カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
11月初旬の京都は、秋とは言え、紅葉にはまだ少し早過ぎます。逆にその頃の京の街は観光客で溢れ、宿泊研修を組むのは無理でしょうから、文句を言ったら罰が当たります。とは言え、11月初旬の古都も色づき始めの秋の装い。そこで、“秋の京都”で有名なお寺を巡ってみることにしました。
シンガポール赴任中の家族の一時帰国休暇を利用して、日本を知らない娘たちにと、敢えて和風旅館に泊まって、京都・奈良を回って以来(まだ就学前だった彼女たちが喜んだのは、畳の布団での枕投げと和風のお風呂。そしてお寺よりも、太秦の映画村と奈良公園の鹿さんに、一番人気が新幹線)四半世紀振りで、今度は中年夫婦だけでの京都です。
学生時代の4年間。心ざわめくことがある度に、永観堂(禅林寺)へ行って“見返り阿弥陀”さまの前に何十分も正座して、心を静めた記憶(第97話参照)がありますが、永観堂は“もみじの寺”として有名。今回ちょっと欲張ったので、永観堂まで回れるかどうか?(本当は、じっくりと阿弥陀さまにお逢い出来る、観光客の少ない季節の方がお薦めです)。
実質二日半の市内観光で、初日は秋の一般公開中だった京都御所へ(前話)。
二日目は生憎の雨模様でしたが、やはりこの時期の秋の特別拝観の中から、先ず西本願寺の飛雲閣を見に行くことにしました。
チェックアウト後、京都駅のロッカーに荷物を預け、駅から徒歩範囲の浄土真宗本願寺派本山である西本願寺へ。
その後駅に戻り、京都駅からアクセスし易いJR奈良線沿線の、紅葉で有名な東福寺と伏見稲荷にも行って見ることにしました。双方とも、京都での学生時代にも何故か行ったことがなく、私も今回が初めての訪問。
先ず、全国3万社の総社となる伏見稲荷大社へ。元々は太秦に名を残す秦氏の氏神であり、五穀豊穣神からやがて産業全般の殖産信仰を集め、商家や企業のお稲荷さんの祠でもお馴染み。JR駅前から続く参道を、楼門をくぐって本殿に参拝した後、境内一万基という全国から寄進された朱塗りの鳥居のトンネル(千本鳥居)で有名な参道を歩き、稲荷山の中腹にある新池まで上ってみましたが、まだ延々と赤い鳥居が続いていました。
伏見稲荷は、外国人の日本の観光スポット人気ランキングNo.1 とか。確かに、境内には東南アジア中心にたくさんの観光客です。“侘び寂び”的日本文化よりも、目にも鮮やかな朱色のお稲荷さんの方が、日本的様式美として分り易いのでしょうね。参拝後、昼時間を過ぎていたので、参道入り口の老舗店「祢ざめ家」で、お稲荷さんらしくきつねうどんと名物の稲荷寿司で昼食(ま、名物はこんなもんでしょ・・・と、うどんが一つしか出て来ずも、催促もせず・・・)。
次に京阪電鉄で、禅宗の京都五山の第四位に数えられ、紅葉で有名な臨済宗東福寺派大本山の東福寺を目指します。
先ずは、京都を舞台にしたTVドラマなどで良くロケに使われる通天橋を見学。まだ色づき始めでしたが、紅葉の時期はさぞ見事なことでしょう。その後で方丈を拝観し、方丈を囲む「ハ相の庭」の枯山水(南庭)と市松模様の庭園(北庭)を見学。方丈再建後、昭和期の作庭とのこと。
まだ時間があったので、京阪で三条まで行って、前日疲れて行けなかった知恩院へ。入学時に祖父から「ウチの本山だから、京都に行ったらまっ先にお参りするように」と言われて以来、実に40年振り。今回は、亡父の一周忌が近いこともありますので、檀家として浄土宗総本山である知恩院へも参拝したいと思っていました。
浄土宗は、家康が宗徒だったこともあり、徳川三代の庇護により現在の伽藍の殆どが再建されたとのこと(徳川家の菩提寺は浄土宗芝増上寺)。
ちょうど、国宝の御影堂(こちらは、みえいどう)は大修理中。こちらは、宗祖法然上人像を安置する本堂です。ご本尊の阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂にも参拝。南禅寺、東福寺と共に京都の三大門と云われる国宝の三門(山門)も威容を見せていました。
その後、京都駅で夕食を採ってから、この日宿泊する嵐山のホテルに移動。夕食は、選択肢が色々あるので京都駅伊勢丹のレストラン街へ。その中から選んだのは、9階にある「京都ビアダイニング 市場小路」。こちらは、京都市内に幾つか店舗を構え、メニューの種類も多く、おばんざいなどもある京風創作料理の店とか。値段は少々高目でしたが、スタッフの対応がテキパキと気持ち良く、何より窓越しに臨むライトアップされた京都タワーの眺望が素敵でした(昼は、送り火の京都五山が望める由)。