カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
先日、我が家の庭先にもホタルがスーッと一匹、青白い光を点滅させながらやって来て、ハナミズキの葉に停まりました。
そこで、早速家内もベランダに呼んで、二人でホタル鑑賞です。「青白い」と形容しますが、実際は黄緑色っぽい光が光っては消えて行きます。何だか、そこだけ、時間が静かにゆっくりと流れて行くようです。
家内によれば、田んぼなどでの農薬使用が減ったこともあるようで、最近あちこちでホタルが見られるようになり、松本市内でも市街地のショッピングモールに隣接した公園などでも見られるそうです。
恐らくそれに加えて、下水道整備で昔のように川に家庭の雑排水が流れ込まなくなり、また環境意識の高まりでビオトープ化など自然への配慮が各地で進められてきたことも、エサとなるカワニナの生息拡大と共に大きいのでしょう。
そう言えば、子供が小さい頃通っていた塾近くの女鳥羽川も昔からホタルが生息しており、帰国後、シンガポール育ちで見たことも無い子供たち(帰国子女の弱点は、社会と理科だと思います)を連れて皆でホタル鑑賞に行った記憶がありますし、最近では街中の中央図書館横を流れる川でもホタルが見られるそうです。
家内に聞くと、英語でホタルはFirefly或いはLightning bugとか。
「それって、要は、ただのハエ(fly)とか“お邪魔虫”ってことジャン!」
夕涼みで、ホタルの淡い光を愛でて、その消え行く光に小さき命の儚さを想う・・・なんぞという風流な感覚は欧米には無いのでしょうか?
そう言えば、かの藤原正彦先生に拠れば、コオロギや鈴虫など「秋の虫の音」などは、欧米人にはただの雑音にしか聞こえないと言いますし、“古池や”の句で連想する蛙の水音は、ポトンと一匹ではなく、ドバドバと100匹近くなどだとか・・・(あれ程日本を愛し理解したであろう八雲でさえ、fogsと訳したのだとか)。
“光るハエ”や“点灯するbug”じゃあ、何だか直ぐに殺虫剤でも噴き掛けられそうです。
でも、シンガポール駐在中に、家族で行ったニュージーランド旅行(来た島中心にレンタカーで廻ったのですが、まだ幼かった娘たちには「また羊しかいない・・・」と、甚く不人気でしたが)。
北島のワイトモ・ケーブだったかの土ボタル(ホタルとは別種)は、洞窟の暗闇の中で、天上がまるで星空のように煌く青白い幻想的な光で、人気の観光スポットにもなっていたのですが・・・。
そう言えば、ニューギニアだったか、無数のホタルが集まる「蛍の木」があるそうですね。