カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 第427話で書いた、ザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール。地元では略して“音文”)の2011シーズン(年度)のコンサート・ラインナップが、1ヶ月ほど前にハーモニーメイト(音文会員)宛に送られて来ました。
前回は前半だけでしたので、これで来シーズンの演奏会予定が全て分かりました。

 発表前に、事務所で10月29日にあると教えていただいたOEK(オーケストラアンサンブル金沢)の6回目となる松本公演。
メインは“第九”ではなく「運命」になっていました。
経緯は分かりませんが、地方だと地元のアマチュア合唱団に頼らざるを得ないので、個人的にはむしろこの方が歓迎です。
OEKは小編成とは思えぬパワーもあり、管楽器もしっかりしているので“向き”の選曲だと思います。そしてカップリングはブラームスのダブルコンチェルト。今から楽しみです。

 それと、後半のプログラムの中で興味を引いたのは、来年になりますが2012年2月12日、チェンバロ奏者でもある小林道夫弾き振りでの 我が国の第一線の古楽器奏者を集めた“松本祝祭バッハアンサンブル”第3回公演(過去2度ともCD化されています)。
これまでの「管弦楽組曲」、「ブランデンブルグ協奏曲」(第224話参照)に続き、今回は『フーガの技法』全曲。勿論、今回も演奏前に、NHK-FM早朝の「バロックの森」(4月度から「古楽の楽しみ」に改編)の案内役でもお馴染みの国立音大の磯山雅教授の解説(2時間の講座)付き。
因みに磯山先生は地元松本のご出身で、しかも何と高校の音楽部の大先輩でした。大変失礼しました。

 そして、同じく3月25日には「ハーモニーメイト創設25周年特別演奏会」と銘打って、フルート奏者の金昌国率いるアンサンブルofトウキョウのハイドンとモーツァルトの交響曲。
モーツァルトは協奏交響曲とお馴染み40番ト短調の組み合わせ。一番好きな36番「リンツ」だったら尚更良かったのですが・・・。

 ザ・ハーモニーホール2011シーズンも、決してミーハー的な派手さはないかもしれませんが、本当に音楽好きの人たちが選んだと思えるなかなか渋いプログラム構成で、音文らしくてイイですね。

 さて、先週の日経新聞の文化面に、現地でゲネプロ中に被災されたという仙台フィルの正指揮者を務める山下一史氏も書かれていましたが、
「今は何も出来なくても、いつか必ず音楽の出番が来る。」

 今、被災地だけではなく全国で次々と演奏会が中止になっています。
合唱の全国大会も中止になり、出場予定だった宮城の中学(気仙沼だったでしょうか?)の合唱部が先日避難所で慰問演奏している様子が19日だったでしょうか、夜のニュースで放送されていました。おそらく彼ら自身も被災したのでしょう、運動着姿の子供たちが半数近くで、お揃いの制服ではありません。
その見事な歌声に、「明日を信じよう」というその歌詞に、涙を流す避難所の皆さん。

 音楽には、重く固まった心を溶かし、励ます力がある-そう思います。

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