カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前話からの続きで、トリオのスピーカーLS-202。屋根裏部屋から運び出してきての25年振りの音出しです。

 音源はいつものプレミアム・ボックス『ジャズ・ベスト』のピアノ編とボーカル編(人の声が自然に響くかがスピーカー選びのポイント)。

えっ!?イイ音です。
「KEF(Coda 9)よりイイじゃん!」

 外観上は幸いコーン紙もカビ等は一切見られず、ビビリ音なども全くありません。25cmウーファーの威力か、ドラムスやダブルベースの低音も歯切れ良く締まっていて、しっかりと響いてきます。ドラムのシンバルが鮮やか(でもドン・シャリに非ず)です。またボーカルも艶やかです。古臭さは微塵も感じられません。一言で形容すればナチュラル。
気を良くして、続けてミュンシュ&BSO盤でサンサーンスの3番も聴いてみました。少々(かなり?)音量を上げて・・・。
オーケストラの音像がくっきりと、そしてパイプオルガンの風圧と共に圧倒的なスケール感で部屋中に鳴り響きます。
そう言えば、確か発売時「リニア・レスポンス」をキャッチ・フレーズにしていて、当時としては珍しい音場型スピーカーの、言わば“走り”だったのかもしれません。

「そうか、こんなイイ音してたんだ・・・!」

 おそらく、当時ローエンドしか買えなかったアンプから、技術革新も含め(と言っても購入してからもう10年以上経ちますし、決してハイエンドではなく)中級機になって(そう言えばこれもケンウッド)、性能が格段に向上し且つ電子部品等のコストが下がっているので、実際の価格差以上にグレードアップしたアンプが、スピーカー本来の実力を引き出してくれているのでしょう。
今更ですが、LS-202本来の実力に四半世紀も経って漸く気が付きました。

 世の中が如何にデジタル化されようと、最後にはアナログ変換での音の出口であるスピーカーだけは、ユニットの特性だけではなく、剛性や内部の形状など箱の作りにも左右されますので、良い材料を使ってしっかりと仕上げてあれば、銘器と言われるバイオリンのように、昔のスピーカーであっても良い音がする筈です。

 そこで、メイン・スピーカーのスワンと聴き比べてみました。
3WayのLSの方が、バックロードホーンとは言えフルレンジ1発(しかも10cm!?)のスワンよりも、特にダブルベースなどの低音部の音の粒が立ってくっきりしています。スワンはバックロード特有のクセとして、どうしても「ブン」ではなく「ボン」という感じになりがちです。
またLSが面で響いてくるのに対し、スワンは点音源の名の通り点で響いてくる感じでしょうか。
マイルドとシャープの違いはありますが、「音」としてのまとまりはスワンの方があるような気がします。
う~ん、最後は聴く人の好みでしょうね。でも想像以上にLS-202もイイ音作りでした。

 イヤ、びっくり・・・です。暫くはリビングに鎮座してもらおうと思います。
(でも奥様が帰ってきたら邪魔にされるだろうなぁ・・・?ウム、確かに邪魔だ)

 案の定邪魔にされながらも夜時々鳴らしていると、家内が「前よりも音がうるさくなった。」と言います。音量は以前と変えていませんので、きっとLS-202の方が低音が良く響いているからなんでしょうね。このままもう少し使ってみようと思います。
すると家内から、
「だったら使わないのは捨てれば?」とトンデモナイ暴言。
「じょ、冗談じゃない!」

 そこで、危機感から(可哀想ですが)KEFを暫しお蔵入りにして、代わりにLS-202をサブとして置くことにしました。合わせてコーラルも片付けて・・・と(ついでにスピーカー裏に溜まっていた埃やチロルの抜け毛もキレイに片付けたので却って喜ばれました)。

 やっとリビングがスッキリしました・・・やれやれ。