カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
今年の“芸術の秋”は、ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール。略称“音文”)主催のコンサートのどれに行こうか迷っている内に、何となく(月一ペースで)埋まってしまいました。それも、殆ど音文以外で。
先ずは、9月21日に茅野市民館での小菅優のピアノリサイタル。
続いて、10月5日にすみだトリフォニ-ホールでの新日フィルを指揮しての十束尚宏さんの演奏会。
そして11月3日、同じく震災の損傷から今年改修なったミューザ川崎でのチェコフィル来日公演。
最後に、暮れも押し迫った12月21日の音文での恒例OEK松本公演。
私にとっては、何とも贅沢な芸術の秋になりそうです。
因みに、その後は2月に音文で松本バッハ祝祭管弦楽団の結成第4回公演。今回は何と「ロ短調ミサ」全曲演奏会(但し、合唱ではなく重唱版)。そして今回も、恒例の高校音楽部の大先輩でもある磯山教授による事前レクチャー(講演会)付きの豪華版ですので、是非聴きに行きたいと思います。
新日フィルは、「クラシックの扉コンサート」での、ショパンのピアノ協奏曲1番とメインにチャイコの4番。ソリストは、これまた欧州で活躍する注目の若手菊池洋子さん。十束さんが指揮する本格的な演奏会を生で聴くのは、シンガポール以来20数年振り(昨年のSKF20周年ガラコンサートでは、序曲のみでしたので)。今回は土曜日のマチネなので日帰りも可能なことから、思い切って錦糸町まで聴きに行くことにしたもの。チャイコの4番は十束さん向きの選曲だと思いますので、特に第4楽章の指揮振りを楽しみにしています。
チェコフィルは、20年振りに首席指揮者として復帰したチェコ出身のイルジー・ビエロフラーヴェクの指揮で、グリンカの「ルスランとリュドミラ序曲」で派手に開演し、ドイツ在住の河村尚子のピアノソロでラフマニノフの2番、締めに十八番(おはこ)の「新世界」というプログラム。娘が今年も誕生日のお祝いにプレゼント(お中元もお歳暮も、「ぜーんぶまとめて」とのことで、おかたじけ!)してくれたコンサートです。
OEK松本公演は、2011年の直下型地震で音文の天井が損傷し開催できなかったコンサートと同じプログラム。多分生では珍しいブラームスのダブルコンチェルトと運命(これでOEKでのベートーヴェンの交響曲は全曲演奏)。指揮は常任の井上道義(井上さんは滅多に「運命」を振らないそうですが、今回は「これで全曲になりますから!」と漸く“口説き落とした”のだとか)。
今年の秋は、世界3大オケを始め、海外メジャー級オケの来日ラッシュだそうですが、娘が選んでくれたチェコフィルは、“弦の国”のオケとして、その響きは絹にも例えられ、“プラハの春音楽祭”のレジデントオーケストラとしても有名です(共産化に反対して亡命し、1990年の民主化“ビロード革命”後に要請に応え帰国したクーベリックが、万感の想いで「わが祖国」を指揮した映像を昔TVで見ました)。
学生時代の京都で、ノイマン指揮での“生”モルダウをどうしても聴きたくて生活費を切り詰めてチケットを購入したのが1976年(但し、メインは、確かに12月でしたが何故か第九で、附属の合唱団も同行。でも、生で聴いたモルダウは、フルートのあの出だしから鳥肌が立ちました)。
帰国後、岡谷のカノラホールでの公演(モルダウ、チェロ協奏曲、新世界という“これぞチェコ!”という演目)にまだ小学生だった娘たちを連れて聴きに行ったのが1996年。
そして今年と、ほぼ20年毎に生で聴くことになります。その意味では、私にとっての思い出のオーケストラでしょうか。しかも、歴代のクーベリック、アンチェル、ノイマンと続いたチェコ出身の首席指揮者の系統であるビエロフラーヴェクが20年振りに復帰しましたので、チェコの人々にすればまさに“おらがオーケストラ”でしょうか。
因みに、チェコフィルと同じ日のマチネで、チェコ国立ブルノフィル(チェコフィルに次ぐという評価のオケで、映画版の「のだめ」で千秋が常任で立て直すフランスのオケ役で出演)が松本県文で演奏会(こちらは定番の、モルダウ、チェロ・コン、新世界とか)。
それにしても偶然とはいえ、この秋だけで小菅優、菊池洋子、河村尚子と注目の若手女流ピアニストを3人聴くことになります。
コメント追加