カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 熱戦の続いた2012ロンドンオリンピックも終わりました。
冬も夏も、4年に一度だけのオリンピックだからこそ、選手の皆さんには、“お国のため”ではなく是非自分自身のために精一杯戦ってほしいと思い、そして結果としてメダルが取れようが取れまいが、自己満足でもいいから燃焼し尽くして帰って来て欲しいと願って応援していました。見ている我々は、その頑張りに十分感動をもらいました。そして、その結果、日本全体が元気になればと思います。
今回も、幾つもの感動がありました。女子重量挙げ、女子アーチェリーや卓球女子、なでしこジャパンに代表される史上初。ボクシングや男子サッカー、男子レスリングなどの何十年振り。そして史上最多の競泳陣(とびうおジャパンとか)。メダルの色はともかく、総じて日本選手団としては頑張った大会だったのではないでしょうか。

 その前に、オリンピック直前に行われた女子ソフトボールの世界選手権。日本チームは宇津木麗華監督の下、見事7連覇中の米国を破って実に42年振りという優勝を飾りました。ところが、期間中の新聞(朝日)の報道は優勝を報じる記事を含め一枚の写真も無く、無論TV中継もなし。いくら日本人がオリンピック好きの国民とはいえ、オリンピック種目から外れただけで、そのあまりの扱いの小ささに驚きました。宇津木監督の優勝談話も、「日本の皆さんにソフトボールは健在だとお伝えしたい」。もっとストレートに文句を言っても当然でしょうに・・・。

 そしてオリンピック。開会式前から男女サッカーチームが勝って、勢いを付けたスタートとなりました。ただ、全てメダルが取れるようなマスコミの煽動が嫌(負ければ掌を反したようなバッシング)で、男女サッカーと競泳の男女メドレーリレー以外は殆ど生では見ませんでした。

 その中で、先ずほっとしたのは女子重量挙げの三宅宏美選手。
前回北京でメダルが取れず、心配するお母さんと選手村の金網越しにお互い涙ながらに無言で手を握り合う姿を覚えているだけに、日本新での銀メダルに喜んでいるお母さんを想い、本当に良かったと思いました。
そして、“泣き虫愛ちゃん”と寺川選手の嬉し涙と上田選手の天真爛漫な明るさが何とも良かった!(インタビューアーの「いやぁ、ハラハラドキドキしましたが・・・?」という問いに、「私もドキドキしました!」)

 メダルこそ逃しましたが、一次リーグを1位突破し見事ベスト4進出の男子サッカー。GKの権田さんが、1位突破後のインタビューで「ここに集まった記者の皆さんの中に、オリンピック前に1位を予想した人は誰も居ないと思いますが・・・」。イイなぁ、こちらまでスカッとしました。
そして、なでしこの耐えに耐えての準決勝での勝利。滅私奉公とでも言うべき“けな気”さは、正にヒマワリではなく撫子の花。しかし、ここまでハラハラドキドキさせなくても良いのに、と思うほど。最後は不運な銀メダルでしたが、感動をありがとう。

 一方、戦前から予想できたのに、惨敗を受けて掌を返したように早速マスコミの犯人探しが始まった柔道や女子マラソ筆頭の陸上。本家本元意識と片や嘗ての二連覇に酔い、それぞれ国際化、或いは高速化の波に乗り遅れてきた結果であり、ある意味戦前から予想できたこと。何を今更・・・。例えば長距離では、高校駅伝で勝つために手っ取り早くケニア人選手を連れてくる現状は、時に意地のある選手が育つことがあっても、全体のレベルアップには程遠いと思います。
片や下馬評通りに順調に金メダルを積み重ねた女子レスリング。同じように世界選手権優勝者を抱えていた女子柔道とは一体何が違うのでしょうか。フィジカル、メンタル(闘争心)、チームとしての組織力・・・?

 さて、今回のTVを見ていて一番感心したこと。それは、男女サッカーでの宮本恒靖さんの解説と、新聞(朝日)での解説記事。日本代表時代のキャプテンシーだけでなく、彼の分析能力と論理性の高さに感心しました。今年FIFAの指導者養成コース(FIFAマスター)に日本人として初めて合格したと報じられましたが、それも納得でした。

 キャプテンシーと言えば、なでしこジャパンの宮間選手。
W杯の米国戦の後、敗戦に打ちひしがれた米国チームに一人歩み寄り労っていた姿と、それに対し、ワンバック選手かソロ選手か忘れましたが、彼女に「今は自分のチームに行って喜んでイイんだから」と感謝しつつも戻るように言ったという報道に感動しましたが、今回も仏戦の後、ピッチに座り込んだ仏チームに一人歩み寄って健闘を称えていた姿が印象的でした。
決勝は運が無く、残念ながら銀メダルでしたが、史上初のメダルです。試合終了後、号泣していた宮間選手でしたが、表彰式での笑顔に救われました。
どの選手も、どの競技も、メダルがあろうが無かろうが皆さん胸を張って帰って来てください。感動をありがとう!