カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
居酒屋に関する我がバイブルとも言える、『ニッポン居酒屋放浪記』(第505話参照)。著者は、松本市出身の本業グラフィックデザイナーの太田和彦氏。高校の大先輩でもあります。CATVでは太田さんが出演するTV番組があるらしいのですが、残念ながらこちらでは放送も無く、代わって楽しんでいるのが、BS-TBSで放送されている吉田類氏の『酒場放浪記』。どちらかと言えば、太田さんの方が“その道”の先達でしょうか。
ところが、今年の1月からBS日テレで太田さんの「日本百名居酒屋」と、更にこの4月からBS11で、「ふらり旅~いい酒、いい肴~」という番組が相次いで放送されています(放送では、いつから定着したのか、「居酒屋探訪家」と紹介されていました)。BSでの初回が尾道、2回目が倉敷と、瀬戸内地方から始まりましたが、いつか故郷松本にも来てくれないかなぁ・・・?でも塩イカじゃなぁ・・・などと思いつつ、観光案内を兼ねて楽しみに見ています。
どちらも、言ってみれば“単なる飲兵衛”のお二人が、地元で愛される各地の居酒屋を巡って紹介するという番組。しかし、酒好きにとってみれば、飲兵衛垂涎とも云える羨ましさと、ナビゲートするお二人には些か呆れつつも尊敬の念を抱き、また「飲むのが仕事」に対する羨望の眼差し(昔入社した頃、会社にも“酒の量は仕事の量”と言われた尊敬する上司がいましたが・・・付け加えて曰く「タバコの煙は哲学の煙」)で、溜息をつきつつ見る番組でもあります。
しかも、「酒場放浪記」が、BSでは毎週月曜日(過去放送したものの再放送含め4本まとめて放送)で、「ふらり旅」が毎週火曜日(「百名居酒屋」は日曜深夜)。
勝手な個人的都合ながら、月曜と火曜日は強制適用休肝日ゆえ、この番組を飲まずに見るのは体には良くとも精神的にはかなりの悪影響(チト辛くて、高ストレス)なんですね、これが。そう分かっていても、飲兵衛としては憧れを持って見てしまいます(休肝日は当然ながら飲まないので、すぐには眠くならずに見れますが、日曜深夜は酔いも手伝い、白河夜船で殆ど起きていられず、いまだ見たこと無し)。
お二人とも、昔から地元で愛された居酒屋が中心で、内容は似たような番組。しかも、太田さんの本業はグラフィックデザイナーで吉田さんが画家と、お二人とも芸術家。
しかし、太田さんは上述の通り松本出身の信州人で、吉田さんは土佐っぽ。どちらかと言えば、店主と会話しつつも、太田さんが一人静かに雰囲気と酒と肴を楽しむイメージなのに対して、吉田さんは先ず居合わせた常連さんと乾杯して交わりつつ、時には(放送では殆ど毎回)常連さんのオーダーした定番メニューをずうずうしくも味見。この開けっ広げの大らかさが吉田さんの魅力でしょうか。
ただ、紀行文としての文章は、個人的には大田さんの「いい酒、いい人、いい肴」の、むっつりながら暖かな目線の方に(同じ理屈っぽい信州人としては?)共感を持っています。
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