カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 ここ2年くらいでしょうか、僅か10ページ足らずの短編ですが、ビッグコミック・オリジナルに一話読み切りで連載されている、安部夜郎作『深夜食堂』。

 最初は、絵が趣味に合わず、それだけで何となく敬遠して読みもしなかったのですが、何かの折にたまたま読んで、市井の片隅に暮らす人々への視線が暖かく、そのしっとりとした味わいにハマってしまいました。

 例えるなら、味の濃い中華料理や、スパイスの効いた洋食ではなく、どちらかと言うと薄味ながらしっかりとダシや隠し味の利いた和風料理(京風?)。
そのストーリーの味を知ると、絵も味にちゃんと合っているような気がしてくるから不思議です。絵はデフォルメされていますが、毎回登場するストーリーの鍵となる一品も食指をそそられます。

 そして、同様の反響がたくさんあったのでしょう。題名同様深夜帯ですが、TVドラマ化されて放映されているそうです。残念ながら、長野県内では放送されていません。

 食べ飽きることなく、毎回ジワジワっと染みてきて、その余韻を一人楽しむような、そんな味わい深き真夜中の一品です。どうぞ、ご試食あれ。