カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
長野県下最大規模という書店「丸善」が松本に出来たお陰で、欲しい本が買えるようになりました(日経の広告で見て欲しいと思ったビジネス書や音楽関係の書籍など、幾つかの書店を探しても見つからなかったのが、ここにはちゃんと在りました)。有難いことです(ただ、駐車場が無く、提携駐車場は5千円以上買わないとサービス券を出さないというのはどうでしょう。書籍を一度に5000円以上買うというのは、そうそうあることでは無いでしょうに。従って、飲み会の前とか、何かのついでの時に立ち寄るようにしています)。
それと、思いがけない恩恵が他にも・・・。
例えば、父の葬儀の際、遠方で来られない方からお香典と一緒に送られてきたのが鳩居堂のお線香。それも首都圏の方々から何人も。良く見るようなお線香とでは、香りが(色も)全然違います(勿論お値段もですが)。
「鳩居堂かぁ・・・。さすがだなぁ!」
ところが、松本でも(種類は少ないですが)買えるんですねぇ~、これが。この丸善で。そこで、親戚2軒が同様に新盆でしたので、鳩居堂のお線香を丸善で購入。一抹の不安は、「鳩居堂って、知ってるかなぁ・・・?」。
余談ですが、最近はPCとプリンターのお陰で、仏熨斗でも、薄墨でも、名前も含めて毛筆体で、筆字が上手い人(昔はデパートには毛筆専門の方が配置されていました)がいなくても、即座にその場で用意してもらえるので助かります(しかし、若い店員さんだと名字の漢字を含め、熨斗の書き方などの知識が乏しいのが玉にキズ)。
さて、それともう一つ。結構洒落た雑貨類が文具売り場に置かれています。たとえば、「のだめ」張りのピアノの鍵盤をデザインした手提げバッグやペンシルケースなど。中年オヤジの趣味ではないので買いはしませんが、松本で初めて見ました(これまで探していた訳でもありませんが・・・)。
今までですと、(文房具専門店だった遠兵も数年前に閉店してしまったので)地場のデパートくらいでしか探せなかったのですが、プリザーブドフラワーやガラス細工のオルゴールなど、ちょっとした気の利いたプレゼントなど、丸善のお陰で選択肢が増えました。
日経の8月の「私の履歴書」は、第218世別当で東大寺長老の森本公誠さんが執筆されていますが、仏教徒でありながらイスラム学者(京大大学院でイスラム学を専攻し、実際にカイロ大学にも留学)という経歴への興味もさることながら、その文章中の件で気になった部分がありました。
それは、8月17日掲載の「私の履歴書⑯」。
東大寺での修行「四度加行」を紹介された中で、キツイので結構「脚に身が入る」との文章でした。特段の解説も無く、普通に使っておられました。
この「脚に身が入る」との言い方は、その前後の繋がりから筋肉痛を指した言い回しだと思いますが、同じ言い方が、ここ松本地方でも使われていて、諏訪出身の家内は松本に来るまで聞いたことも無かったと言いますので、てっきり松本地方の方言だとばかり思っていました。
森本さんは勿論長野県出身ではなく、地元関西(兵庫県姫路市)のご出身です。
「やっぱり、これって標準語じゃないのぉ!?」
と息巻く私に、「ンな訳無いジャン!」と、言下に否定された奥さまが早速ネットで調べてみると、むしろ関西で使われる言い回しなのだとか(但し、関西では、身が「はいる」と言うこともあるそうですが、信州は身が「いる」と言います)。
しかし、私メも学生時代は京都でしたが、「身が入る」という言い回しは、周りで聞いた記憶がありませんでした。
子供の頃から、筋肉痛になると皆普通に「身が入(い)ったー!」と周りも含めて使っていたように思いますが、関西と信州松本地方と遠く離れた土地で、飛び地的に同じ言い回しが使われていると知り、何だか不思議な気がしました。
いずれにしても、いとをかし・・・。
お盆休み中の、とある昼下がり。
母はデイサービスで不在。奥さまは、夏バテ(+新盆対応)で食べる気がしない(三食、スイカだけで良い)とのこと。
新盆のお客様対応で、昼間は食料品の買い出しにも出られず、冷蔵庫には夏季定番の冷やし中華のストックも無し・・・。
「カップ麺でも食べておいたら?・・・」との有難いお言葉に、
「熱いモノは食べたくないから、何か自分で考える・・・」
出した結論は・・・「ヨッシ、冷汁作ろっと!」
以前宮崎に出張した折に、空港の売店で冷汁の元を買って来て家で作ってもらったことがありました。その記憶を頼りに、あとは適当に自己流で・・・。
味噌を(白だしが無かったので)薄めたツユの素で伸ばして溶いて、少し砂糖を入れてかき混ぜ、しゃぶしゃぶ用のゴマだれを(結構多めに)足して、先ずはかなり濃い目に仕上げます。その中に前日の冷やむぎの薬味の残りの刻んだミョウガと大葉を入れて、(ご飯を入れた時に塩梅がちょうど良くなるように)氷を数個入れて冷やし、かけ汁は完成です。キュウリを薄く輪切りにして、丼に盛ったご飯に載せて、汁をぶっかけて出来上がり。
本場の冷汁は、砕いた豆腐を汁に入れるのがポイントとは、奥さま。
でも、このままでも十分美味しくいただきました。キュウリの涼やかな“青臭さ”に“日本のハーブ”とも云えるミョウガと大葉が爽やかです。
「うん、夏は冷汁に限る!」・・・かも。
最近、帰りの通勤中(往路はFM放送)のCDで、繰り返し聴いているのがブラームスです。
ブラームスが良く似合う秋にはまだ少し時間がありますが、猛暑、残暑の中で(しかも、真昼の太陽の熱さが冷めやらぬ帰宅時の車中で)聴いています。謂わば“真夏の世の夢”ならぬ“真夏のブラームス”です。
とりわけ、車中で何度も繰り返し聴いているのが、ブラームスの「悲劇的序曲」と「ハイドンの主題による変奏曲」。手持ちのLP(些か古いですが、DECCAの輸入盤で、クナッパーツブッシュ&VPOによるアルトラプソディーを含む管弦楽作品集)には収録されていたと思いましたが、プレーヤーが不調でLPが聴けないので、聴いたのは久し振りです。
「悲劇的序曲」は短いながら、どこを切っても“これぞブラームス”。また、「ハイドンの主題による変奏曲」は、まさに“変奏曲の天才”。これに、「大学祝典序曲」が加われば“揃い踏み”です。
「大学祝典序曲」は、ブラームスが大学からの名誉博士号授与の返礼として(友人の薦めで)作曲した曲で、昔「旺文社の大学受験講座」のテーマ曲に用いられて通俗化してしまった嫌いがありますが、高校や学生時代に歌ったドイツの有名な学生歌(“♪我が行く道は はるけき彼方”という日本語歌詞で歌った「ガウデアムス」など)が4曲でしたか、見事に組み合わされています。ブラームスにしては珍しく、その(作曲の目的から止む無く)明るく陽気な“笑いの序曲”と対で、同時並行で彼自身の本質(陽気な曲作りだけでは我慢できなかった)として作曲せざるを得なかったのが“泣きの序曲”である「悲劇的序曲」だそうです(クララに送った手紙にその旨の記述があり、ピアノ二重奏用にも作曲され、彼とクララのピアノ2台で初演された)。
ブラームスの“泣き節”(ドイツ演歌?)の面目躍如と言っても良い名曲でしょう。僅か10数分に“ブラームス・ワールド”満載です。
そして、ハイドン変奏曲は、素朴な主題(最近の研究で、ハイドンも用いた“聖アントニウスのコラール”が原曲とのこと)が終わると、最後のパッサカリアまで、これまた変奏名人としての“ブラームス・ワールド”全開です。
CDにカップリングされていた演奏は、ジュリーニ指揮VPO(彼の演奏は多分一枚も購入していません)。これが、遅めのテンポながら実に重厚で、ブラームスらしくてなかなかイイ。勿論VPOも名人芸で応えています。今年は、真夏から聴き始めたブラームス。秋になったら、何を聴こうかな?やっぱり弦楽六重奏の1番でしょうか・・・。
今年は思いの外雨も多く、例年になく涼しいお盆でしたが、お盆明けからは夏空も戻り、まだまだ暑い日が続きそうです。
残暑お見舞い申し上げます。くれぐれもご自愛ください。
前回(第877話)の懐かしかった空芯菜(カンコン)に触発されたのか、今度はシンガポール・チキンライス(海南鶏飯=ハイナンチーファン。中国海南島からの移民たちが広めたと云われるローカルフード)が無性に食べたくなりました。
東京に行けば、最近では何店舗か「シンガポール料理」(実際には、現地にシンガポール料理というジャンルがある訳ではありません)として提供しているレストランがありますが、田舎では無理なので、自分で作るしかありません。でも、松本でタイ米買えるのかなぁ・・・?(少なくとも、いつものスーパーの米売り場にはありませんでした)。
ということで、私メの誕生日に、何と奥さまが作ってくれることになりました(ウルウル・・・。寿司や焼肉に比べれば、食材としては高くはありませんが、ま、イイか)。
そこで、ネット検索でレシピを調べて、鶏のモモ肉と胸肉を、生姜とネギを入れて煮て、その茹で汁を使ってご飯を炊きます。タレは、家にあった李錦記のスイートチリと、ナンプラーをベースにレモン汁とすり卸した生姜を入れてみました。早速試食。ウーン、何となくタレが違うなぁ・・・。ナンプラーじゃないのでしょうか?
中華用の醤油じゃないとダメかもしれません。また、ご飯もとりあえずジャポニカ米を強(こわ)目に炊いてもらいました。うーん、タイ米でないと、あの香りとパサツキが出ませんね。チキンも、胸肉はパサパサして、モモ肉だけの方が良いようです。ただ、それらしい味にはなりました(掲載した写真は、この時のチキンライスです)。
その後、何度か電話をしてみても、両店とも応答が無かったとのこと。やはり、田舎ではニーズが無いのか、残念ながら閉店してしまったのかもしれません。
新盆で、帰省して来る娘たちや妹一家が揃うので、その時にシンガポール・チキンライスを一品として出したいとのこと。それまでに食材や調味料を何とか調達しておかないといけません。家内が娘に聞いたら、東京なら、成城石井で“普通に”に売っているそうです。
やっぱり、都会は便利だなぁ・・・。
・・・ということで、先日家内が娘の所に上京した際に、タイ米(ジャスミン米)は紀ノ国屋で買ってきましたが、中国醤油は無かったらしく、羽田周辺にも見当たらなかったそうです(都会でも、どこでも買えるようではないらしい・・・)。
新盆本番の食卓では、チキンライスは生姜ダレとスイートチリソースでいただきました。一緒に、ベトナム風生春巻きも。
久し振りのタイ米(ジャスミン米)がとにかく美味しかった。たまたまスーパーに入荷していたコリアンダー(香菜)も、日本産(茨城)とは思えぬほど、あの独特の香りがあって、併せて東南アジアテイスト満載でした
更に、奥さまが焼いたローストビーフに、ハーブガーデンから摘んできたルッコラとクレソン満載のサラダとピザも並びました。チキンライスも好評で何より。
味を占めて、今度はネットでタイ米と中国醤油も注文して、また自宅で試してみるそうです。
(*先月より「顛末記」を「日記」と改め、以前からの通し番号にて掲載中)
我が家の南側の、芝生と狭い階段状花壇に挟まれた小道。自分で策定した時は、カラーブロックを敷いたのですが、リフォームの際に直線だった小道にアクセントをつけた曲線(波線?)に変わり、ブロックの代わりにウッドチップが敷き詰められました。その際、園芸店の方からは、ウッドチップが“痩せたら”新しく敷き直せば良いとのこと。
大分薄くなってきたので、ここで、たくさんお客さんが見える新盆前に、一部リフォームをお願いしました。
結構な費用(特にウッドチップが高価)になりますが、奥さまが「どうせお願いするなら・・・」とのことで、まとめてお願いし、8月上旬の平日に工事をしていただきました。
写真は、その“ビフォー&アフター”。見違えるように、スッキリとキレイになりました。
台風以降、お盆の間も思いの外涼しく、雨も何日か降りました。
雨が降ると、ウッドチップの小路は木の香がして、清々しさが漂っています。新しい間だけかもしれませんが、思い掛けない発見でした。
18才になる我が家のチロルですが、この1年間くらい、いよいよ老衰の兆候が表れてきました。
我が家を建てて暫くして、そぼ降る雨の早朝に玄関にずぶ濡れになって捨てられていたチロルです。
その、捨てられたトラウマからか、最初は、お客さんが来ると(玄関のチャイムが鳴ると)一目散にスッテプフロアになっている階段(4段)を駆け上がり、閉まっていれば伸び上がって自分の前足でドアノブを開けて、玄関で吠えていたのが、ここ一年前からは先ず階段を昇れなくなりました。
そこで、ベランダから庭を回って道路に出るまでに3つある階段は抱っこして、毎朝散歩に出かけていたのですが、1年くらい前から散歩途中に後ろ足がカクンとよろける様になったので、最初は同じくらいのペースだったのが、最近では20m歩いてマーキングをしては、50m抱っこして、また20m歩く・・・という感じになりました。最初の頃は、抱くと「早く降ろして!」という風に足をバタつかせたりもしましたが、その内に抱かれることに慣れたのか、前足を揃えてチョコンと出して、降ろしてもらえるまで抱かれたままにさせています。
何しろ、“散歩大好き犬”のチロルですので、動ける間は何としても散歩に連れて行ってあげようと思います。
先月末、待望のビッグコミックス「どうらく息子」第10巻が発売されました。ちょうど誕生日を迎えたこともあり、自分で自分へのバースデープレゼントに購入しました(別に誕生日でなくても買いますが)。
当然ながら、オリジナル誌上で毎号読んでいますので、目新しいものではありませんが、一番の目的は第10巻にまとめられた9話分のオリジナルが漸く資源ごみで出せること。
発売当日、会社の帰りに少し回り道をして、元町にあるレンタルDVDと併設された書店に寄ってみました。ところが、いくら探しても見当たりません。やむなく店員さんに聞いたところ、店として発注していないので、購入する場合は取り寄せになるとのこと。「えーっ!そうなのぉ・・・」
・・・であれば、わざわざここで買う必要はありません。ネットで注文すれば、車で取りに出向かずとも、自宅に配送してもらえますから。
それにしても、確か書籍と新聞は再販制度で守られていて、書店は(トーハン、日版などの)出版取次業者経由で、出版社への返品が可能なのじゃありませんでしたっけ(要するに、本屋自身に在庫責任の無い委託販売)。それなのに・・・。
それも、行った書店は大手の全国チェーン店です。これじゃ、市中から本屋が消えて行く筈です、行っても無いんじゃ。だったら、ネットで何冊か欲しい本をまとめて注文(送料無料になるように)して、自宅宛に届けてもらった方がよっぽど良い・・・と必然的になっていく悪循環。必ずしも、子供の活字離れや、電子書籍のせいばかりでは無いと思います。
個人的には、本屋はその街の文化度を示すバロメーターだと(勝手に)思っています。過去、松本は旧制高校があったためか、この規模からすると昔はたくさんの書店がありましたが、今や残念ながら見る影もなく、老舗では江戸時代寛政年間創業という高美書店が、規模を縮小しながらも唯一残る程度で、今では市内で一番大きな丸善にすがるのみですので、個人的には消えて欲しくありませんし、また乱読故、面白そうな本は実際に手に取ってみないと分らないので、出来るだけ本屋さんで立ち読みをして決める(買う)ようにしていますが、これじゃあ・・・。
以前も、松本市内では見つけられなかったビジネス書が、出張帰りのあずさに乗る前に立ち寄った新宿紀伊國屋では、ビジネス書のコーナーに山積みされていたのには(そのあまりの差に)愕然としましたっけ。
この日一緒に買おうと思っていた興味ある歴史物の文庫本も(こちらは、ちゃんと書店にも並んでいましたが)、結局この書店では購入せず、帰宅後まとめてネットで注文しました。結局、これも悪循環・・・。
松本からですと、国道254号線の三才山トンネルの料金所を過ぎて、ずっと下って行って、内村ダムや三才山病院へ下る道の入り口辺りから。
上田からは、鹿教湯トンネルを抜けて峠道に入り、上り坂での追い越し車線が終わって笠岩の短いトンネルを過ぎて橋を渡った辺りから。
毎年、この時期になると、長さ100m弱、山側の道路脇に等間隔でマリーゴールドが百株程植えられています。しかも、これ、80歳近いと思われるお爺さんが三輪のスクーターで麓からトコトコ通って来ては、毎日一人でこつこつと作業をして植えられているのです(通過して行くホンの数秒足らずですが、そんな風に見えます)。
私が朝ここを通過するのは毎朝7時半過ぎですが、既に来られていて、黙々と作業をしています。黄色、橙、紅色のマリーゴールド。自治体や、地区の自治会からの委託ならともかく、もしご自分の趣味で、且つ自腹でやっておられるとしたら、マリーゴールドは決して高い花ではありませんが、100鉢以上ともなると、ポット苗でも一鉢100円弱としても、おそらく万単位の出費になる筈です(それとも、毎年種を採られて、発芽させて育てられていれば良いのですが)。
上田側は、追い越し車線からの勢いのまま、結構なスピードでお爺さんの作業している傍らを車が通過して行きます。些か心配になりますが、お爺さんは委細気にせず黙々と作業を続けています。マリーゴールドは、花の時期が長く日持ちする花なので、結構長い間、朝の通勤で気忙しく行き交う我々ドライバーの目を楽しませてくれます(もしかしたら、気付かない人もいるかもしれませんが)。
まさに現代の、三才山峠の“花咲爺さん”です。
道路を管理する国や、県、或いは地籍の上田市でも、どこでも良いので、人知れず頑張っておられるこのお爺さんにスポットライトを当てていただけると嬉しいのですが・・・。
(7月末の上田からの帰路、ちょうど手舗装工事の片側通行で、花壇付近に停車。夕刻7時近くでしたが、まだ明るかったので助手席越しに車内から撮影しました。拡大しましたが、ちょっと分り辛いかも・・・。お盆明けの様子も追加しました)。
三才山峠の“花咲爺さん”・・・今年も花が咲きました。
峠道を走るドライバーの皆さん、せめてこの辺りだけでもゆっくり走って(今は舗装工事中の片側通行で、上田側はちょうど停車位置です)、せっかくの花を、どうぞ愛でてあげてください。
(*先月から「顛末記」を「日記」と改め、以前からの通し番号にて掲載)
一昨年からのリンゴの植え替えに伴い、果樹園横の野菜畑も休耕中。
そのため、お隣から(「作っていないみたいだから」と)家庭菜園で栽培されたキュウリを何度かいただくなど、農家としては反省するところ大なのですが、やはり買ったハウスモノと地で栽培したモノでは、新鮮さは勿論ですが、味も全く違います。
また、キュウリでは、成長前の人差し指大ほどの大きさで若採りしたミニサイズのキュウリをモロキュウにすると、パリパリした食感で段違いの美味しさです。しかし、通常出荷するには大きい方が価格は高いでしょうから、なかなか市販では手に入りません(ホンの時たま地場野菜のコーナーで、曲がって出荷出来ないキュウリを摘果のために若採りして、ミニサイズで袋詰めにして売っていることがありますが、パリパリ感はあってもハウス物?だと味が薄い)。
そこで、野菜畑はリタイア後にきちんと手入れをして、また色々な自家用野菜をしっかりと栽培する(やがていつかは、田舎のジジ宜しく、娘たちに、たくさん送ってあげまーす!)ことにして、一畳程の狭いハーブガーデンの片隅に、ちょっと無理をして4本だけ、遅まきながらではありましたが、キュウリ苗を植えてみることにしました。
今年種から育てたルッコラと、バジルやパセリを植えたハーブガーデンの片隅ですが、ここは軒先に遮られ雨が当たらない場所。従って、乾燥しないように定期的に水遣りをする必要があるため、これまでは何も植えなかった70㎝四方程のホンの僅かなスペースです(狭いスペースにキュウリ4本は、ジャングルみたいになるかも・・・)。
我が家の花壇や庭木の手入れをお願いしている、いつもの園芸店(高校の同級生が経営)の野菜苗売り場(本来、松本では老舗の種苗屋さんで、自前で育成した苗もシーズンには揃えています)。
昨今の家庭菜園ブームで、5月は野菜苗を求める人でごった返すのですが、さすがに6月も下旬では、相変わらず花苗の方は混んでいましたが、野菜苗売り場には誰もいません。
幸い、お目当てのキュウリだけは、家庭菜園向けの「夏すずみ」(タキイ種苗)という品種の接ぎ木のポット苗が一種類だけ、未だ店頭に出ていました。最盛期には、キュウリの種類も勿論ですが、同じ種類でも連作障害に強いという接ぎ木した苗とそうでないモノとか、幾種類も並びます(同級生の肩を持つ訳ではありませんが、栽培してみれば、ホームセンターなどの苗とは全く違うことが良く判ります)。
さすがにもう時季外れのため、苗も大分伸びていて細い支柱で支えてありました。今回初めて植える場所で連作ではないので、本来接ぎ木苗でなくても良いのですが、他に選択肢も無いので、それを4本購入。
買った時に、既に大分苗が伸びていたこともありますが、6月末に植えてから僅か二週間で、早くも花が咲き出しました。ツル(蔓)の付け根に幾つも花芽が付いていましたが、最初の内は全て雄花。
高さが1mほどになってきたので、キュウリの伸びたツルをそれぞれの支柱に誘引するために、ブドウ剪定用(残す枝をブドウ棚に留める時に使用)のテープナー(テープカッターとホッチキスを一体にしたもの)で、何ヶ所か留めます。また、支柱がぐらつかないように、最上部に短い支柱(横棒)を渡して固定しました。やっつけ仕事的ではありますが、とりあえずは、まぁこんなものでしょうか。
以前、果樹園横の家庭菜園で育てていた時は、キュウリだけで10数本植えたので食べきれないほどだったのですが、今回は4本だけ。しかも、だいぶ遅くに植えたので、奥様からの催促(「ねぇ、未だならないの?」)が煩く、日々観察しています。
早く、雌花が咲かないかなぁ・・・。どうやら、ツル(親蔓)から出た新しいツル(子蔓)の最初の節には殆ど雄花が咲くようで、移植して4週間で、初めての雌花を一つ発見!漸く、キュウリの赤ちゃんの誕生です。ただ、親蔓側の節に出たためか、成長せずやがて枯れてしまいました。
因みに最近のキュウリは、品種改良により、単為結果性と言って、雄花の花粉を雌花に受粉させなくても結実するのだそうです。
6月末に移植してから一ヶ月が過ぎ、ツル(親蔓)の高さは1.8mほどに成長しました。ツルも親蔓から出た子蔓や、そこから伸びた孫蔓などたくさん伸びてきて、それに伴ってキュウリの赤ちゃんの雌花も幾つか咲き出しました。
写真には二つ写っていて、右側は大分キュウリらしく成長してきました。この時には5㎝くらいだったのが、その3日後が次の写真。あっという間に15㎝ほどの大きさになり、その3日後に20㎝になったところで収穫して、奥さまが「初物」を仏壇にお供えしました。移植してから一ヶ月掛かって、漸くここで収穫と相成りました。
これからツルが横に伸びるに従って、雌花が次々と出てくる(筈!)と思います。
週末に、食料品の買い出しで、いつものスーパーマーケットへ。
野菜売り場を見ていたら、「あさがお菜」なる表示で、水菜のような葉物野菜が袋に入れられて並んでいました。新顔故、売り場面積は広くありません。
「何じゃ、これ?・・・えっ、もしかシテ・・・!」
それは「空芯菜」でした。その名の通り、セリのように茎が空洞になっていて、葉は細身のホウレンソウの様な、東南アジアのシンガポールやマレーシア、タイではお馴染みの野菜です。
シンガポールでは、「カンコン(Kang Kong)」(てっきりマレー語だとばかり思っていたら、Wikipedia に依ればフィリピン語だとか。≒タガログ語のことでしょうか?)と呼ばれていて、現地のフードコートやホーカーセンター(hawker’s centre)などの屋台でも、「チリカンコン」やオイスターソースでの「ニンニク炒め」が定番の野菜料理でした(中華レストランでも、肉、魚、野菜、スープ、麺類かご飯ものなど、各ジャンル毎に一品ずつ注文するのが中華料理の定番コース)。懐かしさのあまり、二袋購入。
この空芯菜、店頭の和名「あさがお菜」にもあるように、ヒルガオ科(朝顔に似た花が咲くそうですが、ヒルガオだって花の形状は同じなのに、「あさがお菜」の方がイメージが良いのでしょうか?)サツマイモ属(そう言えばサツマイモも、鹿児島県などの産地では、茎を野菜として食べるんでしたっけ)とかの野菜。ネットで調べると「ヨウサイ」と書かれていましたが、日本でも中国名をそのまま音読みでの「クウシンサイ」の方が最近では通りが良いかもしれません。
このカンコン(空芯菜)の他にも、豆芽(トウミャオ)やカイラン(芥藍。ブロッコリーの仲間で、若芽を食べる。ブロッコリーの柔らかな茎の様な味)など、赴任時代に良く食べた、シンガポールの中華料理(或いはタイやベトナムなどのローカルフード)の定番野菜たち。市内のタイ料理店では、以前から空芯菜の炒め物がありましたが、店頭で売られているのを見つけたのは今回が初めて。ありがたいことに、懐かしい東南アジアの味が、日本でも(ここ松本でも)入手出来るようになりました。
二袋しかないので、オイスターソースで味付ける方は(女性陣も食べるので)、タマネギをスライスして量を増やし、刻んだニンニクを先に炒めて香り付けの後、オイスターソースとナンプラーを料理酒で薄めて炒めました。
一方の“チリカンコン”は辛くて他の人は食べないだろうと、チリソース(スイートチリではない)とオイスターソースで炒めてみました。
私メだけは、茶碗ではなく、平皿にご飯(本当はタイ米ならイイのですが)を盛って、東南アジアのぶっかけ飯風に、これまた現地風にスプーンとフォーク(フォークの背を使ってスプーンにぶっかけ飯を載せて食べる。現地のスタッフから教えてもらった時は、その“創意工夫”に感動しましたっけ)でいただきました。
う~ん、チリカンコンはイマイチ。現地では、どんな調味料で味付けしているのでしょうか。一方は、ナンプラーが効いて、東南アジア風のテイスト。ただ、売られていた空芯菜(茨城県産)は、少々太すぎてコワ(強)い。現地では、もっと細い若芽を使っていたように思います。また、家庭では火力が弱いため、どうしてもシャキッとならず、クタッとしています。
まぁ、しょうがないのでしょうね。でも、ちょっぴり東南アジアの味がしました。「また、空芯菜を買って食べようっと!」
(チリソースはもう一工夫が必要。次回は、オイスターソースではなく、ナンプラーにしてみようかしら・・・)
・・・と思ったのですが、翌週スーパーの野菜売り場には無く、店員さんに聞いたところ、先週で入荷終了とのこと。確か茨城県産でしたが、5月から7月までが入荷時期とのことでした。残念!