーズ」二泊三日の旅、三日目。
最終日は、泉大津港で待っていたバスに乗り、大阪から奈良県を横切り、三重県の伊勢市へ向かいます。途中伊賀上野で休憩しての3時間の行程。朝から雨模様で、途中生駒山系を抜けて三重県に入る辺りでは一時雪に変わりました。
平成25年に、20年に一度という式年遷宮を終えたばかりの伊勢神宮。
天照大御神を祀る、日本人にとっての総氏神とされ、ご神体は三種の神器の一つである八咫鏡(やたのかがみ)。
因みに、伊勢神宮というのは、内宮と外宮を合わせて伊勢神宮(通称)であり、全国5000千社の神社の頂点(本宗)として、正式名称は単に「神宮」(神宮と言えば伊勢神宮を指す)だそうです。
崇神天皇が夢に現れた天照大御神のお告げにより、ご神体である八咫鏡を皇居の外に移すように命じられ、倭姫命に命じて場所を探させ、幾つか場所(元伊勢)を移しながら、最終的に崇神天皇の時代の2000年前にこの伊勢の地の五十鈴川の畔に宮を建てられたのが始まりとか。また、20年に一度行われる式年遷宮は、天武天皇が命じられ、持統天皇の代から始まり、一昨年が第62回目。周辺にある宮域林だけでは足りず、国有林の木曽のヒノキも使われています。20年毎の遷宮では、内宮・外宮の域内にある摂社・末社などのお社125社の建物全てが建て替えられ、使われるヒノキの柱は12000本。また遷宮に合わせて、正宮を飾る装束なども全て新調され、総費用550億円(浄財や寄付などで賄う)とか。なお、古い柱は宇治橋の架け替えや別の縁の神社などで全てリサイクルされるのだそうです。
しかし、どうして都から遠く離れたこの伊勢の地を選ばれたのでしょうか?
内宮・外宮とも唯一神明造りと呼ばれる弥生時代の高床式倉庫に似た独特の建物です。参拝の案内通り、皆さん鳥居で一礼をしてから参道を歩き(外宮は左側通行)、手水で清めてから正宮に参拝。こちらはニ拝二拍手一拝。なお外宮、内宮とも「私幣禁断」とされ、お賽銭箱がありません。特に衣食住を司る外宮は何かをお祈りする場ではなく、日頃の衣食住足りていることに感謝する場なのだとか。外宮の参拝を終える頃には、幸い雨も上がりました。
その後、外宮から6㎞離れているという内宮へバスで向かいます。
広い駐車場には数十台の大型バス。壮観です。
内宮(皇大神宮)は、五十鈴川のほとりにあり、やはり鳥居で一礼し、その五十鈴川に掛かる宇治橋を渡って神域に進みます。こちらは右側通行。
参拝される中には、五十鈴川で禊をしたという古式に則って、河原で手を清めて行かれる方もおられましたが、我々は手水舎で清めてから参拝。
それにしても、鉾杉と呼ばれる参道の杉並木は樹齢1000年以上と云われ、木々にも神が宿っているかのような感じがします。外宮もそうですが、一面の玉砂利の上に建てられた正宮は独特の雰囲気。また古殿地と呼ばれる遷宮により空き地になった区域も神秘さを湛え、一帯は古代(神代?)がそのままそこに現れたかのような錯覚を覚え不思議な気持ちになります。
内宮で言えば、5500haと云う広大な敷地で、93haの神域は禁伐林とされ、残りは遷宮のために使われる木材等のための宮域林なのだとか。そのため、境内一帯が神秘的な太古の姿を留めているようで、“日本人の心のふるさと”という謳い文句も、その場に実際立つとあながち大袈裟ではないと感じさせられます。流行りの云い方を借りれば、神が宿る“パワースポット”ということなのでしょうが、間違いなく“気”に満ちています。お社や巨木の他にも、注連縄で囲まれた外宮の三石、内宮の四至神といったパワースポットも点在しています。とりわけ、三石は手をかざすと、何だか痺れるような感じがして、確かに気が満ちていました。
最後に神楽殿でお守りを買い求めてから、鳥居前から続くおはらい町通りへ。
先ずは、事前に頼んであった団体用の昼食を岩戸屋でいただきました。伊勢名物という「てこね寿司」と「伊勢うどん」のセット。寿司はマグロのづけ、この地のうどんは、確かすぐに参拝客に出せるようにと長時間茹でておくという通り、太麺の柔らかい(腰の無い)うどんで、濃い目の甘じょっぱいタレを絡めていただきます。好き嫌いが分れるそうですが、個人的には伊勢うどんも美味しかったです(艶も腰も無く伸びきっていて食べ残した、金比羅宮での“讃岐うどん”よりも遥かに美味。同じ作り置きせざるを得ない団体客向けでも、こちらの調理法の方が団体用には向いています)。
昼食後は、おはらい町通りを散策。遷宮の時程の混み具合ではないそうですが、週末だったこともあり道一杯の人出。おかげ横丁入口にある「赤福本店」で出来立ての赤福を(テーブルは無く、畳の座敷に上がって空いたスペースに座って)いただきました。一皿にお茶と赤福三つで290円。店内は香ばしい番茶の香りに満ちていて、出来立ての赤福餅は柔らかくて、売店で買ったものとは一味違う美味しさ。そういえば、学生時代、京都駅でいつもお土産に買って帰ったのを思い出しました。ここでお土産用の赤福を購入して、おはらい通りを散策しながら戻りました(通りの入り口にも「赤福」の分店がありますが、本店の方が雰囲気があります。但し、分店の方がすいています)。
伊勢神宮を後に、最後に夫婦岩で有名な二見ヶ浦を見学して、ツアースケジュールは全て終了。一路名古屋駅に向かいます。
途中亀山で10㎞の事故渋滞に遭遇し抜けるまでに1時間掛かりましたが、何とかギリギリ発車10分前に到着し、予定の新幹線で東京方面へ。
出雲大社と伊勢神宮の両参りは、特に天照大神が嫉妬すると聞きましたので、出雲は次女の、伊勢神宮では長女夫婦と分けて、お願いをしてお守りを購入しましたので大丈夫でしょう。
今回は(も?)ちょっと欲張りなツアーで、駆け足の部分もありましたが、当初の目的も達せられ、私たちも十分楽しむことが出来ました。
こうした団体ツアーは、口コミ的には好不評双方あるようですが、それは多分添乗員の方次第。幸い、私たちがこれまで参加したクラブツーリズムでのツアーは、添乗員(今回初めて男性の方でしたが、バスでの移動中も居眠りすることもなく、最後の突発的な事故渋滞の対応も含め一生懸命でした)とガイドの方(今回のガイドさんは、最初「えっ?」と思うほどのお年を召したガイドさんでしたが、例え年の功にしても、出雲神話の神々や名所旧跡に至るまで、ホレボレするほどの知識。感服しました)に恵まれ、どのコースも気持ち良く最後まで旅行することが出来ました。確かに、前に一度だけ道後温泉でヒドイ宿(前泊が良過ぎた)がありましたが、皆でツアーの最後に記入するアンケートで酷評したら、次のツアー案内では旅館がしっかり変更になっていました(添乗員の方のお話では、不満な部分があったらキチンと指摘した方が、その後のコースの改善に役立つので有難いとのこと)。
また、これまで参加したツアーはリタイア組の高齢者のご夫婦が大半でしたが、今回は、3月に縁結びのスポットを回るコースということもあってか、卒業旅行を兼ねた若い女性グループが半分近くおられ、添乗員の方も驚いていました。
品川駅で皆さんとはお別れし、新宿駅地下でいつものお寿司屋さん「沼津港」で折詰にしてもらい、最終のあずさには間に合いませんので、予定通り高速バスに乗車して無事松本へ帰ってきました。
「おぉ、さぶっ!」
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