カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
夜蕎麦が食べたい時に、また県外から来られたお客さまを信州らしい郷土料理でもてなしたい時に、蕎麦の人気店は何故か夜は営業しないので、これが意外と苦労します(まあ、他に「これは!」という郷土料理が無いこともありますが・・・)。
岡田六助の「月の蕎麦」が冬期間暖房工事とかで夜間営業していなかったこともあり、最近の我家で「夜は蕎麦!」という時は、専ら“蔵の街”中町の「草庵」とその姉妹店「井(Say)」(井の方がカジュアルです)。
ただ、悪く言えば“バカの一つ覚え”的なので、ちょっと違う所も開拓しようと家内と行ったのが、松本駅前にある“蕎麦居酒屋”と称する「蔵のむこう」。
実は、以前県外からのお客さまとの会食の際にネット検索し推薦するも、
「えーっ?居酒屋じゃあネェ・・・」と敢え無く却下された店。
今回は、歩くのが嫌いな奥様向けに推薦し、駅前徒歩1分?に心動かされたのか賛同いただきました。
そこで、駅裏(アルプス口)の自分の月決め駐車場に車を停めてから、(昇り下りとも幸いエスカレーターがあります)自由通路を通って東口(お城口)へ抜けて、駅前のローソンの2軒隣の新伊勢町通沿いにある蔵造りの建物で大きな提灯が目印です。
予約無しで行ったのですが、オフィスがお休みの日曜日でまだ早かったせいか幸い空いていて、カウンターではなく小上がりへ。
居酒屋らしい定番メニュー(例えばオニオン・スライスなど)の他に、馬刺し(部位によって何種類も)、焼きなどの馬肉料理、そして信州らしい郷土料理(地元でB級グルメとして力を入れている山賊焼きも)や手打ち蕎麦と、品揃えは「井」よりもかなり豊富。どうやら〆に蕎麦が入ったコース料理もあるようです。
信州高原野菜のどっさりサラダ(レタス中心ですが、確かに量は半端ではありません)、塩イカ、揚げ出し豆腐、馬刺しの盛り合わせ(地物!)をオーダー。
地酒の種類も豊富でしたので、ビールは一杯だけにして、松本の地酒「大信州」の蔵出し純米と「笹の誉れ」の純米吟醸。
お店の地酒投票で2位評価というのに惹かれて初めて飲んだ笹の誉れ。
新橋近くに蔵があり、酵母にジャズを聴かせる蔵として昔から知られています。ただ、個人的にはちょっと甘すぎて、いつものスッキリした大信州がやっぱり好みでした。因みに1位は大信州の別の銘柄(純米吟醸)とのこと。
郷土料理には、(我々の食指は動きませんが)珍味の蜂の子(佃煮)やイナゴ(甘辛く炒って、そのままの姿で出てきます。そう言えば地元のスーパーでも売ってましたっけ・・・!)もメニューにありました。季節限定、ワサビの花のおひたしも(これ、お薦めです)。
塩イカは松本ならではの一品で、昔の家での冠婚葬祭や客呼びの際の定番料理。ただキュウリが輪切りでないのが、ちょとなぁ・・・。でも、「こんなの料理じゃない!(山国信州人しか食べない)」という評価もある中で、メニューにおいてあるだけでも地元民としては嬉しい限り(実際は塩抜きしたイカとキュウリの醤油揉みですが、こちらは上品に三杯酢で締めてあります)。
「しかし、ホント旨いなぁ!♪」
全体的に一品一品の量が多く、良心的に感じます。
〆には辛味大根と普通のざる蕎麦を注文。辛味大根は、本場高遠同様に、大根おろしと焼き味噌も一緒に薬味で出てきますが、個人的には味噌よりもそばつゆが好み。ただ「安曇野・翁」に比べると、辛味がちょっと弱く感じました。
蕎麦は二八のようです。蕎麦の香りは余り感じられませんでしたが、夜これだけ食べられれば十分納得、満足です。家内が食べ切れずに私が残りもいただいて、最後に蕎麦湯も飲んでこちらも満腹です。
終わる頃には、小上がりもほぼ満席になりました。
家内も満足した様子で、その後また行きたいとのこと。
「井(Say)じゃなくてイイの?」
「メニューの品数が多いから・・・♪」
なるほどね、確かにその通りです。接客も良く、これなら帰省してきた娘たちの蕎麦のリクエストの時や、県外からのお客さまを気軽にお連れするのに十分合格(少し格式張った会食には、やはり「草庵」でしょうか?)。
少々賑やかですが、居酒屋ですからこんなモノ(静かに楽しみたいという方には「井」が良いかもしれません)。
「蔵のむこう」では、(個人的には)何と言っても馬刺しが絶品、特にお薦めです。
写真は、馬刺しの2種盛りとざる蕎麦です。2度目に伺った時に空いていたカウンターで撮影。さすがに連休でしたので、観光客と思しきお客さんで結構混んでいて、程なくカウンターも満席になりました。
中にはお一人で、珍味盛り合わせ、馬刺し、山賊焼きに花ワサビのおひたしと蕎麦をオーダーされる方も。しかも、お酒は岩波とか・・・おぉ~♪
しっかりと研究されて来られたようです。何だかこちらまで嬉しくなりました。
どうぞ、信州松本の郷土料理を楽しんで行ってくださーい!
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