カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 11月20日からのリンゴ採りの手伝いに娘たちが来てくれたお礼に、夜は「お蕎麦が食べたい!」という彼らのリクエストに応えて、“蔵の街”中町の『草庵』へ。こちらは“季節の郷土料理”のお店です。

 近くの民間駐車場に車を停め、いつもの入口から入っていくと、あれっ?誰もいません。呼んでも誰も出て来ません・・・?
すると、以前無かった奥にも入口がありました。
聞けば、裏の蔵造りの別棟を改装し、3日前から拡張して営業しているのだとか。
以前(「草庵」第316話参照)は、一階にカウンターとテーブル席が3つほど、2階に個室がありました。

 仲居さんとお話をしていると、何と市民芸術館の姉妹店『井』(第262話)を閉店し、こちらに移転する(した?)のだとか。
「井」は、夜お蕎麦を食べに行くのに(空いていて)穴場だったのですが、我々には好都合でも、芸術館でのイベントが無い日は閑古鳥だったようで、経営的には止むを得ないのでしょうね。確かに、その後何回か行ったらメニューが減っていて、一体どうしたんだろうと思ったのですが、やっぱりでした。
改装後は、1階の(「井」)テーブル席は10卓近くにも増え、2階(「草庵別館」)にもテーブル席のコーナーと幾つか個室も作られたようで、相当広くなりました。従来の草庵もいずれ再開されるとのこと。
どちらかと言うと、草庵が本格派、井がカジュアルという位置付けでしょうか。

 さて、我々は2階(草庵の別館)のテーブル席です。
この日はお蕎麦を食べるべく、3000円くらいの簡単なコースで〆の椀蕎麦を抜いてもらい、替わりに個別に好きな蕎麦をオーダー出来るように、事前に家内が予約した時にお願いしてあります。

 先付けの中の一品。柿の白和え(前回は夏でイチジクでした)が秋を感じさせてくれます。
何品か大皿で取分けるように出された中で、スモークサーモンを巻いた酢漬けの根菜。
シャキシャキした食感ですが、長芋ではなく、タケノコでもなく、
「生姜じゃない?」「いや、違うなぁ・・・?」
何だか分からず、お聞きすると「聞いてきます!」とのこと。
答えは、何とヤーコンだとか。こんな使い方も出来るんだと感心。
また、炙りモノの中のマコモダケは味噌を付けていただきます。シンプルですが、初めて食べるという娘たちにも好評でした。

 ベテランの仲居さんが来られて、
「彼、入ったばかりなので、すぐにお答え出来ずにスイマセンでした」
「いえ、こちらこそ突然聞いて・・・。でも、なかなか爽やかで応対も丁寧だし、むしろ好印象でしたヨ!」

 蕎麦は、「ざる」と車麩入りの「かけ」をそれぞれ希望でいただきました。こちらの蕎麦は二八ですが、専門店にも負けていません。
市内で評判のお蕎麦屋さんは、何故か昼しか営業しない所が多く、県外からのお客さんをお連れするのに夜は苦労するのですが、ここ「草庵」と「井」は本格的な手打ちが食べられるので、そんな時に松本でお薦めのお店です。

本日も、いただきました!(松本地方の方言で“ごちそうさま”の意)    
 店を出て少し歩くと、来る時は全く気が付かなかった中町通り側にも新たに入口が設けられていて、「井」と「草庵別館」の看板が掲げられていました。
あっ、ナルホドね。