カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
1月20日の新聞の訃報欄に掲載された小さな記事。
「音楽写真家木之下晃氏 享年78歳」
クラシック音楽好きなら、もし木之下さんのお名前を知らなくても、木之下さんの撮影した音楽家のモノクロの写真は必ず目にした筈。
“音楽写真家”と自ら称した、クラシック音楽写真の第一人者であり、カラヤン、バーンスタインを始め、世界中の著名音楽家に愛され親交を結んだ写真家でした。その写真は、単なるポートレイトではなく、スタジオ撮影なのか演奏中の写真かどうか分りませんが、例えば両手を伸ばして目を閉じて瞑想するカラヤンなど、その陰影深いモノクロ写真からまるで音楽が流れて来るような気さえしました(さしずめ、この時に聴こえてきたのはシベリウスだったのでしょうか?)。他にも、オザワ、クライバー、ミケランジェリ、アルゲリッチ・・・。
そう云えば、学生時代初めて買ったモジュラーステレオ。切り詰めては、LPレコードを買っていた時に、12月にレコードを買うと、レコード店が“おまけ”でくれたドイツグラモフォンのカレンダー。京都では新京極の三条入口にあった「十字屋」、松本では今は無き伊勢町「ディスク中川」。
モノクロで指揮者などの著名音楽家が大きく映り、白抜きの月替わりのカレンダーが下に印刷されていました。名曲喫茶の店内などに良く掛けられていて、クラシック音楽ファン垂涎のカレンダーだった筈で、独身時代は自分の部屋にも飾っていました。飾ると、何だか“いっちょ前”のクラシックファン(今風に云えばオタク)になったような気がしたものです。
もしかしたら記憶が間違っているかもしれませんが、そこに使われていた写真も木之下さんの撮影された写真ではなかったでしょうか。
因みに、面識は全くありませんが、諏訪ご出身だったという木之下さん。慎んでご冥福をお祈りいたします-合掌。