カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 毎週日曜日のBSプレミアムで、早朝6時から放送されているプレミアム・クラシック。
9月18日、早朝チロルとナナの散歩から戻って、何気なくTVを点けたら、「特選オーケストラ・ライブ」として、クリストフ・エッシェンバッハ指揮パリ管弦楽団のライブが放送されていました。

 エッシェンバッハは、元々人気と実力を兼ね備えたピアニストですので、弾き振りのモーツァルトの協奏曲は当然として、この日(首席指揮者を務めていた2007年と2010年の演奏会の録画のようでした)の放送のメインは、大好きな(と言っても、LPやCDのみで、今まで生では聴いたことはありませんが)マーラーの1番『巨人』(これは2007年の演奏)。
昨年は、11月下旬からのサンふじ出荷の夜なべ仕事で、疲れてくると必ず最後に聴いて毎夜元気をいただいた曲でした(第393話参照)。
 若い頃のようにLPやCDを全く買っていないので、最近のクラシック音楽事情は分かりませんが、パリ管と言えばミュンシュやクリュイタンスの『幻想』が思い浮かびます。
 それにしても、エッシェンバッハが、長髪を綺麗に分けて貴公子然とした端正なピアニスト時代から、いつの間にかユル・ブリンナーばりの(それにしても我ながら例えが古いですね)スキンヘッドだったのには些か驚かされました。(逆に指揮振りは、風貌から受ける印象も加わり、非常にエネルギッシュ)

 しかし、この日も巨峰を朝採りして発送しなければならず、(幸い私メはスキンヘッドではないので、まだある)後ろ髪を引かれつつ(しかし何故か録画まで頭が回らずに)農作業にブドウ園へ。でも途中で、どうしても我慢ならず最後の第4楽章だけを聴きに戻りました。

 いやぁ、ライブとは言え、派手な巨人にビックリしました。
パリ管らしい煌びやかなサウンドは当然としても、第4楽章のファンファーレなど、オーボエやクラリネットなどはノダメ・オーケーストラばりに時々上を向いて吹き、特にホルンは(これは楽譜の指示通りだそうですが)最後の部分のコーダで全員を立たせて演奏していました。
全楽章を聴いた訳ではありませんが、第4楽章はかなりゆっくりとした遅めのテンポで、アクセントを極端に効かせ、またテンポも揺らしながらの壮麗な演奏です。もし音だけを聴けば印象は異なるのかもしれませんが、地元局の絶妙のカメラワークで映し出される映像と相俟って、まさにカッコイイ!と唸らせる快演でした。賛否が分かれる演奏だったかもしれませんが、その場に居合わせた聴衆から、この演奏を“見て”ブラボーの声がアチコチから掛かるのもナルホドと頷けました。団員たちの演奏後とても満足そうにしている様子が印象的でした。

 ただ、個人的には、以前同じくプレミアム・クラシックで放送されたノリントン&N響定期での「巨人」が、とても温か味のある演奏で良かったですね。

 しかし、どこかのオケが来て、松本でもマーラーの「巨人」を演奏してくれないかなぁ・・・。絶対に聴きに行くのですが。

 今月下旬には、これまた生で一度は聴きたかったチャイコの5番を、佐渡裕&DSOで聴きに行って来ます。ムフ、楽しみ♪