カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
東京に行った折、娘たちはそれぞれ仕事や予定があり、会議が終わった後、残念ながら家内と二人だけで食事をすることになりました。
そこで、東京でしか食べられないチキンライス(シンガポールでの英語名はHinanese Chicken Rice。中国語表記で海南鶏飯。中国海南島からの移民が広めた料理と云われています)に決め、水道橋で待ち合わせて、その名も海南鶏飯店の本店へ行ってみることにしました。
チキンライス・・・シンプルですが、ライスとスープまで含めて家庭ではどうやっても真似の出来ない、なかなか奥深い料理です。
ここは、以前シンガポールのチキンライスがどうしても食べたくて、ネット検索で漸く見つけた店。
家内と娘はこの本店に最初に来ていますが、私は汐留の支店(第173話参照。そう言えば恵比寿にも支店がありました)には行ったことがありますが、本店は初めてです。
JRの水道橋駅から程近い、白山通り沿いの建物の2階にその店はありました。入口ではマーライオンがお出迎え。それほど広くない店内は、週末もあってか、ほぼ満員の盛況です。
あとは、家内の大好きなコリアンダー(だけの)サラダ(私メはそれほど好きではないので、奥様お一人で全部食べられました。そう言えば、Wet Marketと呼ばれていたローカルマーケットから、新鮮なコリアンダーを束で良く買って来させられたものです)、飲茶でお馴染みのラディッシュ・ケーキ(大根餅)の炒め物、そしてチキンライスとフライド・ホッケンミー(福建料理のヤキソバ)をオーダーしました。タイ米がとても美味でした。そしてビールはシンガポールの定番、オールモルトのタイガービール。また、現地を(勝手に)懐かしんでホットで招興酒。
久し振りに現地の味を堪能しての帰りがけ、マスターから、
「シンガポールに駐在されていらっしゃったんですか?」
「えっ、はい。分かりますか?」
「ええ、最初に“カンコン”って仰ったので・・・。」
お聞きすると、ここはシンガポールの味を懐かしんだ華僑のネットワークで創られたお店なのだとか。日本ではなかなか手に入らない香辛料等も、そのネットワークで、シンガポールから直接送ってもらっているのだそうです。
マスターは別の料理がご専門で、勿論それまでシンガポール料理の経験は無く、出店にあたり現地に行かれて修行されたのだとか。
そして、チキンライスのお皿を、家内が、
「チャター・ボックスの容器に似ていますね。」
「あっ、分かりますか?これ、チャター・ボックスから“昔の”を払い下げてもらったんですよ。」
「そうだ、グリーン・チリ(注記:輪切りにした青唐辛子の酢漬け)をお出しすれば良かったですね。」
「そうか・・・こっちも、もう(現地のスタイルを)忘れてました。」
私達のように、シンガポールに駐在していた人たちが、現地の味を懐かしんで良く食べに来られるのだそうです。
因みに、日本ではお目にかからない『カイラン』(確かブロッコリーの一種で、芽や茎を炒め物にします)は、秋口から冬にかけて食べることが出来るそうです。
またその頃を楽しみに、マスターご自身に見送られてお店を後にしました。