カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
季節は足早に実りの秋から初冬へと移ろいつつありますが、皆さまの今年の成果は如何だったのでしょうか。きっと実り多かったものと拝察申し上げます。ここ信州松本もサンふじリンゴの収穫期となりました。
さて、覚えておられるか、当方のブログをご覧いただき、2月にあろうことか、長野県池田町出身の部員の方に託された『私たちの時代』のDVDをいただいた者です。その節は誠にありがとうございました。
その際、お礼状はお送りしたものの、何分真冬では何もお返しするものもありませんでしたが、ここで漸く信州も実り秋を迎え、当園(リンゴ園)も主力のサンふじリンゴを収穫いたしましたので、ほんの気持ちばかりではありますが、いただいたDVDのお礼として謹んでお送りさせていただきますのでご査収ください。
番組中で、町の漁師のおじいさんが「こんなことしか出来んから」と、皆さんの合宿所に朝漁に出て採ったばかりのサザエを届けられていたのと、私も全く同じ気持ちです。
私にはこんなことしか出来ませんし、隣県である石川県ですので、リンゴは決して珍しくもないかもしれませんが、ちょうどDVDをお持ちいただいた2月の厳冬の中でのリンゴの剪定から始まり、5月の花摘み、6~7月の摘果、炎天下での下草刈りと一年中の作業を経て、漸くこの秋に収穫できたリンゴです。どうかご笑納くださいますよう。
今年は、昨年の猛暑の影響とのことですが、一部の木の花着きが極端に悪かったために、当園でも全体の収穫量が例年よりも少なめでした。また、毎年ご注文いただくお客様もおられるため、特大や大玉・中玉は既に終了してしまい、残った小玉りんごになります。育ち盛りの皆さまには物足りぬかもしれませんが、数に免じてどうかご容赦ください。
3月には信じられないような大震災が起こりました。
偶然とは言え、震災前に放送されたことが何となく運命的であったような気さえ致しました。そして結果として、局所的とはいえ能登地震を乗り越えていく門前高校の皆さんの頑張りが、その後の大震災を乗り越える一つの指針ともなったようにさえ思います。
災害にもめげず、悩みながらも前を向く若い皆さんの目の輝きに、そして皆さんのことを「町の宝やな」という町民の皆さんに、「こんなことで負けてたまるか!」とノックをされる道先生に、そしてそれを見つめる室谷先生の温かな眼差しに・・・。
同じ様に若い人たちにこの国の未来を、そして夢を託すべく日々自分の出来ることを黙々と頑張っている被災地の方々が数多くおられるだろうと信じています。そして、それに応え前を向く若者たちにエールを送りたいと思います。
「世の中、まだまだ捨てたもんじゃない!」
「大きかろうが小さかろうが、人生頑張れば、結構面白い!」
古来「リンゴ一個で医者要らず」と申します。
お若い皆さんではありますが、これから寒さに向かってまいります。怪我などせぬよう、風邪などひかぬよう、真冬の剪定作業が秋のリンゴを決めるように、皆様もどうぞオフシーズンもしっかり鍛えられて、また来シーズンの実りの季節を迎えられますよう、そして学校生活の中で、それぞれ皆さんご自身の「生きる指針」が定まりますよう、信州松本より祈念申し上げております。どうぞ良いお年をお迎えください。 敬具
2011年12月吉日
カネヤマ果樹園より
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