カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
30数年間、海外赴任中も(シンガポールでは紀伊國屋で買えましたので)欠かさずに購読してきたビッグコミックオリジナル(小学館)。名作数知れず・・・と、話し出すと長くなるので置いといて。
以前は隅から隅までじっくり読んでいたのですが、このところ、個人的嗜好に合わない作品も増えて来たので、飛ばして読む頁が多くなりました。
ま、時にはそうしたこともありますし、嗜好は十人十色で人それぞれですので、私が飛ばしている作品にも根強いファンはおられることでしょう。ただ、私メは単に趣味が合わないだけ・・・。
そんな中で、今の連載の中で大好きなのが、遂にコミックまで揃え始めた尾瀬あきら作「どうらく息子」と今回紹介する「ひよっこ料理人」。そして、ビッコミでしか読めない?一丸さん(女流漫画家だそうです)の「七帝柔道記」と、短編ですが珠玉の「深夜食堂」。
他にも、「テツぼん」や、ビッコミを読み始めた原点でもある「人間交差点」以来の「黄昏流星群」や、連載ではなく単発になりましたが「マスターキートン」や「三丁目の夕日」なども勿論気に入っています。
さて、魚戸おさむ氏が描く「ひよっこ料理人」(2011年連載開始)。
主人公妃代子(ひよこ)が主催する“子ども料理教室”の生徒第1号だった旬クンの父親の公太(愛称はハム太)先生と結婚して以降、たった一年足らずの間にあっという間に物語が進んでしまいました。
五人の子供たちが巣立ち、旬の良き理解者だった小児歯科医の妃代子お父さんがいつの間にか亡くなっていて、農業高校に行く筈だった旬がいつの間にか歯科医になって祖父の後を継ぎ、「弁当校長」で全国的に有名になったというハム太の教職定年後に二人で妃代子の生まれ故郷山形に戻って還暦を迎え、ハム太が亡くなりと急テンポの展開で、あっという間に(平成も終わったらしい未来に)お婆ちゃん(81歳とか)になった妃代子が、山形に訪ねて来た玲奈(二人のお婆ちゃん振りが何とも微笑ましい)とのドタバタをヒントに宿泊者と一緒に調理するという料理民宿を始めたところで、遂に3月5日発売号を以って最終回の大団円・・・次号からチョッピリ寂しくなりました。
連載最後の一年は、(愛読者からすると)些か展開が早過ぎた気もしますが、南海ホークス時代での飲兵衛の代打屋稼業の時の方がむしろ味があったのに、その後45歳から3年連続冠王、5年連続二冠、そして(計算上)60歳で遂に4割打者と、いつしか超人となるなど、呆れて最後は読む気もしなかった偉大なるマンネリ漫画(昨年漸く終了しましたが)よりは遥かにマシかと思います。
惜しむらくは、(個人的には大いに楽しませてもらいましたが、ジャンルとしては)成人男性向けコミック誌に連載されていたことでしょうか。むしろ教育者や子育て中のお母さん方が読むような雑誌だったらもっと(反響が)良かっただろうにと思います。
ビッコミオリジナル誌上での、魚戸おさむ氏の次回作に期待します。