カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 7月25日の日曜日。松本市野球場で、夏の高校野球長野大会の決勝が行われ、我家から3kmほど離れた球場から、応援の太鼓の音がかすかに響いてきます。

 試合は、9回二死走者無しから2点差を追いついての延長での逆転勝ちで、県立松本工業高校が、36回目の甲子園が目前だった松商学園を下して、見事春夏通じての初出場を決めました。

 40数年振りという地元松本勢同士の決勝戦。しかも、『白線流し』の舞台にもなった薄川を挟んで隣り合う両校です。市民としては、どちらも頑張れ!ですが、やはり判官贔屓もあり、決勝に初めて進んだ松工を応援する声が大きかったように思います(午前中農作業をし、昼休みだけ見てまた農作業に行く予定が、稀に見る好試合に、結局最後までTV観戦してしまいました)。

 松工は全国的には無名ですが、阪神に進んだ御子柴投手(その後2軍コーチ)や、確か日ハムに行った丑山捕手だったか、時々優秀な選手が出ており、今年は県下ナンバーワンという前評判の右の本格派・柿田投手を擁し、全員野球で、昨夏優勝の長野日大、松商をそれぞれ延長で下しての初栄冠でした。
 
 翌日の新聞報道によれば、中学時代は控え投手で私立の強豪高のどこからも誘いが無かったという彼が、たまたま夏休みに松工の練習に来て、そのキャッチボールを見た松工一筋31年と言う中村監督が惚れ込んで、自宅まで押しかけて口説いたのだとか。「球持ちの良さと体の柔らかさ。そして、えも言われぬ(投手としての)雰囲気の良さ」に、「絶対に良い投手なる!」とその時確信したのだと言います。

 確かに、右の本格派らしい、弓のようなしなやかなフォームから繰り出される快速球と高速スライダーが持ち味の、ピッチャーらしいピッチャーです。しいて言えば、嘗ての東邦のバンビ坂本投手のような雰囲気でしょうか?
全試合を一人で投げ抜いて、そんな「えも言われぬ雰囲気」が、土壇場での同点後、松工応援団だけでなく、湧き上がる「柿田コール」で球場全体を味方にしての初優勝でした。
一方で、大会前の下馬評は低くとも、優勝候補だった佐久長聖や丸子修学館(旧校名は丸子実業)を下して決勝まで勝ち上がり、後一人まで追い詰めた松商もさすが伝統校でした。

 プロのスカウトも注目していると言う柿田投手を中心に、信州球児たちが爽やかに全員野球で甲子園を沸かせてくれることを祈ります。

【追記】
全校で女子生徒が僅か18名とか。決勝戦も太鼓だけで、吹奏楽部が無いのか、金管の応援も無かった松工。初めての甲子園での応援、大丈夫でしょうか?お隣の甲子園常連・松商の友情応援?まさかなぁ・・・。松本市民吹奏楽団でも行ってあげるとイイのですが・・・?

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