カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 11月10日過ぎに、一泊二日で東北に出張して来ました。

 朝、松本駅を出ると、雪を抱いた北アルプスが見送ってくれます。
(梓川と奈良井川の合流点辺りの島内付近から犀川越しに望む)

初日は、長野から大宮乗換えの東北新幹線で八戸へ。
東北新幹線は12月4日から青森まで延長されますので、至るところに期待と熱気が感じられます。 

 さて、仕事の後、夕食を付き合っていただき、ある料理屋さんで食べた「煎餅汁」。八戸には4回目にして初めて食べましたが、いやぁ美味しいですね、もちもちして。素朴な味ながら、B級選手権で上位常連というのも頷けます。
 八戸にはカウンターばかりの飲食店の“小屋”が集まる「横丁」があるのですが、若い女性が呼び込みをするなど最近では観光客相手になり、値段も高くなって地元の皆さんは敬遠されてあまり行かないのだとか・・・。残念だなぁ。東北らしく素朴で気に入っていたのですが。

 翌朝は盛岡で乗換え、初めてリレー新幹線に乗車しました。始発の東京から東北新幹線「はやて」に連結されてきた秋田新幹線「こまち」です。こんな連結車両を見ると、男の子ならワクワクします(最近は“鉄女”もいらっしゃいますが)。しかし、広軌から狭軌?へ車輪巾を変えて走るなんて凄いですね。盛岡で切り離され、田沢湖線、奥羽線と乗り継ぎます。
中央線もあずさの時間短縮が難しいなら、長野新幹線にリレー新幹線を連結して、篠ノ井線(単線ですが)を松本まで走らせたら、2時間ちょっとにならないでしょうか?

 さて、初めての田沢湖線は田沢湖へ至る沿線の紅葉に映える渓谷美が見事でした。しかも、人家などまるで無い渓谷沿いに無人駅がありました。最近流行りの秘境駅でしょうか。その後、武家屋敷で有名な角館やカマクラの横手(最近ではヤキソバ?)を通ります。
角館は街中から駅舎が離れているそうですが、沿線には枝垂れ桜も見られて“らしさ”も伺えます。
初めて八戸を訪れた時も秋だったのでしょうか。乗ったタクシーの運転手さんが、問わず語りに、
「八甲田の紅葉で、本当に見事な瞬間はたった一日しかないんですよ!」
と教えてくれたのが印象的でした。

 秋田の大曲で乗換え、二両連結のローカル線に揺られていきます。途中、後三年の役の古戦場という、その名も後三年という駅があったりと、奥州藤原氏に代表される東北地方の豊かな歴史を感じさせてくれます。
 車中で車掌さんが親しげに赤ちゃん連れの親子と話をされていて、横手駅で下車した時に、車掌さんが同じく下車された若い男性に何か声をかけると、その男性がベビーカーを持って階段を上っていきました。イイなぁ、東北って。晩秋の寒さとは正反対に、人の暖かさを感じます。

 さて、岩手から秋田に掛けても沿線にはリンゴ園が点在しており、東北もこれからサンふじの収穫を迎える様です。
信州では、糖度が増すために枝を下げるように樹形を整えますが、こちらでは梨のように(棚は勿論ありませんが)上に拡がっている樹形が多く、その違いが興味深く感じられました。

 今回は出張のため駆け足でしたが、いつか家内とノンビリとローカル線で、十和田や田沢湖の紅葉を愛でたり、或いは春の桜と武家屋敷の角館を訪ねてみたいと思います。