カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 駅伝ファンの一人として、毎年楽しみにしているお正月の箱根駅伝。
      
 今年は次女の大学が出場出来なかったこともあり、特定チームではなく、佐久長聖高校出身者の走りを中心に、二日間ずっとTV桟敷での応援でした。
(他に見る番組が無いこともありますが。しかし、どうしてこうもバラエティ番組ばかりなんでしょうか?最近では、よっぽどBSの方が番組内容が充実しているように思います)

 さて、娘は母校関係無く村沢命。いやぁ、凄かったですね。最近、日本人選手がケニア人選手に勝つところなど見た記憶がありません。胸のすく快走でした。
昨年まではエース一人だけに終わっていた東海大が、その後九州学院出身の一年生元村選手等の好走もあり、上位をキープして最後4位に入ったのは立派でした。

 嬉しかったのは、山下りでの早大高野の激走。
佐久長聖で活躍し期待されたものの大学では3年間芽が出ず、4年生の今年、最初で最後の箱根で逆転優勝の立役者。転倒にも怯まずに急坂に突っ込んで行った勇気は見事でした。
山下りと言えば、駒大千葉の昨年の区間賞に続く見事な区間新。村沢、平賀、佐々木と佐久長聖の同期で、前年無念の1秒差を晴らすぶっちぎりでの2008年全国優勝時のメンバー(1学年下の大迫も)です。

 ところで、サッポロのTVCMに、多くの箱根ランナーを育てた佐久長聖駅伝部の両角監督が取上げられていたのには、我が意を得たり!
東海大での選手時代、その箱根でケニア人選手に置き去りにされた悔しさが、周囲からの留学生勧誘を頑なに断り、日本人選手だけで都大路に挑み続ける原点だとか。

 娘は、日体大の各選手が襷リレーの後、フラフラになりながらも必ずコースに一礼していく姿に感激の涙、涙で、最後シード権を掴むようにと必死の応援の声を張り上げていました。
こういう学校を箱根から消してはいけないのだそうです。うん、同感!

 さて、今年の箱根中継で何より感動したのは、繰上げスタートを免れて最後まで襷を繋ぎ、19位でゴールした上武大アンカーの地下選手でした。

 最後の箱根で、卒業後は郷里の熊本に戻り村役場に就職し、この箱根で陸上競技を辞めると言う彼。
実況に拠れば、そんな彼に「4年間ありがとう!」と伴奏車からエールを送ったという花田監督。
彼は早大のエースで、その後もオリンピックランナーとしても活躍しての引退後、無名の上武大陸上部のマネージャーからの指導依頼の手紙に心動かされ、この新興チームの監督を引き受けたと何年か前に報道されたと記憶しています。
ゴール後、恐らく万感の想いを込めて深々とコースに向かって長い間一礼をしていた地下選手の姿に、涙溢れたのは娘と私だけだったのでしょうか。

残念ながら、翌日の新聞やTVでは取上げられていませんでしたが、順位はともかく、良いチーム、良い選手を育てています。

 今年の箱根も幾つもの感動と共に終わりました。
中継の最後に映し出された富士山が、それぞれの頑張りを優しく抱きかかえてあげるかのようでした。