カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 信州では伊那谷の市田柿が有名ですが、この晩秋の時期、昔ほどではありませんが、松本でも軒先に干し柿にする柿が吊るされているのを目にします。
例えば甘柿の代表品種であるの富有柿は岐阜県辺りが北限のようで、信州で植えても渋柿になってしまいます。庄内柿のように、渋柿も焼酎で「さわす」と甘くなりますが、どちらかと言えば大振りの甘柿の無い北国では、干し柿の方が盛んのような気がします。干し柿は古来からのドライフルーツ、保存食です。

 市田柿は、それこそ“柿のカーテン”、“柿すだれ”のように大量に吊るされるそうですが、我家でも11月上旬果樹園の脇にある平種の渋柿を採って、母が柿の皮を剥いて今年も吊るし柿を作りました。
そして、今年も横浜に住む母方の叔母にも宅配便で送りました。ご近所にもお裾分けをしているそうですから、都会の横浜でも吊るし柿が見られるのかもしれません。

 干し柿にするには、柿のヘタの柄と枝を、引っかかり易いようにTの字形に切ってビニールテープや紐で縛り、一本に5~10個近くを括りつけて、雨を避けて日当たりの良い軒先に吊るします。
そして、12月くらいまでの間に時々外して、一つずつ丁寧に手で揉んで柔らかくします。揉むほどに柔らかくなります。逆に揉まないと歯が立たないほど硬くなってしまいます。そして白い粉(こ)がふくと完成です。
昔、祖父母が健在の頃は、我が家でもこの3倍くらいは吊るしていたような気がします(写真は干してから4日後と、2週間後の様子です)。
 最近はお菓子が何でも揃うので殆ど食べなくなりましたが、自然の甘味料(何と砂糖の1.5倍とか)で、和菓子では餡に使ったりもするそうです。

 晩秋にかけての吊るし柿の“柿すだれ”。晩秋の風物詩です。

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