カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 6月下旬から、異動(第634話)で上田の関連会社へ車で通勤しています。
松本からの電車だと、篠ノ井線、しなの鉄道、上田電鉄別所線と経由して、大回りで3時間近く掛かることから、必然的に峠越えの車通勤です。

 これまでの通算15年間の電車通勤の時は、2紙目の新聞を読み、終われば文庫本を読み、読むモノが無くなれば車中の人間観察(職種や勤務先を考える・・・これが結構面白い)をして、疲れた時は寝る・・・、と気ままだったのですが、自分での運転では当然ながらそうもいかず、坂とカーブの続く峠道を緊張しての運転が小一時間。この貴重な時間をどう使うか・・・?
若い時なら「じゃあ、スピードラーニングでも・・・」となるのかもしれませんが、今のところ朝は専らFM三昧。帰路は興味を引く番組が無く、好きなCD(先ずは今のところ徳永英明の『ヴォーカリスト』。飽きたら次はジャズピアノかな?)を聴いています。

 そんな朝のFM放送でのお気に入りは、月曜日の朝のNHK‐FM『気楽にクラシック(略称きらクラ)』(本放送は日曜午後で、月曜朝はその再放送)。以前は『きままにクラシック(同きまクラ)』で、番組構成は大体同じ傾向ですが、確か4月に司会者が交代。以前の笑福亭笑瓶さんと声楽家(コロラトゥーラソプラノ)の幸田浩子さん(さすが、アナウンサー顔負けの美声でした。確か大晦日のジルベスターコンサートの司会もされていたような)のコンビから、タレントのふかわりょう、チェリストの遠藤真理(東京芸大在学中に2003年日本音楽コンクール第1位に輝き、芸大、その後のモーツァルテウム音楽院共に首席で卒業したという実力者)のご両人へ。

 最初何気なく点けたところ、司会が誰か分からず、プロの音楽家と“育ちの良さそうなクラシック好きの知的な青年?”との会話がなかなか面白く、そのクラシックファンとしての知識の豊富さとセンスの良さに感心していたところ、「ふかわりょう」という名前を聞いて一瞬「・・・!?」。同一人物とは思えませんでしたが、考えてみればクイズ番組での回答ぶりを思うと、いつものイジラレ役とは違う、こうした一面を持っているのも不思議ではないのかもしれません。彼を起用した、局の担当の方の慧眼に敬服します。

 生まれた頃から、父親の好きだったクラシック音楽が流れる家庭で育ち、ご自身ピアノも習っていたそうですが、若い頃の反抗期にはクラシック好きの父親への反発もあって、一時はジャズに夢中になり、そのアドリブの中にも主題・変奏というクラシックとの共通性(例えば提示・展開・再現のソナタ形式)を理解して、またクラシックを聞くようになったと言います。小品から大曲まで、結構聴き込んでいるのが分かります。
チェリストの遠藤さんもプロとしてのうん蓄のみならず、ふかわさんの自由奔放なコメントに誘発されてか、堅苦しいイメージのクラシック音楽家とは一味違ったお茶目な一面も垣間見え、なかなかの名コンビ。あっという間の小一時間です(放送そのものは約2時間)。