カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
東南アジア料理との相性抜群のタイ米。
最近では、タイ料理やシンガポール料理のレストランでは、ジャポニカ種ではなく、ちゃんとインディカ種のタイ米を使うレストランも多くなりました。
ピラフ(と言うよりもナシゴレンでしょうか)やカレー、或いは中華風の炒めモノを汁ごと載せて(注記)食べる東南アジアの“ぶっかけ飯”には、ジャポニカ種のような粘り気が無いので、べとつかずにさらっとしたタイ米の方がむしろ良く合い、美味しく感じます。また、あの独特の匂い(香り)も食欲をそそられます(赴任中、あの匂いがどうにも我慢出来ないという赴任者もいましたが)。
自宅で作ったシンガポール・チキンライスも、最初は新年の客呼び用に、家内が東京で買って(車で運んで)来たタイ米を使って大好評でしたが、二度目は入手出来ず(松本にもタイ食材店があったのですが、何度行っても閉店中)、日本米を強(こわ)めに炊いても、やはりチキンライスとの相性は今一つでした。逆に、もしタイ米を握り寿司やオニギリに使ってもパサパサして、和食に合うように改良されてきた日本米の様にはまとまらず、そんな不味いものはないでしょう。要するに適材適所。
シンガポール赴任中だった1990年代前半に、日本が冷夏によるコメ不足となり、タイ米が緊急輸入され、日本米と混ぜて炊かれて不評を買ったと聞きましたが、信じられませんでした。混ぜたら美味しい訳がありません(と言うよりむしろ不気味です)。
早速、タイ風のチキンカリーで食べてみましたが、“香り米”と名付けられた通り、タイ米独特の香りも強く、さらっとして美味!
「旨い!やっぱり、合うなぁ・・・」
(いつもはパン食なのに、翌朝もリクエストしてチキンカリーとなりました)
因みに、小麦粉の多いどろっとした日本風のカレーではなく(この方が日本米にはむしろ合い易い)、水っぽくさらっとしたカレーの方が、タイ米には良く合います。
後日、多めに炊いて冷凍されたタイ米でのピラフも、家にあったカニ缶も使って、ナシゴレンというよりもオシャレで洋風の“ピラフ”に仕上がっていましたが、家内が自画自賛するだけあって、なかなかの味でした。
【注記】
東南アジアでは、フードコートや昔ながらのホーカーセンター(Hawker’s Centre)と呼ばれる屋台街を中心に、タイ料理、ベトナム料理、東南アジア風の中華料理(正式な中華料理店は箸と蓮華。ご飯も小振りのお椀に盛られます)、インド料理レストランなどでも、大抵スプーンとフォークを使って食べるのですが、カレーも含め、汁にとろみが無くさらっとしていることもあって、これが実に理に適っています。
西洋式のナイフの代わりに右手にスプーンを持ちますが、特にさらっとしたタイ米に、汁物(炒め物、カレーなど)を載せて食べる“ぶっかけ飯”には最適です(但し、インド料理では、サフランライスではなくナンの場合は、右手を使って、一口ずつちぎってカレーに付けて食べた方が食べ易い)。
左手のフォークの背で、右手のスプーンの(横に立てた)お腹に具と汁と一緒にライスを載せて食べるのですが、スプーン単独で(日本のカレーライスの様に)すくうよりもはるかに楽に(効率的に)食べることが出来ます。
東南アジア独特(多くが欧州の植民地だったため、高級ホテルなどのフレンチやイタリアンなどは、勿論キチンとした西洋式テーブルマナーです)の使い方かもしれませんが、“ぶっかけ飯”が食べ易くて大いに感心させられたものです。