カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前話に続き、横浜から帰省してきた叔母への“信州的おもてなし”の話題です。

 信州らしいモノをと考えた結論は・・・結局キノコ。
地元で「リコボウ(諏訪ではジコボウ)」と呼ぶキノコ(ヌメリやハナなどイグチ系の総称))が例年ならそろそろ出始める頃なので、思い立っての夕刻、いつもの里山へ行ってみましたが、やはり夏の猛暑で地の温度がまだ冷えていないのか、全く姿も見えず。

代わりに、その名の通りキノコの出始めなのでしょう、何とハツタケ(初茸)が出ているではありませんか。
「やったーっ!」

人によっては、やや土臭いリコボウより遥かに美味しいと言います。
今年はやはり遅れ気味で、漸くキノコシーズンが始まったばかりのようで、やや小振りのハツタケが僅か20分ほどで何と20本以上も採れました。
「バンザーイ!」
今年はハツタケの当たり年なんでしょうか。それとも、今年は(猛暑でしたが)意外とキノコが豊作かも?(小さなリコボウが3つ頭を出していました。可哀想なのでそのまま採らずに、写真だけ撮らせてもらいました)
キノコは、食べるより採る方が楽しいと言いますが、確かに見つけた時は、ホント「やったーっ!」と思いますね。
 ベニタケ科のハツタケは、採取後、傷口から緑青(ロクショウ)のように青く変色していきます(それがハツタケかどうかを見極めるポイント。最後の写真は家に戻ってから撮ったのですが、少し青く変色しているのが分かりますでしょうか?)ので、知らない人にとっては薄気味悪く、毒キノコと思われるかもしれませんが、大変美味しいキノコで、人によっては“匂いマツタケ、味シメジ”と「並び立つ」と評価するほどなのだそうです。
 個人的にはシンプルに大根おろしとポン酢か塩を付けて食べる焼きハツタケ(少し苦味があります。スダチを掛けて)が好みです。それとたくさん採れたので、大変良いダシ(出汁)が出るとのことから、スープにも入れてみることに。家内が前日作っておいた洋風のスープに入れて、コトコトじっくり煮てみました(ん?どこかで聞いたようなフレーズですが)。家内曰く「ウン、10倍美味しくなった!」とOKサイン。確かに良いダシが出るようです。

 その日の食卓には、とても柔らかな豚肉の味噌漬けなどの焼き物以外に、信州らしく馬刺しやキノコ、そしてハーブガーデンから摘んだばかりのルッコラのサラダなどが並び、叔母も喜んでくれたようでした。

 横浜に住む母方の叔母が、先週の三連休の最終日に、実家のお祭りに合わせて今年も帰省して来ました。一年振りの里帰りです。

 母と松本駅で出迎えて、昼食へ。
母の“たっての希望”で、緑町にある老舗蕎麦屋『こばやし』へ行くことに。信州の年配者は、天婦羅が無いと満足しないだろう(第137話参照)と『蕎麦倶楽部・佐々木』(第31話参照)の前を素通りして二軒隣です。

 近くの駐車場から歩いていくと、驚いたことに店の外には20人近い行列が・・・。そこで大名町通りにも支店があった筈(駅のすぐ近くにも支店がありますが、そこは小さめ)と行くと、いつの間にか無くなっていて・・・。諦めて母の実家近くの「石挽き蕎麦」へ行こうかと思いましたが、どこでもイイヨと言いながら「もう何年もこばやしで食べてないねぇ。お父さんに連れて来てもらったのはいつだったかねぇ・・・」などと母がブツブツ言うので、「ンもう、行けばイイんでしょうが、行けばぁ!」とまた逆戻り。すると、途中で20人ほどのツアーらしい団体客の皆さんとすれ違いました。ああ、それで・・と、今度は程なく座ることが出来ました。
店の外には、順番待ちのお客さんのために、冷水で冷やした人差し指大の“赤ちゃんキュウリ”(モロキュウには最高です)がタライに100本近くも。横には塩と味噌が器に入って添えられています。(夏季限定の?)グッド・アイデアです。
叔母が一本いただいて「あぁ、信州の味がする!」と喜んでいました。
ん?キュウリの味って産地で違うんだっけ・・・?

 私自身は「こばやし」に来るのは子供の頃以来、40数年振りでしょうか?
多分四柱神社のお祭り(10月初旬の神道祭)の時に両親に連れられ、妹と4人で食べたような。揃って麺好きなこともありますが、昔って、たまの外食では蕎麦やラーメン(支那そば)がご馳走だったよなぁ・・・と感慨深いですね(「3丁目の夕日」的世界です)。

 さて、50席近くもあるお蕎麦屋さんとしては広い店内は満席で、確かに団体さん向けかもしれません。この三連休、市内は観光客の皆さんで結構混んでいます。     

 こばやしでは、二八のざる蕎麦(昔ながらの四角いせいろが2枚重ねで一人前1300円。他店では一枚で、2枚頼まないとお腹一杯にならないので、あながち高いとは言えません)には、薬味としてネギと大根おろしと一緒に小振りの生ワサビが芋のまま出され、小さな鮫皮の卸がねでお客さん自身がすりおろします。
まだ秋の新蕎麦前なので、蕎麦の香りは残念ながらあまりしません。
うーん、蕎麦としては普通かな? 個人的にはやっぱり安曇野・翁がイチオシですね。
信州人のお年寄り二人は、予想通り“天ざる”(一枚半ほどのお蕎麦と天婦羅で1600円)です。天婦羅が無いので、翁や野麦へは連れては行けません。

 お隣では、山から下山されたばかりらしいグループの皆さんが、馬刺しや山女、葉ワサビと言った信州らしい一品を頼んで、下山を祝って乾杯をされていました。無事で何よりですね。確かに、ここはソバ前を楽しむには一品も多くてイイかもしれません(夜8時まで営業とか)。また、近くの若いカップルも松本の地酒「岩波」の熱燗?をご注文。おっ、分かってらっしゃる。岩波、地元のオジ様方の晩酌銘柄です。個人的には、松本では「大信州」の純米かな・・・。

 さて、二人を実家に送り届けた後、翌日は実家から戻って来て母宅に叔母が泊まるので、その日のうちに明日の献立を準備です。ただ平日なので、凝った料理は出来ません。
また横浜に勝るモノは無いので、信州らしい食材をと、松本で一番美味しい(と個人的に思う)生の馬刺しと、合わせて自家製の味噌漬の豚肉をいつものお肉屋さんから買ってきました(自家製ソーセージと、暇な時にしか作らないというメンチも)。いずれもなかなかの逸品です(メンチカツは、母も実家に行って居ないので、その日の夕食は簡単にと、家内と二人でいただきました)。
待つ間、ご主人(松本交響楽団員)とOEK(第194話参照)のアンコール曲(松響の指揮者をされている丸山先生の編曲版)について暫しクラシック談義です。
      
 さてと、他にもう一品信州らしいモノ、ウーン何か無いかなぁ・・・。塩イカ?

 9月中旬の話題です。
 早朝5時から巨峰を採り、梱包、荷作りと、その日だけで20箱をクール宅急便で発送。家内は、発送伝票の作成や、箱の中に入れるお礼状の印刷など。
クール便のトラックで送り出してからは、散乱した袋を拾い集めて片付けです。

 今日は終日の発送作業で家内共々疲労困憊なので、もう外食にしました。以前なら、こういう時は「チャイナ・スパイス」のテイクアウトがお決まりで大変重宝したのですが、残念ながら閉店されてしまい、その後は岡田のお蕎麦屋さん(「月の蕎麦」第267話参照)か専ら韓国料理の『やんちゃ坊』(第227話参照)。双方、我家からは車で数分です。
やんちゃ坊は、混雑していなければテイクアウトも出来るのですが、ちょっと無理そうなので母と三人で食べに行くことに。

 ここは何を食べても美味しいのですが、最近どうもメニューがワンパターンです。この日も、「たまには違ったモノ頼もうか?」と言いながら、結局は殆どいつもと一緒。

 まず、ナムルとチヂミ(今回はいつものジャガイモではなく海鮮チヂミにしました)。絶品のチャプチェと豚キムチポクムは外せません。更にこの日は韓国風の卵焼きもオーダーし、家内と母で石焼ビビンバをシェア。
私メはキムチポクムにご飯だけあればそれで充分。甘酸っぱい辛さが夏バテ気味でも食欲をそそります。
食べるのに夢中で、「あっ、忘れてた」と途中でパチリ。半分食べちゃいました、スイマセン!(左から豚キムチポクム、チャプチェ、奥に海鮮チヂミです)。

 以前、次女とのデートで連れて行ってもらった新宿小田急デパートにある韓国料理のお店『妻家房』。そこも確かに美味しかったのですが、やんちゃ坊は味の良さに加え、量が半端ではありません。どれも2倍くらいあるのではないかと思います。ナムルなんて3倍はあるかも。

 本日も“いただきました!”(食べきれずに、残ったチヂミと卵焼きはテイクアウトにしていただきました・・・なお、最初の「いただきました」は「ごちそうさま」の松本地方の方言ですので悪しからず。第347話を参照ください)

 9月の上旬に仕事の関係の全国会議が神戸であり、一泊二日で出張して来ました。いつも出張は東京方面ばかりなので、数年振りの関西です。

 松本からは、名古屋まで朝一番の特急しなの。
しなのはJR東海の特急で、70年代の国鉄時代に初代の振子電車が中央西線に日本で始めて登場(その後紀勢本線にも特急「くろしお」で投入)しました。
昔は船酔いがすると言われました(最初の頃は車掌さんが酔い止めの薬を常備されていました)が、今は殆ど感じません。却って、同じ振子電車のスーパーあずさよりも揺れないかもしれません。
なお、塩尻~長野間(篠ノ井線)はJR東日本が運行を担当しますので、塩尻駅で乗務員が交替します。

 緑濃い谷間を縫うように走る木曽路。今は「寝覚めの床」の紹介アナウンスは無いんでしょうか?それとも下り線の時だけ?      
木曽川沿いに、大正モダン風でレトロな発電所の建物や橋が目を引きます。
確か、“日本の電力王”福澤桃介縁の発電所や橋もあった筈です。

 名古屋からは、ひかりではなく、のぞみで西へ。
名古屋~京都間では、名古屋を出て直ぐの沿線に再建されている小振りの清洲城と、やがて国宝彦根城が遠くに望めます。

 学生時代暮らした京都。入学した時に一年間下宿していた山科。そして東山トンネルを抜けると、ロウソクの京都タワーがお出迎え。
東山のお寺や西本願寺、東寺など。懐かしいですね。久し振りに見返り阿弥陀さまにもお会いしたくなりました。

 しかし、のぞみは早いですね。学生時代、名古屋・京都間は50分でしたが、今では30分。個人的には、N700系より引退してしまった500系の方が好きだったのですが・・・。
そう言えば、90年頃、赴任中のホームリーブで日本へ帰ってきた時のこと。自分の国について、本だけの知識で実際に見たことが無い娘たちに実物を見せてあげようと、京都と奈良を巡ってから信州へ帰省しましたが、その時に一番喜んだのは“新幹線”でした。

 新神戸から会場のポートピア・ホテルへ。全国から600人が参加。
全体会議、分科会、講演会と、夜まで含め一日半ホテルに缶詰でどこへも出れず。
ポートアイランドは、阪神大震災での液状化現象の記憶が残りますが、新神戸駅からのホテルのシャトルバスから見た様子では、すっかり神戸の街並みも復興したようです(写真はポートアイランドから望む神戸六甲方面)

 二日目も夕方までの会議を終え、帰路も同じルートです。
職場で手配してくれた乗換えがスムーズ過ぎて、名古屋駅ホームのきしめんも食べる時間無し。あれ美味しかったなぁ・・・(因みに、松本駅のホームでは6番線の“駅ソバ”が一番美味しいそうです)。
名古屋からは闇の中。陽が短くなりました。
出張では観光することは出来ませんが、列車の車窓からの景色だけでも結構“旅”を楽しむことができます。

 新神戸を夕刻5時20分に出て、夜8時40分に松本駅に到着。
しなのは姨捨からの夜景を車窓に終点の長野を目指します(写真は下りのしなの。先頭はグリーン車。松本駅にて)。

2010/09/23

352.秋の気配

 今年は異常なほどの猛暑でしたが、そうは言っても、さすがに9月も中旬を過ぎると、信州松本では「そこかしこ」に秋の気配が漂っています。

 例えば・・・、

我家の(勝手に生えている)ススキがもう穂を出しています。

空が澄んできました。そして、その空に舞うトンボの数も随分増えてきたようです。トンボというと、小学校の秋の運動会が何故か思い出されます。万国旗越しに見上げた秋空に、トンボがたくさん飛んでいたような・・・。

また、夏の間、どんなに快晴でも雲が掛かって見えなかった山の雲が取れ、北アルプスの峰々が、久し振りに松本平から朝望めるようになりました。
また安曇野も大分稲刈りが進んだようで、黄金色の面積がだんだん少なくなっていきます(と言いながら、この日は霞んでいて山も里も良く見えませんでした)。

そして、陽も次第に短くなり、朝4時頃はまだ真っ暗ですが、東の空にはもう冬の星座オリオンが輝いています。
 9月も、松本では5日にこの夏の最高気温36.1℃を記録するなど、10日過ぎまではまだ30℃を超えるような夏の日差しの中で、猛暑だった今年は「10月の声を聞かないと秋めいて来ないのでは?」というTV報道もありましたが、少しずつ、でも確実に地球は公転し、日本列島に秋の気配が漂いつつあります。
むしろ、先週の月曜日(13日)から、その公転速度を一気に早めたような感じさえ・・・。

 古来言う通りに、やっぱり『暑さ寒さも彼岸まで』。今日は秋分の日。

 可愛がってもらえる自信があるのか、こちらが呆気に取られるほど人間さまには愛想の良いナナですが、チロル以外の大きな犬、特に(チロルよりもサイズの大きな)大型犬はどうやら大の苦手のようです。

 散歩の途中で、ゴールデンやラブが来ると、固まって彼らが通り過ぎるまで一歩も動かなくなってしまいます。ところが、相手がチワワや、トイプードルだったりすると、自分から積極的に向かっていきます。コーギーくらいまでは行っちゃいますので、日頃慣れているチロルのサイズで判断しているのでしょうか?
「ハハハ、チロル舐められてるゾーっ!」

 チロルとナナの朝の散歩コースの中に、左側にドーベルマン、右側にゴールデンレトリバーを飼っておられる、それぞれの家の間を通る道があります。

 ドーベルマンは、道から15メートル以上引っ込んでいて頑丈な檻の中にいるのですが、鳴き出すともういけません。一目散に逃げ出します。
おそらく彼女の辞書には「走る」という言葉は無いであろう家内までが、引っ張られて一緒に走るほど。最初は運動嫌いの家内がどうして突然走っているのか理解できませんでした。まさかナナに引っ張られていたとは・・・!ナナは、必死の形相で10メートルも走って家の前を通り過ぎると、まるで何事も無かったかのように、優雅にまた尻尾を振り振りモンローウォークに戻ります。(そこで敬意を表して、この通りを『○○(奥様のお名前が入ります)走り通り』と勝手に命名させていただきました。(写真はモンローウォーク中のナナです)

 最近では学習効果で、その道の方に曲がろうとすると、立ち止まり前足を踏ん張って進行拒否の姿勢です。そして、更なる学習効果で、その道のコーナーに行く前に、駐車場の中を別の道へショートカットする始末。
どうやらその道は、ナナにとっての鬼門になってしまったようで、あまりに可哀想なので、少々遠回りをしてあげています。ヤレヤレ。

 「ナナぁ、もうそっちには行かないから大丈夫だってば、さ!」

 一方、チロルは既に12歳を過ぎているというのに、相手が例えドーベルマンであれレトリバーであれ、一切お構いなしに向かって行こうとしますので、こちらはこちらで要注意!です・・・ヤレヤレ。

 「チロルぅ、どう見てみても向こうの方が強そうだってば、さ!」

 今朝収穫してきた残りの100房程をこれから梱包して、今年の巨峰は無事終了いたします。
写真は昨日の発送分ですが、雛人形を包むような柔らかい紙に一房ずつ包ん   でスポンジを敷いた箱に詰めてお送りします。もう一つは房のまま写真で違いが分かるように巨峰をそのまま箱に入れてみました。

 今年は、少し早めに収穫し、初めてクール宅急便でお送りさせていただきましたが、父の代から30年近く毎年お送りしているお得意様から、例年に無くお褒めをいただき、どうしてもと追加注文をいただいて、一箱だけならと本日発送分の中でお送りすることになりました。

 ブドウは冷蔵庫に入れておいても余り日持ちがしないため、お客様のご在宅時に確実にお受取りいただけるようにと、家内が事前にお電話等で発送確認をさせていただいたのですが、あるお客様からは「あまりの丁寧な対応に家族全員でとてもびっくりしました。」とわざわざメールをいただきました。
その方はお勤めをされていて、ご家族から「ブドウが届いたので開けていいか?」とのメールが届き「どうぞ」と返信すると、「とっても美味しいブドウです。(注記:同封させていただいた後払いの)請求書を前にしながら食べています(笑)。今日は、美味しいブドウが待っているから早く帰っておいで!」というほのぼのしたやり取りをご紹介いただき、「美味しいものは幸せになります。真心のこもったブドウ、本当にありがとうございました。今年のリンゴも楽しみにしています。」との本当に暖かいお言葉が文末に添えられていました。こちらこそ本当にありがとうございました。
 生産者冥利に尽きると言うもの。皆さまに喜んでいただけて、むしろ私たちが幸せになりました。

 今年の巨峰が好評いただけたのは、もしかすると、冬にリンゴ園と同様に有機堆肥をブドウ園にも撒いたのが良かった(房がしっかりしている)のかもしれません。
今度の冬も、リンゴが終わったら、また堆肥を購入して撒こうと思います。

 毎年リンゴの注文をいただいているお客様にも、今年初めて巨峰をご案内申し上げたところ、予定数が僅か二日間で埋まってしまいました。
本当にありがとうございました。

 巨峰は父が丹精を込めて育てた内の2本を残してあるだけなので、数に限りがありますが、来年も一生懸命育てますので、何卒宜しくお願いいたします。
本ブログ欄を借りまして御礼まで。誠にありがとうございました。

2010/09/18

349.9月の霧

 昨日、9月17日の金曜日。

 前日は終日の雨。一転してまた好天が暫く続くようですが、17日の朝の松本は凄く寒くて、多分15度近くまで下がったのではないでしょうか?

そのため、朝松本駅へ深志から下っていくと、街が霞んでいます。まだ9月だと言うのに川霧が発生したらしく、街並みが霧の中に沈んでいました。
NHK-FMの気象・交通情報で、中央道長野道の松本・豊科間が濃い霧で速度制限だそうです。

 秋も深まる11月頃は、街中を幾つもの川が流れて犀川に合流している松本盆地は、霧の発生することが多いのですが、この9月の時期としては珍しいのではないでしょうか?余り記憶にありません。それだけ、この日の朝は急激に冷え込んだということでしょう。

 さすがに朝5時過ぎはまだ寒かったので、この日初めて長袖を着て犬の散歩に出ました。
寒くなると、毛皮を纏っているチロルやナナが羨ましく見えますね。何となく、彼らの足取りも軽くなったようです。

【その壱-夏の名残の“ヘブンリー・ブルー”】
 先週の土日は真夏日で暑かった松本ですが、さすがの猛暑も峠を越えたようで、今週になって漸く30℃を下回るようになりました。また朝晩の気温も20℃前後と大分涼しくなりました。
これからも多少行きつ戻りつするかもしれませんが、この一週間で、気温は夏から秋へと変わりつつあるようです。

そんな秋の気配に混じって、夏の名残がところどころに見受けられます。

 夏の名残と言えば、何故か『少年時代』のメロディーが浮かんで来ます。
“♪ 夏が過ぎ 風あざみ 誰のあこがれにさまよう
   青空に残された 私の心は夏模様・・・”。
それも陽水ではなく、子供たちの小学校時代の合唱部の歌声で・・・。当時、彼等は全国コンクール3位(銅賞)の実力で、贔屓目無しで上手かったなぁ。
ところで、歌詞にある「風アザミ」って確か彼の造語(他に「夢花火」も)でしたよね。解釈的には「夏が過ぎて風に揺れるあざみの花」らしいのですが、個人的にはむしろタンポポのように風に舞うアザミの綿毛が連想されます。

 さて、チロルとナナの朝の散歩コース、田んぼ道編。
途中家庭菜園の中に、丹精込めた生垣仕立てのヘブンリー・ブルー。高さは4メートルもありそうです。
澄んだ秋空にも負けない青色が見事です

【その弐-実りの秋へ】
 田んぼ道の散歩コース。
ここ松本でも、稲穂が随分と黄色くなり頭を垂れて、実りの秋です。

 ある田んぼでは、隅の稲が刈り取られていましたので、コンバインが入る準備でしょうか。稲の借り入れも間もなくのようです。

「ケンミンショウ」的には、長野県民しか食べないと馬鹿にされそうですが、この時期の子供の頃のイナゴ採り。懐かしいですね。
かと言って、食べるのは今一つ好きではありませんでしたが、採るのは夢中になった記憶があります。

 次女が、平日のバイト休みとかで、月初に二晩だけ帰省して来ました。
その間、昼間一人では可哀想なので、一日会社にお休みをいただきました。

 そこで、彼女がまだ食べたことの無い諏訪のラーメン屋さんに、お昼に連れて行ってあげることに。
それまで早朝からリンゴ園の草刈をして、汗だくになりシャワーを浴びてからのドライブです。その間、娘も家内の残して行ったメモに沿って家事をしてくれました。せっかくの帰省なのにネ。ご同情申し上げます。

 さて、そこは第150話でご紹介した『麺屋さくら』。
以前は、上諏訪駅横の笠森小路で「屋台ラーメン桜亭」として、昼の外出時や飲み会の後に度々お世話になったラーメン屋さんで、郊外に拡張移転されました。

 移転後は、安心な自家製麺(カンスイも殆ど使われていないようなので、早めに食べた方が良いでしょう)にされ、平日(昼間?)は大盛り無料サービスです。
看板メニューの屋台ラーメンは590円と、「ラーメンくらい500円台で食べてもらえるように頑張りたい!」というご主人の心意気です(クク、泣かせるなぁ・・・。ざる1枚1000円超も取る某蕎麦屋にも聞かせてやりたい!)。
 ちょうど昼時。水曜日の平日ですが、駐車場は満杯でした。盛況で何よりです。以前はご主人一人で切り盛りされていましたが、座席数も増えた今は、3~4名の店員さんを使っておられます。

 屋台ラーメンは、自家製の細いちぢれ麺に、背脂を散らせたトリガラ主体のあっさり系醤油味。ちぢれ麺にスープが良く絡みます。またトロトロのチャーシューが逸品です(チャーシューにメンマ、海苔とネギ以外は、値段が値段ですので、煮卵等のトッピングは別料金)。
私が、屋台ラーメンを大盛りで、娘はチャーシュー麺(850円)を普通盛り。それに餃子(5個で290円!)をオーダー。

 店員さんではなく、気が付かれたご主人がわざわざご自分で運んで来てくださりご挨拶。
「お久し振りですね!」
「東京から娘が帰って来たので、どうしても食べさせてやりたくて・・・。会社休んで松本から来ちゃいました。」
「わざわざありがとうございます!」

 久し振りの屋台ラーメンに、断然醤油ラーメン派の私はスープまで完食。美味しかったです。娘も満足していました。わざわざ松本から食べに来た甲斐がありました。

 せっかく諏訪まで来たので、
「久し振りに、おじいちゃんとおばあちゃんの顔を見て帰りたい!」
という娘のリクエストで、家内の実家に寄ってから帰りました。

 昨日11日の土曜日から、ご注文いただいた巨峰の出荷を開始しました。

 糖度も既に18度を超えており、昨年もう少し糖度を上げてと収穫を遅めにした結果、一部に熟し過ぎて房から粒がもげた荷があった反省から、今年は少し早めに収穫し、且つクール宅急便を使って発送することにしました。

 ブドウはリンゴに比べデリケートなので、朝採りで、まだ涼しい5時頃からその日の発送分を収穫し、丁寧に梱包して荷作りです。

 写真は、房を採った後の袋。今朝は200房収穫しました。全部梱包が終わってから片付けます。

 では、荷作りに行ってきます。

 早朝のチロルとナナの散歩。

 戻ってくると、チロルはベランダで毎朝毛梳きとブラッシングです。
と、その前に「ゴメン、ちょっと待って!」と、夏の間はアイスコーヒーで一服です。
「フー、暑かったネェ、チロルぅ!」
すると、チロルは横に来て夏だけは物欲しげに座ってじっと待っています。

 チロルも夏の散歩は暑いらしく、喉が渇くのでしょう。
いつの頃からか、アイスコーヒーを飲み終わった後の氷をおねだりするようになりました。そこで、キュービック・アイスをあげると、伏せてガリガリとかじりながら美味しそうに食べています。
そして2~3個食べると満足そうです。

 一方のナナは、氷なんぞには(匂いを嗅いでも)一切見向きもしません。

 チロルって、変な犬なのかなぁ・・・。

 このところ、ずっと雨が降らなかったため、止む無く果樹や庭木に潅水をしていましたが、台風9号の影響もあって、8日は松本地方も本当に久し振りにまとまった雨になりました。

 お百姓さん的には、「雨が欲しいなぁ!」という感じでしたが、庭木などにも当然影響があり、市内の街路樹には一部茶色になってしまった木もあります。
我家の庭でも、特に芝生は時々水を撒かないといけませんが、そのタイミングは芝生の葉が針のようになった時。そのまま放っておくと芝生も枯れてしまいます。

 これまでは、何度も夕立予報があっても、残念ながら松本の我家周辺は殆ど雨が降りませんでした。そのため、ブドウを中心に潅水をしながら、何度夕方東山方面の雷雲を見ては溜息をついたことか。そう言えば、昔父が雨が降っていそうな山辺の谷間を見ながら、羨ましそうに溜息をついていましたが、気持ちが今になると良く分かります。
ホント、科学的予報が無い大昔のように、もし雨乞いをして降るものならしたくなります。

 今回は台風の影響での雨。ある意味“水大国”の日本では、災害をもたらす台風ですが、降水量のかなりの部分を台風に負っているのもまた事実です。風台風や水害は困りますが、この時期、もう雨台風でも何でもまとまった雨は大歓迎の8日でした。

 ただ、チロルだけは、朝窓越しに外の雨を見ながら、分かるんでしょうね、何とも恨めしそうにしているのが可哀想でしたが・・・。

チロルぅ、今日だけはゴメンねー。雨、バンザーイ!

 9月になったと言うのに、日本列島は猛暑が治まりませんね。

 9月5日の日曜日。京都(京田辺)で39.9℃を記録したそうですが、ここ松本でもこの夏最高となる36.1℃とか。
確かに暑かった。午前中汗だくで農作業、奥様は完全防備での庭の草取りでフーフー言っています。チロルとナナは、フローリングの床に腹這いになってドテーっと寝ています。

 午後ナナをトリミングへ連れて行くのに駅前を通って、何気なく松本駅ビルの温度掲示板を見ると、何と39℃の表示。
百葉箱と違い、アスファルトの照り返しもあるのかもしれませんが、それにしても信州で・・・。いやはや、です。見ただけで暑苦しく感じてしまいました。

 まだまだ暑い日が続いています。どうぞご自愛ください。

 ハーモニーメイト向けに隔月で送られてくる、タブロイド版の情報誌「Harmony」。今回の特集は、来る10月13日にザ・ハーモニーホール(松本市音楽文化ホール、略して“音文”)で演奏を行う上岡敏之指揮ヴッパタール交響楽団。

 その紹介記事によれば、音楽マネジメント会社から送られてきた、2007年の初来日公演のDVDを見た音文スタッフが感激し、松本でも是非演奏してもらいたいと企画し実現した演奏会とのこと(確かに今回のツアーで、地方都市は松本と倉敷のみです)。
そして興味があれば、そのDVDを何と貸し出していただける!と書かれているではありませんか。「えっ、本当?」と訝りつつも電話をすると、メイト会員とは言え、見ず知らずの私に「ええ、どうぞ、どうぞ。是非聴いてみてください!」とのありがたい(≒ある意味信じられない)お返事。早速音文の事務所に伺って(身分証明等確認することもなく)お借りして来ました(松本ってイイ街でしょっ!)。

 それは、2007年10月11日に東京オペラシティで行われた、手兵ドイツ・ヴッパタール交響楽団を率いての初来日公演での、チャイコフスキーの第6番『悲愴』の演奏。因みにこの日は、彼自身がモーツァルトの23番を弾き振りしたようです(彼のモーツアルトも聴きたかったなぁ)。

 いや、確かに凄い。久し振りに感動しました(第194話の金聖響&OEK以来かな)。宇野功芳氏の絶賛もあながち誇張ではないかもしれません。
余談ながら、以前朝日新聞のGLOBEでの紹介(第312話参照)で、彼を評して楽団員が「跳躍的」と言っている意味が良く分かりました。
なお、この時の「悲愴」の演奏は、第3・4楽章を間髪入れずに続けて演奏しています。金管にやや乱れはあるものの名演です。勿論指揮は暗譜。

 演奏が終了しても、感動の余りステージ前に詰め掛けて「帰れず」に拍手を送り続けるその日の“幸せな聴衆”と、何度となく繰り返されたカーテンコールの後一旦引き上げながら、聴衆に応え、マエストロと一緒にまたステージ上に引き返して最後一緒に全員で日本的に深々と一礼する楽団員たち。
演奏中とは別人のようなハニカミ屋のマエストロと彼らとの信頼感(演奏中にマエストロを見つめる彼らの目からもそれは伺われます)が伝わってくるようでした。いいなぁ、これ。
東京芸大指揮科出身ながらコンクールとは一切無縁で、ドイツの歌劇場での練習用伴奏者からの叩き上げという異色の経歴を持つ彼は、因みに(GLOBEによれば)地元では「ヴッパタールの宝物」と敬愛されているそうです。

 記事によれば、今回の来日公演は「オール・ワーグナー・プログラム」のところ、松本公演だけ特別にお願いして「英雄」(及び、チャイコのVn.協奏曲。ソリストは、94年チャイコフスキー・コンクール最高位のアナスタシア・チェボタリョーワ。今回はこの松本での1曲だけのための来日とか)にしていただいたのだとか。(個人的には上岡氏の弾き振りで、モーツァルトの20番か23番が良かったのですが・・・。きっと「悲愴」を聴いて、どうしてもチャイコフスキーもプログラムに入れたかったのでしょうね)

 去る4月3日に行われた新日フィルへの客演(メインはメンデルスゾーンの6番「宗教改革」)後のインタビューで、アルプスに抱かれた楽都「松本はドイツの地方都市に似ているので、日本での“我家”に帰ったような演奏ができれば」という上岡氏自身のメッセージと共に、我々自身も(現在開催中のSKFとは無縁の私メは)今から当日の公演がとても楽しみです。
その日も、DVDのように帰ることを忘れるほど“幸せな聴衆”になれることを祈っています。

 初めて松本を訪れる彼らを歓迎すべく、当日北アルプスの山々が見えるとイイですね。

 我家のチロルとナナに限らず、打ち上げ花火の音と雷の音が犬達は嫌いなようです。

 夏の間、市内の小さな神社のお祭りか、夜打ち上げ花火が上がると吠えること、吠えること。チロルだけではなく、ナナも一人前に吠えています。

 諏訪湖では、8月1日から15日のメインの湖上花火大会を経て9月4日の新作花火大会まで、今年も『サマーナイトフェスティバル』と称して、毎晩8時半から15分間近く、800発の花火が打ち上げられました。

 そうすると、諏訪の犬達は1ヶ月以上も毎晩のように吠えていたのでしょうか?
   
 人間さまにとっては楽しみな花火も、犬にとっては迷惑この上ない話・・・?。
犬達にとって、受難の夏が漸く終わります。

 今日4日は、諏訪の夏の最後を締め括る「新作花火大会」で、人出40万人とか。

 美味しい蕎麦を食べようと思えば、やはり蕎麦屋に行かないと・・・。それはそうなのですが、行く暇(+お金?)が無い時に意外といける(=美味しい)のが松本平の地元スーパーに並ぶ「生そば」です。

 数ある中(全部試した訳ではありませんので悪しからず)で、我家の定番は『松本古城そば』(松本・熊谷製麺)と『安曇野道祖神そば』(豊科・安曇野麺匠・・・旧赤だすき製麺)。
前者が2人前230円程度(パック入り)、後者は3人前で同450円とやや高め(こちらは袋入り)。但し、二人前とは言っても、(私の場合は)一人で充分完食可能な量。勿論、お湯で「ぬめり」をしっかり取って、温そばにも。
古城そばは、蕎麦好きだった父のイチオシ(因みにお蕎麦屋さんで父が好んで行ったのは、マエストロ・オザワも通う浅間温泉の「かどや」と、オヤジさんが倒れる前の開智の小さなお蕎麦屋さんの「奈川」。いずれも黒い田舎蕎麦)でした。
また、道祖神そばは、「地元の食堂でもこれを客用に使っている店もあるほどだから」と、その昔穂高に住む会社の先輩から薦められた生そばです。

 個人的な工夫(?)、好みとして「お絞り蕎麦」風(但し味噌に非ず)に、(付属のではなく)市販の濃縮つゆを大根おろし(普通の大根で可)をすったその絞り汁で(水の替わりにして)割って、蕎麦つゆにして食べると、これがいけます。(勿論、そばそのものも美味しいので)下手なお蕎麦屋さん顔負けの味です。

 そう言えば、その昔、木曽の某有名宿場町へ観光に行って、入った観光客相手の食堂でオーダーした「ざる蕎麦」。これが、信州でありながら(現在は岐阜県)何と乾麺。あまりのひどさ(不味さ)に、食べず(≒食べられず)に残したほど。それと比べれば、これらの生蕎麦は雲泥の差です。

 双方生そばですので、ゆで汁は勿論、蕎麦湯になります。自宅に居ながらにして、手軽に本格的な(≒に近い)味を楽しめるのも有難い(信州ならでは?)ことです。例えば新蕎麦の時期とか、季節によって蕎麦の味が微妙に変化するのも、むしろ生っぽくて気に入っています。

 地元以外には恐らく出回っていないと思いますので、県外の方は松本方面へ来られた際の(お手軽な)お土産にどうぞ(松本駅前ですと、バスターミナルのある「エスパ」地下の、お土産コーナーではなくスーパーの一般食料品売り場にあります・・・の筈)。
【追記】
『安曇野道祖神そば』(豊科・安曇野麺匠)が、何と先日の日経日曜版の“何でもランキング”の取り寄せの「夏に食べたい冷やし麺」で、何と堂々の2位になっていました。いやはや、驚きました(・・・ということで地場スーパーで買わなくても取り寄せ可能の由)。
最近、少々味が落ちてしまい、この記事も実は1年以上前に書いたのですが、がっかりしてお蔵入りにしていたものです。しかし、この高評価。味が戻っていればイイのですが・・・、果たして?
【追記その2】
・・・という訳で、今回掲載にあたり「確かめねば!」と写真掲載もあって両方購入。
うーん、残念ながらその印象はやっぱり変わりませんでした。
特に『安曇野道祖神そば』は、昔に比べてツナギが多すぎて、小麦粉の味しかしません。一体どうしちゃったんでしょうか?
むしろ、個人的には『松本古城そば』の方が、遥かに美味しく感じましたが如何でしょうか。お試しください。
安曇野麺匠の皆さま、どうぞ「赤だすき製麺」時代の味に戻ってください。そして日経「何でもランキング」の審査員の皆さん、「古城そば」を食べてみてください。