カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 またまたお酒の話題で恐縮です(如何に飲兵衛か、自ら証明しているようなモノではありますが)。

 類は友を呼ぶと言いますが、今回も東京から来られたお客さまからいただいた、純米吟醸酒『獺祭』。
山口県は岩国の旭酒造拘りの酒。何しろ、吟醸酒しか造らない蔵だとか。しかも、杜氏や蔵人ではなく、社員だけで酒造りをしているというのだから驚きです。上槽に日本で初めて遠心分離機を導入しているそうです。また精米歩合も、究極の23%から50%まで。生産量が少ないので、一般にはあまり出回らず、良く行かれるお寿司屋さんにこの日のためにお願いして特別に分けていただいたのだとか。イヤイヤ、痛み入ります。

 なお、この見馴れない漢字は、ダッサイと読むのだそうです。「獺祭」とは、Wikipediaに依れば「川獺(カワウソ)が自分の捕った魚を川岸に並べる習性があり、人が物を供えて先祖を祭るのに似ていることから言う」とのことです。

 早速、冷凍庫で急冷させてお客さまと一緒に飲んでみることにしました。
事前にお客様向けに用意しておいた池田町福源酒造の「北アルプス 純米大吟醸」と飲み比べてみました。
大吟醸らしくフルーティーで甘い「北アルプス」に比べ、「獺祭」はフルーティーさもありながら決して甘くはなく、大吟醸とは思えないほど独特の旨みとこくもあって、むしろ純米酒に近い辛味も感じます。とても奥の深い味わいです。

 以前、お寿司屋さんの板さんから教えていただいた香川の「凱陣」といい、今回の山口の「獺祭」といい、信州にいるとどうしても北陸から東北といった米処の北に目が行きがちですが、伏見や灘はともかくとしても、中国地方にも拘りの地酒があるんですね。
中国地方には、広島の「酔心」や鳥取の「諏訪泉」という全国に知られた銘酒がありますし、山口の地酒では、以前割烹で勧められて、「貴」という一口目はクセがありつつも飲むほどに旨みが増す不思議なお酒を飲んだことがありましたが、日本も広いなぁ・・・。