カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
9月にドゥダメル指揮ウィーン・フィル来日公演をプレゼントしてくれた長女に、(値差はかなりありますが)そのお礼として(私メのポケットマネーで)プレゼントしたチケットは、10月19日東京芸術劇場でのマチネの読売日本交響楽団(読響)のマーラー交響曲第1番「巨人」(Titan)。
ここ数年、クラシックを夫婦で聴き出した彼女たちへのお薦め曲です。
ところが、婿殿はお友達の結婚式と重なってしまい、下の娘も羽田の空港勤務日で休めず、そこで長女が親友の方に忙しい中無理をお願いし、同席いただいてのコンサートとなりました。
この日の指揮は、チェコ出身のペトル・ヴロンスキー。大震災直後の5月に、来日をキャンセルした指揮者の急遽代役でマーラーの5番を振り、大絶賛を浴びた指揮者だそうです(偶然とは言え、“3.11のマーラー”も5番でした)。
当日のプログラムは、チェコの作曲家スーク(スーク・トリオを率いた世界的名ヴァイオリニスト、ヨゼフ・スークの祖父。作曲の師だったドヴォルザークの娘と結婚。従って、ヴァイオリニストだったスークは、ドヴォルザークの曾孫)の弦楽のためのセレナードと、同じくチェコ出身でもあるマーラーの交響曲1番という、指揮者の母国チェコに因んだ組み合わせ。
人気なのか、一般発売当日の朝に購入してもらったのですが、並びの席で買えたのは3階のバルコニー席(A席)のみでした。その割には、当日3階席は8分ほどの入りだったでしょうか。今回、ステージには正面のパイプオルガンを隠して反響版が降ろされていました(インバル&都響の“マラ5”の時は、オルガンは見えていたような気がします)。
1曲目の弦楽のためのセレナードは、ドヴォルザークに勧められて作った作曲家18才の時の出世作とか。初めて聴きましたが、師を彷彿させるようなボヘミア的な香りのする明るい曲調。読響の弦楽アンサンブルも見事でした。
休憩を挟み、お目当てのマーラーの交響曲第1番“巨人”。
飽くまで良い意味で、洗練されておらず、素朴でねちっこいマーラーでした。ディナーミクを強調し、テンポもかなり揺らしながら、どちらかと言うと最近は洗練された都会的なマーラー演奏が多いような気がする中で、何となく、ボヘミアの森と土の匂いがするような“マライチ”でした。多少古臭いとしても、こういう1番の演奏の方が個人的にはむしろ好みです。
第一楽章後半から全開の熱演でしたが、読響にしては、やや管に不安定さがあったのが残念でした(但し、バンダでの演奏も含め、トランペットパートはお見事)。
ヴロンスキーは、スークも含め全て暗譜で熱演。第3楽章も表情豊かでしたし、終楽章も金管の咆哮での大音量(反響版の効果もあったのかもしれません)で、コーダからフィナーレへ。さすがは読響、パワーがあります。
ブラヴォーが飛び交う中、最初のコントラバス主席の石川さん(第3楽章葬送行進曲の冒頭ソロ)に始まり、団員の中にまで入って行って奏者を讃えていました。鳴り止まぬ拍手に、最後コンマス(この日は小森谷さん)以下、客先にお辞儀をしてお開きに。
生の“巨人”。装置では再生できない聴覚上の圧倒的迫力は勿論ですが、楽譜に指示されている“のだめ”張りの木管のベルアップやホルンパートの立ち上がっての奏法などもあって、視覚効果も満点。私自身も大いに元気をもらいました。さて、明日からまた頑張ろ!っと・・・。
こちらこそ。お忙し時期でしたのに、ありがとうございました。
“Titan”から少しでも元気を得ていただけたら何よりです。
“Titan”から少しでも元気を得ていただけたら何よりです。
投稿者
カネヤマ果樹園 園主
: 2014/10/26 5:04:20 JST
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スークって誰?検索するとドヴォルザークが出てくる‥と、疑問に思っていたことがこのブログで説明されていて、今わかりました笑。
ここ数日すっかり寒くなりました、奥様共にお身体ご自愛下さい。
またお会いできるのを楽しみにしています^ ^