カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 上諏訪に『雫石』という割烹があります。
昔から会社のメンバーと良く飲みに行きます。もう四半世紀にもなるでしょうか。値段も良心的で、移られた現在のお店は、カウンター、小上がり、2階に個室もあり、大小宴会が可能で重宝しています。
無口ながら腕の良いご主人と、如何にも東北出身らしいおおらかな女将さんの絶妙なコンビネーションで、料理と一緒にほんわかほっこり暖かくなる店です(若い頃って、こういう良さって分からなかったなぁ)。
昨年末の仕事納めの日は、無理をお願いしたら、我々に合わせて午後3時から開けてくださいました。その日は、乾きモノでイイからと言うのに、しっかり料理も準備されていて、一足早く食べた鰤の煮付けが最高でした。

 てっきり、店名から小岩井ファーム等で知られる「雫石」ご出身かとずっと思っていたら、何と女将さんのご実家は釜石なのだとか。
それも、同僚が地震発生直後に行った時に、「雫石は内陸だから、津波は大丈夫だったんだよね」から、「実は」で初めて知った話でした。
その後、すぐに伺う機会があったのでお聞きすると、ご実家は幸い高台にあり、家も実家の皆さんもご無事だったそうですが、その高台の家の1階まで津波が押し寄せたのだとか。

「終戦直後の焼け跡を、リュックを背負ってトボトボ歩いている写真があるでしょお。家も無くなり瓦礫ばっかりで、釜石はホントにあんな感じだけどお、でもあれより今回の方がもっとヒドイんだよお」

「だったら、店の名前も釜石にしておけば、みんな心配して応援に来るのに!」
「だってぇ、釜石じゃあ情緒がないでしょお」
     
「だったら、せめて東北の食材を使わなくっちゃ!」
「もう使ってるよお」
もしかしたら、いつも美味しくいただいていた魚も、釜石のご実家からの直送だったのでしょうか?

「じゃあ、お酒も“高天”や“御湖鶴”もイイけど、とりあえず諏訪の酒は暫くイイから、“あさ開”って確か岩手でしょ。南部美人もあったよね。岩手は南部杜氏の本場だもの。お隣の宮城なら“浦霞”や“一の蔵”もあるし・・・」
「うん、やってみるねー」

 まさか、山国信州のこんな身近にも、お身内に震災や津波に被災された方がいらっしゃったとは・・・。

 みんなで応援しに行かなくっちゃ!(と、その後2回行きました)
どうぞ、もし諏訪に来られる機会がありましたら、飲み会は上諏訪割烹『雫石』(電話0266-58-3231日曜定休)へ是非お願いいたします。JR上諏訪駅から徒歩5分。

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