カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 平城京遷都1300年を記念するイベントが地元奈良だけではなく各地でも開かれているようで、今回は日本橋の三井記念美術館で開催中の特別展『奈良の古寺と仏像 “會津八一のうたにのせて”』を見に行きました。

 オルセー美術館の引越展とどちらにしようか迷った末、オルセーは何度かパリの本館で見ていることもありますし、大手町で研修中の娘達と終了後待ち合わせて、昇進祝のご指定のプレゼントを買うために銀座へでも行くのに都合が良いこともあり、日本橋にした次第。
と、それ以上に、半年ほど前に直接お話を伺った、奈良国立博物館の学芸部長である西山厚先生の「奈良時代は、いい国を創ろうとした日本の“青春時代”である」という発言をお聞きして以来、今までと違う、そういう目で“若々しい奈良”を一度見てみたいという思いがありました。

 ただ、京都で学生時代を過した身としては、“やはり野に置け蓮華草”ならぬ、本来は“やっぱり、お寺におわす仏たち”という気がしないでもありませんが、こうした機会に奈良に行かずとも、一堂に会する仏さまを(しかも来たついでの東京で)拝観させていただけるのは大変有難いことです。

 三井記念美術館は、新宿からですと神田で銀座線に乗換え、三越前下車徒歩1分。歩くのが嫌いな我が奥様向けです。

自体が重要文化財という重厚な三井本館の7階に美術館があり、100点近い仏像を中心とした奈良のお寺の展示品が、会津八一がそれぞれの縁の寺で詠んだ短歌と一緒に展示されていて、その歌から、斑鳩や飛鳥の里が想い出され、まるでその場にいるような雰囲気を感じながらのひと時でした。
特別展のポスターに、夢違観音の写真と一緒に添えられた會津八一の短歌。

『あおによし ならやまこえてさかるとも ゆめにしみえこ わかくさのやま』

ふっくらとした芝山と鴟尾を載せた大仏殿の大きな甍が目に浮かびます。

*些か長文になりましたので、2回に分けて掲載します