カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 2012年6月3日、大安の日曜日。
新緑の緑が目にも鮮やかな軽井沢のホテル・ブレストンコートで、長女の結婚披露宴がありました。披露宴に先立ち、内村鑑三ゆかりの軽井沢高原教会(星野遊学堂)での挙式。

教会のオルガンでの結婚行進曲に導かれて、初めてのバージンロードのエスコート。感傷に浸るどころか、ステップを間違えぬよう、またウエディングドレスの裾を踏まぬようにとむしろ緊張しました。
教会内でのハープの生演奏と優しさ溢れる牧師さま(Pastor:家内に拠れば、高原教会はプロテスタントだからとのこと。因みに神父さま=Priestと呼ぶのはカソリックで、妻帯は認められないのだそうです。ナルホド、さすが文学部)のお説教がとても心に染みました。それにしても、ハイバリトンの聞き惚れるほどの美声でした。
 式の後、木立に囲まれた中庭に出て、アプローチの両側に列席者が並んで「二人に実り多かれ」とライスシャワーで新郎新婦を祝ってから、ガゼボでのシャンパントーストのセレモニー。
 その後、ホテルのレストラン「ゲイブルハウス」での披露宴。
二人の親しい友人の皆さんと両家の身内だけだからと指名されての乾杯の挨拶(締めは両家を代表し新郎の御父上)。直前まで、娘に恥を掻かせてはならじと暗記した挨拶の復唱です。開宴前に並べられた、見た目も美味しそうな色とりどりのオードブルなど食指も動かず、緊張を抑えようとウェルカムドリンクを三杯お代わり。
 『・・・(前略)二人は、既に三年前に入籍をしておりましたが、夢を叶えるまで披露宴はいしないと頑張ってまいりまして、漸くここにこの席を設けさせていただくことができました。
さて、娘も合唱をやっていましたが、混声合唱組曲「心の四季」や「夕焼け」などで知られる詩人吉野弘の、「二人が睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい」で始まる、混声合唱曲にもなっている詩「祝婚歌」の結びにこんな一節があります。
“健康で 風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに ふと胸が熱くなる そんな日があってもいい。 そして なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても 二人にはわかるのであってほしい。”
娘は確か、大学のサークルの自己紹介の中で、将来の夢として「可愛いオバアチャンになりたい」と書いていたように記憶しています。
今日の二人の披露宴の佳き日を祝い、そして何十年かの夫婦生活の後、二人が仲睦まじく、風に吹かれながら、可愛いオジイチャンとオバアチャンになっているだろうことを願って、乾杯を致したいと存じます。
皆さま、どうぞ声高らかにご唱和ください。・・・(後略)』
 手作りの、和やかでほのぼのとした良い披露宴でした。
幼い頃からの写真のスライドショーをバックに、高校の音楽部の親友の皆さんとのアカペラでの「♪故郷」とピアノ弾き語りでの「♪たしかなこと」の合唱も感動的でした。
実は、娘が生まれた時に「結婚式の日は、トイレに閉じ篭って式には絶対出ない!」と宣言していたのですが、母や実家の両親などをアッシークンで軽井沢まで乗せて行かねばならず、「何、バカなこと言ってるの!」、「ちょっと、忙しいんだからぁ!」で敢え無く撤回。
二人は既に三年前に入籍をしていたので、今回は“花嫁の父”的な悔し涙や、寂しさなどの感傷はありませんでした。でも、セレモニーでの新婦の涙と、隣にいた“花嫁の母”の嗚咽に、また参列いただいたご友人の皆さんのスピーチの中での涙につられて、こちらも胸が一杯になり、ついもらい泣きをしてしまいましたが、幸い、あまり“花嫁の父”的なみっともないところを見せずに、無事終了することが出来ました。
幸せそうな娘を見て、こちらも幸せだった“花嫁の父”でした。
「お嬢さん、お綺麗ですね。」「はい、母親似ですから!」
「聡明なお嬢さんですね。」「はい、母親似ですから!」
「あっ、でも父親の私に似て短気です!」「・・・・」

 それにしても、一日付きっきりで介添え役を務めてくださったホテルの女性スタッフや、優しさ溢れる牧師さん始め正に聖職という名が相応しく感じられた高原教会の方々、カメラマン、司会の方、また披露宴会場となったレストランの女性支配人やスタッフの方々など、皆さんの目配り、気配り、心配りが大変素晴らしく、またそのプロ意識の高さに感動すら覚えました。
 当日の天気予報は式の始まる午後は雨だったのに、娘の作った“照る照る坊主”のご利益か、奇跡的に薄曇。しかも、この日は梅雨入り前の“ジューンブライド”でしかも大安の日曜日だったので、石の教会と合わせてブレストンでの挙式が一日10組とか。予約を取るのが難しいほど若いカップルに人気だというのも、その日担当いただいたスタッフの皆さんを想えば“むべ(宜)なるかな”でありました。

コメント

娘さんのご結婚おめでとうございます。去年の5月5日私の娘も同じ教会で結婚式を挙げました。去年の結婚式を思い出しました。良い式で本当にここで式をあげて良かったと思いました。また9月に家族で行く予定です。
わざわざありがとうございました。
ここで式を挙げるとリピーターになるようですね。
ハルニレテラスとトンボの湯の間の遊歩道に北原白秋の文学碑があります。9月の軽井沢は、初秋とはいえまだ落葉松の黄葉にはまだ早いかもしれませんが、どうぞ楽しんで来てください。

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