カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
デアゴスティーニに代表される「分冊百科」。
「城」や「仏像」など、テーマやジャンルを絞った特集や、毎号少しずつ付いてくる部品を組み立てていく“パートワーク”。
これまでどんなに興味深いシリーズがあっても、例えば帆船に代表されるパートワークは根気に自信が無く、途中での挫折を恐れて一度も買ったことはありません。
この1月4日に、小学館から「クラシックプレミアム」というシリーズが、全50巻で創刊になりました。
作曲家別で、毎号70分近いSHM‐CDと20頁の解説マガジン(僅か20ページですので、内容的には然程目新しい記事は無し)のセット。
創刊号はカルロス・クライバーで、ベートーヴェンの5番&7番と、更に今回はヨハン・シュトラウスⅡ世の喜歌劇「こうもり」序曲(バイエルン国立管)も収録。中でも、天才クライバーがVPOを振っての熱狂と怒涛の如き7番は、とりわけセンセーショナルな名演でした。1975年から翌年に掛けての録音といいますが、天才カリスマ指揮者による、いまだ色あせぬ伝説的名演です(個人的に大好きだったスウィトナーさんを除けば、これまで世界的指揮者の訃報で一番ショックだったのは、ベームでもカラヤンでもアバドでもなく、クライバーだったかもしれません)。抜粋かと思ったら、何と5番・7番とも全曲入りの80分CD。この手の分冊百科の慣例で、創刊号が800円、2号目以降は1200円(税別)という設定ですが、音源が独グラモフォン、デッカ、EMIなど(を傘下に持つワーナーとユニバーサルミュージックが参加)の往年の名盤揃い。指揮者だけを見ても、カラヤン、ベーム、バーンスタインから、アバド(1月20日に逝去)、ゲルギエフ(マリインスキー劇場管)、ティーレマン(前任のミュンヘンPO)など今をときめく大物まで。曲によっては、パイヤール(ランパル&ラスキーヌでのフルートとハープのための協奏曲)や、ミュンシュ(幻想交響曲)とクリュイタンス(ラヴェル)のパリ管や、ケルテス&VPOの「新世界」(水難事故で夭逝したケルテスのドヴォルザークでは、その後常任を務めたLSOを振った7&8番のLPが手許にありましたが、VPOとの9番は若きケルテスの情熱ほとばしる名演。1961年録音という古い音源ですが、元の録音も良いのでしょう、今回のCDの音質の良さも手伝ってか、半世紀も前という古さを全く感じさせないのが驚きでした)などの歴史的名盤も収められています。しかも入門用のオムニバス形式の抜粋盤ではなく、交響曲や協奏曲は全曲入りの本格派です。
「まぁ、いずれ子供か、将来、もしクラシック好きの孫でも出来たら全部引き継いでも良いし・・・。」
(その後、法事で戻った長女が「これ、私も欲しかったんだーっ♪」とのこと。早速、クライバーと、アバドの振ったモーツアルトのピアコン、ピリスとの21番とグルダの27番が売約済みとなりました)
以前のような電車通勤なら、発刊の都度、駅ビル内の本屋さんにいつでも立ち寄れますが、田舎道の峠越えでは、いつ本屋に行けるか分からないので、悩んだ末に、思い切って(泣け出しのヘソクリから)自宅直送で全巻購入を申し込みました(一括購入者には、89年と92年の二度、クライバーが指揮したVPOニューイヤーコンサート抜粋版のDVDプレゼントの特典あり)。
既に、宅配メール便で、2号~5号とプレゼントのDVD(収録48分)が送られて来ました。
毎月2回、これから2年間続く音の宅急便です。