カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
11月最初の日曜日。文化の日からの飛び石連休最終日でしたが、終日生憎の雨模様。前日までにやるべきをしっかりと済ませてありましたので、この日は骨休めです。
昼頃、思い立って近間に蕎麦でも食べに行くことにしました。
行った先は、松本市郊外の山形村唐沢地区。昔から蕎麦集落として知られ、今でも10軒近くの家が自宅で蕎麦を提供しています。本来、唐沢の蕎麦は農家のおばちゃんたちが昔ながらに自宅で打った蕎麦(蕎麦打ちは客呼びの際の主婦の仕事)を出していた所。数年前の真冬に一度来て、お座敷で庭を見ながら、二八の田舎蕎麦よりも、お婆ちゃんが漬けたというお茶請けに出された飴色に漬かった野沢菜漬けが絶品で感激したことがありました。
今回は、その唐沢地区では珍しい男性の打ち手と昔伺った記憶があるお蕎麦屋さん『水舎』へ(他には「山法師」も男性とか)。
この「水舎」は最近評判を呼び、松本周辺の「食べログ」のそばランキングで数ある専門店を押さえての1位とか。多少訝りながらも、口コミに釣られて行ってみることにした次第。
二八は既に売り切れとかで、粗挽きの十割そばの大盛り(1200円)を二人とも注文(普通盛りは950円)。横の池で養殖しているというニジマスの唐揚げが名物とか。馬刺しもあり、夜間も営業していて宴会も出来るようです。他にも村内に「そばカフェ」(支店?)を出したり、近くの蕎麦工房で通信販売もしたりと、かなり手広く営業されているようです。
唐沢集落らしく、お茶受けのお漬物(ダイコンと大根葉)が運ばれてきましたが、この前の野沢菜漬けには質量とも負けますね。
しかし、なかなか蕎麦は出てきません。お隣は関西からの家族連れのようですが、注文された馬刺しも終わり手持ち無沙汰のご様子。
大分待って運ばれてきた蕎麦。石挽きとのことですが、しっかりと腰があって、冷水でシャキッと締まっています。
ただ残念ながら、薬味がほんの申し訳程度で、刻み海苔もありましたが海苔は不要でしょう。350円で生山葵(芋)があるようです。またソバツユが信州らしく甘口なのは良いとして、だったら量が少な過ぎ。江戸前のように蕎麦の先をちょこんと付けるにはツユに強さがありません。うーん、惜しいなぁ。家内は「最初の一口は美味しいけど、何となく“飽きる”味だよネ・・・」とのこと。
何より残念だったのは、これだけ繁盛すれば止むを得ないのかもしれませんし、店主はしっかりと蕎麦を打っているようですが、接客が二人の学生?バイト任せで、本来の唐沢集落らしい素朴さが無いこと。でも都会から来れば、場所だけでも十分に田舎の素朴さを感じられるのでしょうか?(庭の箱の上に乗って寝ていた2匹のネコは、ホンワカと田舎の素朴な感じがしましたが・・・)
ただ、予想外で驚いたのは、説明書きにあった「(ツユの味が変わらぬように)薬味はツユの中に入れずに蕎麦に載せて食べてみてください」という店主からの拘りの但し書き。ワサビをそうしてみると、ワサビの味が際立って甘味すら感じます。これはなかなか・・・(しかし、そう薦めるには小指の先程の申し訳程度の量で、数口食べたら終わりそうですが)。そう言えば私自身も、刺身の時はワサビを醤油に溶かずに刺身に載せてましたっけ。今度から蕎麦も薬味のワサビはこうして食べることにします。
松本周辺では「食べログ」のそばランキング1位(2位は三城)とのことですが、(松本周辺ではありませんが)先週行ったばかりの木曽の「時香忘」の印象がまだ強く残り、また最近は行く機会がありませんが池田町の「安曇野 翁」と比べても、接客面を含めて、うーん、どうなのかなぁ・・・?