カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

(以下、6月上旬から、つい先日までの1ヶ月間の様子です)

 この前、園芸店さんにお願いしたコリアンダーが届きました。
我家のガーデニング担当の方が、出勤時に家の前を通るとのことで、お願いしておくと帰りに置いて行ってくださいます。早速、出勤前にハーブガーデンに移植しました。ムム、結構コリアンダーの“あの匂い”がします。

 第297話でご紹介したプランターでのクレソンも、順調に成長しています。
もうそろそろ第1回目の収穫ができそうです。ムフフ・・・。なお、白い小さな花芽が出たら、その都度摘んでおいた方が、葉が成長します。

 1㎡ほどしかない、地植えの小さなハーブガーデンには、今年はルッコラ(ロケットサラダ)、バジル、パセリ、そして追加でコリアンダーを植え、昨年からのチャイブとコモンタイム、サラダバーネットが植えられています。

 先ずはパセリを時々収穫。パセリって決して高くはありませんが、束で買っても余ってしまいがち(水に挿しておいてもイイのですが)。一株栽培してあると使い切れないほどに成長してくれます。そして、パスタやシチュー、スープ、またオムライスなどに刻んで使ったり、料理の飾りなどに欲しい時に必要な量だけ採ってくれば良いので、とても重宝します。新鮮な葉は、特に刻む時の包丁の「“刃”応え」(造語です)が全く違います。
パセリはプランターでも間単に育てられます。翌年まで冬越し可能ですが、株が弱る(葉は茂らずに花が咲いてしまいます)ので、毎年植え替えた方が良いようです。(家内からも、プランター栽培で、ベランダに置いておいてくれたら便利なのに・・・と恨み節。チットくらい、歩けっつうの!)

 ルッコラは、花芽が伸びてきた株があったので、早めに花芽だけ摘みました。そうしないと、バジルなどもそうですが、花に(結実するために)栄養がいってしまい、葉の成長が悪くなってしまいます。

 全く消毒もしませんので、時にはバジルなど虫に食べられて穴が空いたりしていますが、気にしない、気にしない。横にマリーゴールドなどを植えておくと防虫効果があるそうです(すぐ上の花壇には植えられていますが、果たして・・・?)。

 植えてからほぼ一ヶ月。結構茂ってきたので、ここでルッコラとクレソンを少々摘んでサラダの盛り合わせにしました。今年の“初物”です!

 第298話で紹介させていただいた、高田郁著『澪つくし料理帖』(時代小説文庫)。ストーリーも味わい深く、とりあえずの3冊を二度読破しました。

 一話毎に、脇役?となる料理が登場し、巻末にそのレシピが掲載されています。舞台は江戸時代ですので、その時代にある材料、器財で調理できることが大前提。例えば夏に冷蔵庫で凍らせてというのは無理な話。

 そんな中で、食指をそそられ、「ヨシ、作ってみよう!」と思ったのが第二巻『花散らしの雨』の第4話に登場する「忍び瓜」。

 町民には大人気なのに、輪切りのキュウリ(と蛸の酢の物)が葵のご紋を連想させるとして、侍が敬遠し客足が減った「つる家」。

 手が滑って熱湯に落としてしまったキュウリを、捨てるのが勿体無いと、とりあえず残っていた酢の物の汁に入れ粗熱を取っておいたのが殊更美味しかったことから、今度はご紋に見えぬようにとキュウリを叩いて、調味料を工夫して提供し、侍にも評判を呼ぶというストーリー。夏の(冷酒の)ツマミに向いてそうな一品です。
因みに、中華料理ではキュウリを酢豚などに入れて炒めることもありますので、加熱するのは珍しいことではありません。また叩いた方が、葵のご紋はともかく、漬け汁に触れる面積も増えますので漬かり易く、これも良くある調理法でしょうか。そう言えば、昔、叩いたキュウリをサラダドレッシングのピリ辛の中華味で和えて一品(ビールのツマミ)としましたが、同類です。

 早速巻末のレシピに沿って、キュウリを叩き、4cmほどに切って、さっと熱湯で湯がき、胡麻油を隠し味に、出し汁や鷹の爪(赤唐辛子で代用)、砂糖、酢などを混ぜた下地に漬け、冷蔵庫で1時間ほど漬け置きして完成。簡単です。
      
 酸味が効きサッパリしていて、夏向きです。でも世界各国の調味料や様々なレシピの溢れる“現代での食味”としては、まぁこんなモンでしょうか。
もう一工夫してみようと思います。さてと・・・?

 先週、出張で秋葉原駅前のホテルに泊まりました。

 朝、習慣で4時起きし、出かける準備も整い、まだ十二分に時間に余裕があったので、何気なくホテルのパンフレット(「かわら版」)を見ていたところ、ホテル付近の名所案内としてその号に取上げられていたのが「柳森神社」。ホテルから徒歩2分。

 ここの境内には、江戸時代、5代将軍綱吉の生母桂昌院の信仰厚かったという「タヌキ」のお地蔵さんがあり、桂昌院の生涯をふまえ、「タヌキ(他人を抜く)」として、特に女性に信望されご利益(りやく)があるのだとか。

      
 早速、朝6時前でしたが出かけてみました。
ホテルを出て左すぐの細い路地を入り、「ふれあい橋」を渡って左手の神田川の川岸に小さな社が佇んでいます。
そこで、娘達の幸運を祈って、彼女達に代わってお参りをしました。
「どうぞ希望が叶いますように!」

 狭い境内には、ネコがお守り役なのかたむろしていて、その内の一匹のネコが社の前に佇んでいます。慣れているのでしょう。逃げもせず、一緒にお参りをしてくれました。どうもカタジケない。ネコさんにも感謝です。

 そして、そのネコと一緒にしたお願いが効いたのでしょうか。
翌日、娘が待ち望んでいた吉報が届きました。 

 東京で暮らす娘達。時々東京への出張があると、子供への食材や調理済みの料理を家内から頼まれて(≒命令されて)持って行きます。上の娘はもう社会人ですので、その対象からは卒業しました(モノによっては時には二人分です)が、次女はまだ学生なので、耐乏生活の一助になればという母心です。クク、泣けるなぁ・・・。しかし、重いなぁ・・・
父親的には、「お金渡して、“買え”って言えばイイじゃん!」ですが、母親は違うんでしょうね。

 前回は、家内の手作りのハンバーグとビーフシチュー。それに、松本で評判の店(ご主人は、地元のアマチュア交響楽団でチェロを弾かれています)の逸品、自家製ソーセージと自家製の豚ロースの味噌漬(他にも国内産の馬刺しや、忙しい日は作れないというメンチカツも逸品です)。

 これが、結構な重さです。(自分の出張の)仕事用の荷物より多いくらい。
ま、子供の喜ぶ顔を考えると、多少の重さは我慢です。でも、母親の愛って本当に重いなぁ・・・。
ただ、出張前後には、高級食材を使った料理が食卓にも上るので、こちらにも“おこぼれ”が無い訳ではありません。娘たちに感謝です。
       
 ところが、毎月娘のところに上京する家内は、そんな荷物を持って行くところを余り見たことがありません。不思議だなぁ・・・。

 まだ暫くは、せっせと運び屋稼業が続きます。

 先日、職場の大ボスの「退任の会」で、薫陶を受けた古~い同僚の、合わせて4人で久し振りにバサラへ。
普通の飲み会だと、料理そっちのけで騒いでしまいますが、この日の面子なら紳士淑女に“近く”、“それなり”に品と場を弁えている面々ですので大丈夫。
火曜日でしたが、ほぼ埋まっていて何よりです。この日は、私が吹聴していたこともあり、コースを予約済み。

 お通しは、初めての「黒エビ(生の時に茶色で黒っぽく見えるからなのだとか)の姿焼き(粉状の塩を付けていただきます)」。新鮮でとても美味しかったです。また、バサラ定番の地ビール、駒ヶ岳の麓に位置する南信州ビールの「アンバーエール」が殊のほか好評でした(エールビールでは缶入りしかない「よなよなエール」も美味。バサラではアンバーを樽で購入されています)。
 
 この日のコースメニューは、幻豚のテリーヌ、以前も食べて絶品だったサザエのエスカルゴ風ブルゴーニュソース、旬のホワイトアスパラとエビのソテー(ソースが絶妙でした)、幻豚のカツレツ、〆の天然コシアブラのチャーハンとデザート。

 年を取った我が身には、少々(カツレツが)重めでしたが、初めての方にも大変好評で、何よりでした(うん、良かった、良かった)。
好評につき、四半期毎に同じ面子でバサラに集まることになりました。
 幸い、心配していた客足も戻ったようなので、(このブログ記載効果があったとも思えませんが)そろそろ掲載不要でしょうか。

 そして、会の締めには、お礼の気持ちを込めた花束。
我家の庭を見てもらっている園芸店にお願いしてバサラまで届けていただきました。最近松本では、老舗の本屋のみならず、花屋さんも市中から姿を消しています。
量より質(センス)で、と無理をお願いしましたが、届いたのは、ダリアを中心にアレンジされた花束で、とかくバラとカスミソウといったパターンが多い田舎では余り見かけたことが無いほどに、見事にコーディネートされた花束でした。お持ち帰りいただら、奥様にも大変好評だったとのことで、こちらも何よりでした。依頼者(代理・・・実際は家内がオーダーしてくれましたので、証拠写真を持ち帰り)としての肩の荷が下りました(やれやれ)。

 花束を届けていただいた時に、第296話で家内が大好きだったのを思い出して、コリアンダーも一株ついでにお願いしちゃいました。シンガポールではパクチーとか、中国語でシャンツァイ(香菜)と呼び、中華に限らず、マレー料理、タイ料理やベトナム料理でも必須アイテムですが、これもれっきとした地中海原産のハーブ。東南アジアでは葉を使いますが、欧州ではむしろ実が使われ、葉とは全く違った芳香がするのだとか。
ただ、日本で栽培して、葉に独特な香り(嫌いな人にとってはただの臭み?)が現地ほどにちゃんと出るかどうか心配です。

 週末は農作業に掛かりきりのため、一昨年庭のリフォームをお願いした園芸店に、毎年春と秋の2回、特にフラワーガーデンの植替えとメンテナンスに来ていただいています。
今年は、リンゴの摘果作業が昨年より(手が少なく)遅れており、そうは言っても今月一杯に出来るだけ終了させるのが望ましいことから、庭はこれまで殆どお任せ状態です。

 今回は、6月初旬。花の終わったチューリップやムスカリなどの春咲きの球根を掘り出し(球根類はそのままでも毎年咲きますが、掘り出して乾燥させた方が良い花が咲きます)、更に(これも本来宿根草ですが)旬の過ぎたパンジー・ビオラ類などに替わって、秋咲きの花卉(かき)類に変えていただいたようです。また、先日は芝生の雑草対策(多分イネ科以外の雑草に効く除草剤散布)も併せてやっていただきました。

 フラワーガーデンの方では、一昨年のリフォーム時にお願いして、何株か植えていただいた青いデルフィニウムが、今年は見事な花をつけました。
庭だと週末しか愛でる余裕が無いので、あまりの見事さに毎日眺められるようにと、ちょっぴり切るのに気が引けつつも、一本切花にして室内に飾りました(・・・が、“持ち”は、切花よりも庭の方がやっぱり良いようです)。
昨年、第89話でもご紹介したオディロン・ルドンの『長い首の花瓶の野の花』のデルフィニウムような見事な花です。28年前の新婚旅行での晩秋のパリで、オルセー美術館で初めて見た絵の中に咲く鮮やかな青い花が、デルフィニウムとの最初の出会いでした。

 青系の花が(私は)どうも好きなようで、梅雨空の下の真青なアジサイ(ハイドランジアよりも、日本原産のガクアジサイに侘びを感じます)にも心惹かれます。また、紫色のサルビアは最近あちこちで見かけますが、真青なサルビアが咲いています。こんな色もあったんですね。
 小さくて決して“派手さ”はありませんが、フラワーガーデンには色とりどりの花が咲いています。

 玄関先の鉢植えも、これまでの葉牡丹から、ここで一緒に夏向けに植栽を変更してもらいました。色のコントラストが鮮やかです。

 毎日電車で通勤しています。

 以前、松本市内の事業所に通勤していた時は電車が不便(大糸線)なため、車で通勤していたのですが(距離的にも我家からだと車の方が近く)、その時は全く本も読まず、日経も会社に行ってから読むような状態だったので、このままではバカ(活字離れ)になってしまうと、事業所がまた諏訪方面になってからは電車に戻しました。

 片道40分の貴重な時間。朝は日経を読み、帰りは文庫本を読むのですが、(特に朝は)読むものが無くなると『人間観察』です。これが意外と面白い・・・。
毎朝大体同じ箱に乗り合わせますので、毎日(ジロジロではなく何となく)見ていると、凡そ(先ずは)職業くらいは分かって来るものです。
例えば、髪をキチンと七三に分け、必ず日経を読んでいる地元の銀行の方々(新聞以外には不思議と鞄も何も持たれていませんが、お金を扱うので、そういう規則なんでしょうか?)。女性の方も銀行の方は結構日経を読まれています。
 さらにJRにお勤めの方や、学校(高校)の先生。中でも養護学校の先生は、一緒の電車に乗る子供たちに常に目配りしています。イイ先生だなぁ。
また某駅で降りられる某社にお勤めの方々は、以前はずっとリストラ続きで暗かったのが、最近は業績も好調との報道通り明るくなられたように感じます。

 また、以前県の教育委員会から或る委員を頼まれていた時は、乗り合わせる高校生達の様子が気になったのですが、お陰で(制服を着ていない高校生も含め)大体高校名(松本から諏訪方面までの沿線に13校あります)が分かるようになりました。学校によりそれぞれ特徴(校風)があって、これがなかなか興味深い。

 そんな中で、以前お婆ちゃんが途中駅で乗ってこられた時に、いわゆる進学校の子たちは参考書を見て気にもしない中で、すっくと立ったのは、地元では必ずしも評判の高くない高校の男の子でした。それも、立っていたグループのリーダー格の子でしょうか、座っている子に向かって・・・、
「おい、立てよ!」
「・・・お婆さん、座ってください!」
お婆ちゃんは恐縮して、男の子たちに何度もお礼を言っていました。

 その光景を見て(朝ですが)、学生時代好きだった、合唱曲『心の四季』などの作詞でも知られる吉野弘の詩(確か題は)『夕焼け』を思い出しました(母屋に学生時代に買った詩集があった筈)。

 優しさだけでは立てないもの。彼等の勇気に、心の中で拍手です(パチパチ)。
「偉い!いいぞ、頑張れ若造!」・・・ですね。

 今風の腰パン、ピアスの身なり(そう言えばバンクーバーかどこかでも話題になりましたが)はともかく、みんな素朴で純な子供たちです。

 時代小説ブームなのか、最近文庫本でも色んなシリーズが出版されています。

 出張の折、新宿の本屋さんで“本屋さんの薦める本(R-40本屋大賞受賞作品)”として、1年程前に見かけた高田郁著『澪つくし料理帖』(時代小説文庫)。

 失礼ながらその作者名も聞いたことが無く、気になりましたが、元来の保守的性格ゆえか購入しそびれていると、その後も評判を呼んで第3巻まで発刊されたようで、(読む本が切れかけた)前回の出張で試しに買ってみようと思ったら、今度は生憎品切れ。

 老舗の本屋さんも減ってしまった松本では、ずっと見かけたことが無かったのですが、先日漸く店頭で発見。早速試しに第一弾『八朔の雪』を購入してみました。

 江戸の人情味溢れる下町情緒が描かれ、活き活きとした市井の様子が目に浮かんできます。さすが著者は元漫画家です。
また、江戸時代の料理屋を舞台に、周囲の人たちに支えられながら逆境に負けずに頑張る、うら若き女料理人(澪)が主人公で、一話毎に異なる料理がテーマという「料理帖」の設定も意外性(新規性)があり、料理好きとしても興味をそそられます(巻末に、登場した料理のレシピが添えられています)。
現代のように温室栽培や保存が利かない時代ですので、道端の摘み草に至るまでの旬の食材への拘りが、より一層「本来の」季節感を強調しています。
そして何より、女流作家らしく、文章全体がしっとりしています。

 シリーズ化をふまえて(?)、随所に“仕掛”もされていて、展開に飽きずに読めそうです。それに決して水戸黄門や浅見光彦ほどではありませんが、いざという時には“お助け”もあるため、決着への安心感もあります。
描写が絵になり易いので、いずれどこかの局でTVドラマ化されるかもしれませんね。

 ただ、それ程ストーリーや人物設定が複雑ではなく、構成やスケール感という点では物足りなさも無いではありませんが、逆にそれ程悩まずに簡単に読めるので、特に(疲れた)仕事帰りの通勤向けかもしれません。
早速品切れにならぬうちにと、第三弾まで(『花散らしの雨』と『想い雲』)買い増ししました。これで、暫くは通勤時も大丈夫です。

買って帰って、家内に紹介したら、
「ああ、昔のNHKの朝ドラだっけ?」
「ちゃう、っちゅうに!」
野田?のお醤油さんでしたっけ?全く関係ありませんので念のため。

 昨年、失敗続きで殆ど食卓に上らなかったクレソンの自家栽培(もしクレソンをご自宅育てたいと思っておられる方は、第94・133・141話での試行錯誤の顛末が、おそらく栽培の参考になるかと思います。マンションやアパートのベランダでも十分栽培可能です)。

 始めたのが遅すぎたこともありますが、結局、昨年は3度ほどしかサラダ用として収穫することが出来ずに冬になってしまい、収支決算は700円の赤字(スーパーで7束も買えたことになります)。でも、試行錯誤の結果、通常のクレソンでも(清流や湧水の水辺でなくても)自宅で十分栽培できることが分かったので、
「今年は、十分“元が取れる”から、任せといて!」
(奥様はフフンと鼻で笑っておられました)。
性懲りも無く、今年も挑戦です。今度こそ!

 そこで今年は、早めに5月の連休明けから始めることにしました。
昨年の後ろめたさもあり、自分のポケットマネーでクレソン(スーパーで売っている普通の料理用:後述注記)を買ってきて、先ずはガラス瓶に入れて、定期的に水を取り替えながら発根させます。

 一方、昨年のプランターは準備万端。
しかも、信州の厳冬期を乗り越えて、小さなクレソンの株が3つ、春を待って芽を出しました。

「やぁ、良く頑張ったなぁ・・・。」
南極で翌年タロー・ジローに再会したような気分・・・と言ったら、大袈裟且つ古過ぎでしょうか?でも、小さな芽を見ていると、そんな愛しさを覚えます。頑張れ!頑張れ!


 一方、スーパーで買ってきた他県産のクレソンは、鮮度が落ちていたのか次第に葉が黄ばんで来てしまい、止むを得ず、数日後別の店からもう一束買ってきました。こちらは県内産で新鮮そうです。2本のガラス瓶に入れて双方様子を見ることに。やれやれです。
(同じ位の束のクレソン。一束目は、仕事帰りに駅前のスーパーで199円、二束目は同じく平日に家の近くのスーパーで148円。そして休日に買出しに行くスーパーでは98円で、鮮度も一番。何でかなぁ・・・?)

 2週間ほど経って、白い根がかなり伸びてきました。ヨシ!今年こそ・・・!?
(同じクレソンでも、左側の写真が148円、右が199円。うーん、やっぱり何か変だなぁ)

 そして、根がびっしりと生えた3週間目の週末に、周囲に水を張ったプランターに移植しました。中には、川縁(べり)と同じように川砂が入っています。

上に伸び過ぎないように一度茎は途中で切って、既にサラダに使ってあります。その結果、所々の枝葉の付け根などから新芽が伸び初めています。そして2~3日おきに水を替え、液肥を混ぜます。
萎れ気味だったもう一つの瓶のクレソンも元気になりましたので、枯れた葉を取って深めの瓶に移して、水耕栽培で試してみることにしました。
 移植して2週間、スーパーで買って来てからほぼ1ヶ月です。
大分新芽が伸びてきました。買った時の葉はもう黄ばんでいますが、その付け根にしっかりと新しい芽が伸びて来ましたので、取り除きました。また砂の中からも、根から伸びた新しい芽が幾つも顔を出しています。順調です。

 リンゴの摘果作業が終わったら、今年は防虫対策の網を、自作でしっかりした木枠で作ろうと思っています。
さて、今年は何回食卓を楽しませてくれるでしょうか・・・?頼むよっ!
【注記】
一般的にスーパーなどで売っているのは、ウォータークレスという種類で、水耕栽培などに向いているクレソン(和名オランダガラシ)。料理用の切れ端が排水と一緒に流れて、川縁(べり)などで自生しているのはこのクレソンです。
他に、アメリカンクレス(ガーデンクレスとも)という地植えが可能なクレソンもあるのですが、一時のブームの時は地場の園芸店にも出回ったものの、最近ではハーブ園でも全く見かけません。この方が普通の畑で地植え栽培も出来、またピリッとした辛味も強かったように思います。
なお、ハーブ園でもウォータークレス(表示はクレソン)のポット苗を売っていたりもしますが、恐らく一つ150円前後するかと思います。むしろ、スーパーで料理用のクレソンを買って、先ずサラダなどに使ってから、残りや茎だけでも繁殖力が強く充分に発根しますので、その方が却ってお得だと思います。
(注記の写真は、水耕栽培中の最初に買った萎れていたクレソン。だいぶ元気になりました)

 東京に行った折、娘たちはそれぞれ仕事や予定があり、会議が終わった後、残念ながら家内と二人だけで食事をすることになりました。
 そこで、東京でしか食べられないチキンライス(シンガポールでの英語名はHinanese Chicken Rice。中国語表記で海南鶏飯。中国海南島からの移民が広めた料理と云われています)に決め、水道橋で待ち合わせて、その名も海南鶏飯店の本店へ行ってみることにしました。

 チキンライス・・・シンプルですが、ライスとスープまで含めて家庭ではどうやっても真似の出来ない、なかなか奥深い料理です。
ここは、以前シンガポールのチキンライスがどうしても食べたくて、ネット検索で漸く見つけた店。
家内と娘はこの本店に最初に来ていますが、私は汐留の支店(第173話参照。そう言えば恵比寿にも支店がありました)には行ったことがありますが、本店は初めてです。
JRの水道橋駅から程近い、白山通り沿いの建物の2階にその店はありました。入口ではマーライオンがお出迎え。それほど広くない店内は、週末もあってか、ほぼ満員の盛況です。

 この日のメニューに、「季節の野菜」としてカンコン(空芯菜。最近スーパーでも見かけるようになりました)があったので早速注文。
あとは、家内の大好きなコリアンダー(だけの)サラダ(私メはそれほど好きではないので、奥様お一人で全部食べられました。そう言えば、Wet Marketと呼ばれていたローカルマーケットから、新鮮なコリアンダーを束で良く買って来させられたものです)、飲茶でお馴染みのラディッシュ・ケーキ(大根餅)の炒め物、そしてチキンライスとフライド・ホッケンミー(福建料理のヤキソバ)をオーダーしました。タイ米がとても美味でした。そしてビールはシンガポールの定番、オールモルトのタイガービール。また、現地を(勝手に)懐かしんでホットで招興酒。

 久し振りに現地の味を堪能しての帰りがけ、マスターから、
「シンガポールに駐在されていらっしゃったんですか?」
「えっ、はい。分かりますか?」
「ええ、最初に“カンコン”って仰ったので・・・。」

 お聞きすると、ここはシンガポールの味を懐かしんだ華僑のネットワークで創られたお店なのだとか。日本ではなかなか手に入らない香辛料等も、そのネットワークで、シンガポールから直接送ってもらっているのだそうです。
マスターは別の料理がご専門で、勿論それまでシンガポール料理の経験は無く、出店にあたり現地に行かれて修行されたのだとか。

そして、チキンライスのお皿を、家内が、
「チャター・ボックスの容器に似ていますね。」
「あっ、分かりますか?これ、チャター・ボックスから“昔の”を払い下げてもらったんですよ。」
「そうだ、グリーン・チリ(注記:輪切りにした青唐辛子の酢漬け)をお出しすれば良かったですね。」
「そうか・・・こっちも、もう(現地のスタイルを)忘れてました。」

 私達のように、シンガポールに駐在していた人たちが、現地の味を懐かしんで良く食べに来られるのだそうです。

 因みに、日本ではお目にかからない『カイラン』(確かブロッコリーの一種で、芽や茎を炒め物にします)は、秋口から冬にかけて食べることが出来るそうです。
またその頃を楽しみに、マスターご自身に見送られてお店を後にしました。

 6月上旬、東京に私用があり、下の娘のところから荷物を持ち帰る必要もあって、久し振りに車で向かいました。いつも思いますが、電車ではなく車で走ると意外と都内って狭いですね。

 さて、今回泊まったのは東京タワー近くのホテル。少々年数は経っていますが、以前夫婦で参加した研修会以来、娘達からのアクセスの良さと(お上りさん的に)部屋からの景観が気に入って(家内は娘と)時々利用しています。
今回は、夜のライトアップを楽しみにしていた東京タワーの見える部屋ではなく、少々ガッカリ。ただ、ホテル側の都合でアップグレードされていて、家内は喜んでいました。

その18階の部屋からは、東京タワーの代わりに汐留界隈の高層ビル群と、その遠くには話題の東京スカイツリー、反対側にはレインボーブリッジが望めます。そして、夜はアーバン・ナイトという言葉がピッタリの都会の夜景が素敵でした。

 すると、近くの高層ビルの一つが全面ガラス張りで、夜、ちょうど鏡のようになって、ビルの高さにすっぽりとライトアップされた東京タワーを壁面に写しているではありませんか。
 東京タワーそのもののライトアップを眺めることは出来ませんでしたが、余り見る機会は無いと思えるような幻想的な景色を、暫しうっとりと眺めていました。

家内と娘に教えても、
「フーン、あっそ・・・。ねぇ、そんなことより、明日の朝食、どのレストランに行こうか?」
タハ・・・。やっぱりオトコの方がロマンチストなんでしょうか、ね?

 毎朝チロルやナナを連れて散歩していると、特に田舎道では、何気ない里山の風景に季節の移ろいを感ずる時があります。

 6月初旬。どの田んぼも早苗が伸びて、初夏に向かい木々の緑が濃くなった、そんな我家周辺の里山の風景から。

 田植の終わった水田に囲まれた農道。
畦道に「ウマズイコ」の花が咲いていました。茎を齧(かじ)ると酸味があります。子供の頃、学校帰りに友達と齧った記憶がありますが、今の子供たちはそんなことはしないでしょうね(親が「キタナイ!」って止めるかも)。スイバの別名。確かハーブのソレル(フランス語でも「酸っぱい葉」の意味だとか。茎ではなく葉を食用)もこの一種です。

 そして、ある田んぼには3羽の合鴨でしょうか。
田の雑草を食べてくれています(その後、幸い飛んでいったので、飛べぬように羽を切られた雑草駆除用のカモではないようです)。
      

 また、この時期、野山の所々が白っぽく見えます。
山を覆うように満開のアカシヤの花です。正式にはハリエンジュでしたっけ、別名ニセアカシヤ。信州でもあちこちに植えられていて、この花を天婦羅にして食べると甘味があると言います。子供の頃に一二度食べたことがありますが、それほどの美味ではなかったような・・・。花は芳香があり、良いハチミツが採れるそうです。

 夜半に俄か雨があったらしく、道路やベランダには水溜りが乾いた後に、ところどころ黄色い縞模様が。この時期、飛散する花粉が雨で洗われた後の様子です。私はイネ科の雑草だと思いますが、家内はアカシヤではと言います。張り合うほどのことでもないし、まぁ、どちらでもイイのですが、散歩中の他愛の無い会話です。でも、絶対に雑草(の筈)・・・です。
(写真はその代表格で、“そこら中に”生えているイネ科の雑草『カモガヤ』。元々は牧草として輸入された帰化植物で、触れると黄色い花粉が粉のようにこぼれます。この時期の花粉症の主犯格とか)

 最後に、雑草で終わるのも気が引けますので番外編として。
母屋の中庭に咲く白いアヤメ科?の花。蕾がまるでソフトクリームの様に見えませんか?幼い頃、見立てて遊んだような気がします。

 第277話でご紹介させていただいた、“復活”のトリオLS-202スピーカー。
確かにフロア型ではありますが、床に直置きなので、せめてトゥイーターが(座った時の)耳の高さに来るように(更には、低音が床に直接伝わらない方がイイんじゃないかな)と、スピーカースタンドを自作したいと“密かに”考えていました。(当時は、実際オーディオ雑誌でも推奨されていて、私も家にあった塀などに用いるブロックを使っていましたが、今となっては、さすがに見栄えが良くありません)

 家内が土曜日から娘のところに上京して、不在の5月23日。前日は、残っていたブドウ園の下草刈りとリンゴの摘果作業に一日追われましたが、日曜日は一転して終日の雨で、摘果作業もさすがにこの日は無理。
予報も朝から雨だったので、降り出す前にと、いつもより早く朝5時から、チロルとナナを一緒に散歩に連れて行きました。2匹一緒は疲れます。
「こらっ!勝手な方に行くなっつうの!」

 パラついていた雨が、6時過ぎから本格的に降りだしました。
ムフフ、雨の日曜日。そう言えば『雨の日と月曜日は』なんて題名の曲ありませんでしたっけ?S&G?カーペンターズ?
いずれにしても絶好の工作日和?です。そこで、地元のDIYショップに行って板材を探すことにしました(勿論、後でカミナリが落ちぬように、やるべきことをちゃんとやった上で、です)。

 さて、東急ハンズとまではいきませんが(個人的にはパルコより、ハンズに来て欲しい!)、最近田舎でも板材カットをしてくれる店もあり、こういう時は大変便利です。また、昔に比べれば、地方のDIYでも様々に加工された色々な板材が売られていて、そのまま目的の用途に部材として使えるものが結構見つかります。

 台座用の一枚板の板材と、インシュレーター替わりにも使えそうな円柱があったのですが、円柱は本数が足りず、どうしようかと思ったら・・・ありました。木製の踏み台!(表示は『木製ステップ』)。
家具などにも使われるラバー材(天然ゴムを採取するゴムの木の古木)のタイ製とのことで、見た目以上に頑丈に作ってあり、ラッカー塗装済み。
また耐加重100kgなので、LS-202は一台20kgですから全く問題ありません。
合わせて、フローリングの擦れ防止にスポンジゴムシート(1枚248円)と、テーブルや椅子の足などに貼って使う傷防止用のシート(398円)も購入して、踏み台の足の形に合わせてカットして、貼り合わせて出来上がりです。
勿論、自分のポケットマネーから。締めて2854円でしたので、一台1400円程度。部材を買って自作するよりも、時間節約は勿論、板材以外にも必要な木工用ボンドやサンドペーパー、塗装剤なども考えると、トータルコストも安いかもしれません(但し何物にも代えがたい“自己”満足感は別として)。
ただ、ラバー材の硬さが不明なのと、インシュレーター代わりの足の部分がちょっと細いのが気になりますが、出来合いで且つ目的外使用ですのでやむを得ません。
安定性とは逆行しますが、インシュレーター本来の機能(共振防止)としては、KEFのトールボーイCoda9などは円錐形のピン(付属品)で支えている(従って床への直置きは無理なので、自作の台座に載せています)くらいですから、むしろスピーカー底部との設置面積が小さくなればなるほど、その効果は増す筈です。
(写真は、黒いゴムシートの上に載せた踏み台と、スピーカーを載せた後)
・・・で、踏み台を逆さまにひっくり返して、スピーカーを載せてと・・・。
上下調整可能で耳の高さに合わせてあるスワン(因みにスーパースワンでは固定になっています)と、上手い具合にほぼ同じ高さになりました。
さて、音響効果の程は・・・?うーん、音の抜けが良くなった(・・・ような?)気がします。
自己満足かもしれませんが、マニアライクな楽しみ方は「それでイイんです!」ってば。

 早速、音量を上げて、一人リビングで・・・。

 それまで乾燥注意報も出ていただけに、農作物や庭木にも恵みの雨でした。新緑も濃さを増したようです。連休からずっと農作業が続いていたので、時にはゆったりと雨の日曜日もイイものです。

 家内が、先日のスキヤキで残っていた煮汁で「(母と)うどんでも食べて!」と言い残して行ったので冷蔵庫を探すと、
「うどんなんて、どこにも無いジャン!」。
・・・と言う訳で、家内が帰郷して来るまでの時間の空いた夕刻に、その煮汁を使って、肉じゃがまで作っちゃいました!

 6月になりました。梅の実も大きくなってきました。もうじき、うっとうしい梅雨が始まります。

 この時期、梅雨時の日本と違い、欧州は“ジューン・ブライド”と呼ぶように、雨も少なく、一年で最も清々しい季節を迎えます。日本で言えば、風薫る五月の感覚でしょうか。

 ちょうど上の娘が、先週からの出張でNYからパリに入っています。
私もこの時期に何度かヨーロッパに出張したことがありますが、パリはシャンゼリゼから伸びる道沿いのマロニエ(セイヨウトチノキ)並木に、白い花が咲いている頃でしょうか。
信州でも、最近では寒冷地でも可能なアメリカトチノキ(アカバナトチノキ)が植えられていて、赤い花を咲かせています(ご近所の庭に植えられているアメリカトチノキです)。

 もう10年近く前になりますが、出張日程上、週末パリに滞在した時も、言葉が通じず(一般の人はフランス語しか喋ってくれません)、オープンカフェではフランス語のメニューが分からずに、隣の人の食べているのと同じモノを頼ん(だつもり)でも違うモノが出てくる始末(美味しかったですが・・・)。タクシーや地下鉄も乗り方が良く分からないので、地図を頼りにシャンゼリゼ界隈から歩いて行った、往時の駅舎を使った印象派のオルセー美術館。他には自分で行けず、これまでオルセーばかり3回行きましたが、良かったですね。個人的にはルーブルよりも好き。娘にも、時間があれば行くように伝えておきましたが、せめてこの季節の、パリの街を散策する時間が取れれば良いのですが・・・。早起きして、朝のパリの散歩もお薦めです。
そう言えば、今後もう無いだろうと言う規模でのオルセーの引越し展(美術館改装のため実現とか)が、ここで東京でも開催されているんでしたっけ。もしかしたら、今行っても展示品が無いのかも・・・?

 ところで、この時期(だったと思います)にシャルル・ドゴール空港に着陸すると、滑走路脇の草原の至る所に巣穴が掘られ、ウサギが子ウサギを連れて、それこそあちこちで飛び回っていて驚いたことがありました。
赴任者に後で聞いたとこころ、飛行機のお陰で天敵が居なくて、ウサギにとっては飛行場の敷地内は天国なのだとか。なるほど・・・でした。そう言えば、空港ではバード・ストライクを避けるために鳥も追っ払いますものね。

 そしてもう一つ。この時期にイギリス(イングランド)の片田舎に行った時。“何も美味しいモノが無い”という英国料理ですが、「この時期のこれだけはお薦め!」(確かにいつもは中華かインド料理でした)と連れて行ってもらって、田舎のレストランで食べたラムは柔らかくて上手かったなぁ。絶品でした。ちょうどラムが一番美味しい季節なのだそうです。

 東京で勤める長女から、届いた母の日の贈り物。

 家内が下の娘のところに上京して当日不在の夕刻。宅急便が届き、大きな箱にビックリしましたが、カーネーションではなくピンクのアジサイでした。
最近は、母の日にカーネーションだけではなくて、アジサイも使うんですね。
昨年は定番のカーネーションで、これも見事な鉢でしたが、結局枯らしてしまったので、アジサイなら、花の後に庭のどこかに植えられるので良いかも知れません。それにしても、見事な花です。
 その後、家内がせっせと毎日世話をしています。一緒に添えられていたカードによれば、日に当てるとピンク色が増すのだとか。日に日に濃くなってきたピンクの大輪が、確かに見事です。
また、庭植えする場合には、青いアジサイは半日陰が、ピンクのアジサイは日の当たる場所の方が良いのだそうです。知りませんでした。

 梅雨空に映える青い紫陽花より、五月晴れの母の日にはピンクのアジサイの方が向いているかもしれませんね。

でも、「父の日の花」って無くて良かったなぁ・・・。花より××!
「待ってまーす!」

【追記】
ただ、定期的に庭を見ていただいている園芸店によると、鉢植えのアジサイを、寒冷地である松本で地植えしても、残念ながら鉢植えの時のような見事な大輪にはならないそうです。
もし同じような花を期待するなら、鉢のまま育てた方がいいそうですので、念のため。
娘のお母さまは、どうしようかと思案顔・・・。