カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
最近、帰りの通勤中(往路はFM放送)のCDで、繰り返し聴いているのがブラームスです。
ブラームスが良く似合う秋にはまだ少し時間がありますが、猛暑、残暑の中で(しかも、真昼の太陽の熱さが冷めやらぬ帰宅時の車中で)聴いています。謂わば“真夏の世の夢”ならぬ“真夏のブラームス”です。
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「悲劇的序曲」は短いながら、どこを切っても“これぞブラームス”。また、「ハイドンの主題による変奏曲」は、まさに“変奏曲の天才”。これに、「大学祝典序曲」が加われば“揃い踏み”です。
「大学祝典序曲」は、ブラームスが大学からの名誉博士号授与の返礼として(友人の薦めで)作曲した曲で、昔「旺文社の大学受験講座」のテーマ曲に用いられて通俗化してしまった嫌いがありますが、高校や学生時代に歌ったドイツの有名な学生歌(“♪我が行く道は はるけき彼方”という日本語歌詞で歌った「ガウデアムス」など)が4曲でしたか、見事に組み合わされています。ブラームスにしては珍しく、その(作曲の目的から止む無く)明るく陽気な“笑いの序曲”と対で、同時並行で彼自身の本質(陽気な曲作りだけでは我慢できなかった)として作曲せざるを得なかったのが“泣きの序曲”である「悲劇的序曲」だそうです(クララに送った手紙にその旨の記述があり、ピアノ二重奏用にも作曲され、彼とクララのピアノ2台で初演された)。
ブラームスの“泣き節”(ドイツ演歌?)の面目躍如と言っても良い名曲でしょう。僅か10数分に“ブラームス・ワールド”満載です。
そして、ハイドン変奏曲は、素朴な主題(最近の研究で、ハイドンも用いた“聖アントニウスのコラール”が原曲とのこと)が終わると、最後のパッサカリアまで、これまた変奏名人としての“ブラームス・ワールド”全開です。
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今年は思いの外雨も多く、例年になく涼しいお盆でしたが、お盆明けからは夏空も戻り、まだまだ暑い日が続きそうです。
残暑お見舞い申し上げます。くれぐれもご自愛ください。