カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
先月末、6月24日早朝のNHK-BSプレミアムの特選オーケストラ・ライブ。
犬の散歩から戻り、何気なくTVを点けたら、どこかで聞いたようなメロディー・・・。いつものN響ではありませんが、どこかで見たような指揮者とオーケストラ。
聞き覚えのあるメロディーと見覚えのある指揮者と楽団員に、すぐに、
「あっ、マーラーの“巨人”の第3楽章だ!」
「あっ、ラトルとベルリン・フィルだ!」
また、ステージの後ろにも客席のあるホール(ヴィンヤード型)でしたが、日本人のような聴衆に、BPOの本拠フィルハーモニーではなくサントリーホール?
ところが、どう見ても日本人ではなく中国系の人たちのようです。
日本以外のアジアでBPOが公演するとすれば、カネにまかせて招聘できるであろう上海か・・?
ファンファーレ華やかな第4楽章。サイモン・ラトルの棒に名人揃いの管楽器群と樫本大進率いる弦楽器も熱演で応えます。「巧いなぁ・・・」。聴いている内に、鳥肌が立ってきました。最後は、楽譜指定通りにホルンパート全員が立ち上がっての演奏。
「いやぁ、名人芸!さすがだワ・・・」
(但し、個人的には以前放送されたノリントン指揮N響の1番の方が、ノン・ビヴラート奏法もさほど気にならず、むしろN響との相性も良さそうで、団員からの信頼感が感じられた熱演でとても感動的だったと記憶しています。しかし、そうは言ってもやっぱりBPOは上手い!)
最後の画面にテロップで流れたのは、“Esplanade Concert Hall”?・・・「それって、どこヨ?」。
そして“2010 BPO in Singapore”の文字。「げっ、シンガポールゥ??・・・」
私がシンガポールに赴任していた頃のクラシックの演奏会といえば、趣きはありましたが些か古びたVictoria Concert Hallしかなく、ここを本拠としていたシンガポール交響楽団(SSO)が隔週ペースで演奏会を開いていて、しかもS席でも当時はS$15(約1000円!)くらいでしたし、オフィスからも歩いてすぐだったので、会社帰りに(欧米風に夜8時開演でしたので)一人で良く聴きに行きました。毎月のようにフルオーケストラの生演奏を聴いていたとは、今想えば私にとって何とも贅沢な時代でした。
90年代前半までの6年間の赴任当事は、聴衆もシンガポールに居住する欧米や日本などの外国人が多く、地元の人は必ずしも多くはありませんでしたし、海外オーケストラの来星公演も、私の滞在中は故若杉弘さんが率いたチューリッヒ・トーンハレくらいしか記憶に無く、当時のシンガポールは音楽マーケットとしてさほど魅力的ではなかったのだろうと思います。
それが、天下のBPOが来日公演の途中に立ち寄ったにせよ(多分)、シンガポールで演奏会を開くなどとは、しかも画面に映った聴衆に若い中国系のシンガポーリアンが多いとは、まさに隔世の感がありました。
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