カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
5月中旬までには、どの田んぼにも水が張られて田植えも終わり、6月に入って、弱々しかった苗も元気になって、田んぼも日に日にその青さを増しています。
梅雨・・・元々は中国からのようですが、これに日本の「つゆ」を当てた先人のセンスに感心します。正に字の如くで、我家の梅の実も大分大きくなってきました。
今年の関東甲信の梅雨入りは5月27日で、平年より17日も早かったとか。今年は旧暦(陰暦)でなくともまさに五月雨でした。例えばだらだら続く様を「五月雨式に」などと言いますが、この語源は旧暦(陰暦)での梅雨が語源だそうで、今年は実感です。
この時期、朝暗いうちに起きてベランダで一服しながらコーヒーを飲んでいると、時折蛙の合唱が聞こえてきます。
夜でもきっとそうなのでしょうが、年を取ると夜早く寝る分、朝は暗いうちに起きるようになり、私の場合は四季を問わず毎朝4時起きです。夜と違い、シーンと静まり返った分だけ、余計に蛙の鳴き声が辺り一面に響きます。
若い頃は、“国際ビジネスマン”気取りで、仕事で海外ともやり取りをした後、夜の帰り道を歩きながら蛙の合唱を聞くと、そのあまりの落差にガックリきたものですが、積み重ねた齢(よわい)がそんな気張りや力みを丸くするのか、むしろ今では蛙の声に癒される気さえします。じっと耳を済ませていると、1/fゆらぎ効果でもあるのか、心地よい抑揚が聞こえてくるような気がします。
イイなぁ、生きとし生けるモノ、蛙も一生懸命なんだろうなぁ・・・。
紀貫之の言う通り、『花に鳴く鶯、水にすむ蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌を詠まざりける』(古今和歌集「仮名序」)でしょうか(スイマセン、実際に紀貫之が「生きる物は皆歌を詠む」と例えたのは田んぼにいる蛙ではなく、谷川などに棲み、良い声で鳴くカジカガエルでした・・・)。
梅雨-うっとうしい季節です。しかも今年は長そうですね。
早過ぎる入梅に開花が間に合わなかった紫陽花の替わりに、蛙の合唱にちょっぴり心なごませ、蛙たちにとっては恵みの雨か、降る雨を少しは楽しめるような気もします。