カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

(若かりし頃の思い入れもあり、些か長文になりますがお許しを。“オールド”・オーディオ・ファンで無い方は、どうか読み飛ばしてくださいますよう)

 第266話でも少し触れた、ケンウッド(JVCと統合)の前身であるトリオ(確か創業のルーツは長野県駒ヶ根市で、今でも工場があった筈)のスピーカーLS-202。

 社会人になってコツコツ貯めて買った初代システムコンポ(と言うよりむしろ今や死語となった“バラコン”?)の一員。
当時の構成は、アンプ、スピーカー、チューナー(予算も限られ、また電波の受信状態が良かったので学生時代のレシーバーで代用)、レコードプレーヤー、カセットデッキ(先進のドルビー付き0.3秒クイックリバース・・・もう誰も知らないかも)、とその後買い足したエアチェック(これも死語)には必須のオーディオタイマー・・・(しかし、世の中変わったものですね)。

 その後CDがレコードに取って代わり、転勤でのアパート住まいを機にCDミニコンポ(サンスイ)に買い換えて、そのまま海外まで持って行った(更に赴任中にシンガポールで家族渡航前にスワンを自作しました)ので、現役生活は僅か6年間だったでしょうか?アンプ(パイオニア)がベストバイとは言え低級機だったので、その性能を十分発揮させてやれなかったのだろうと思います。
そして帰国後システムを一新した時も(KEFのトールボーイCoda9も購入したものの)そのままスワンがメインとなったので、今までLS-202の存在など全く忘れていました。

 久し振りに鳴らしたコーラルのスピーカー(第266話参照)で思い出し懐かしくなって、四半世紀の間ずっと母屋の屋根裏部屋で眠っていたLS-202を、この日運び出してきました。

 調べてみると1979年発売と言いますから、ちょうど私が大学を卒業して社会人となった年で、発売間もない最新モデルを購入したようです。当時の価格で一本45,000円(×2)。
LSシリーズは、確かトリオがスピーカーにも本格的に進出するために価格以上に力を入れて作ったと言われたスピーカーで、このフロア型の202は発売当時オーディオ関係の雑誌でも「ベストバイ」に選ばれた製品でした。

 試聴して気に入ったのか、店員の方の薦め方が上手かったのか、スピーカーの老舗ダイヤトーンやビクター(クラシック向きで最後まで迷った白木のSX-Ⅲなんて良かったなぁ)、ヤマハ(NSシリーズは若者に人気でした)などではなく、当時まだスピーカーブランドとしては新参だったTRIOを良く買ったものだと思います。
また、一括で購入したので当然多少の値引きはしてくれたのでしょうが、(ちゃんと家にも毎月幾ばくか入れた上で)飲んでばっかりいた新入社員がコツコツ貯めた(しかも一年目の冬には通勤用に車も中古で買った筈)とは言え、今にして思えば初任給が12万円の時代でしたから、スピーカーだけで9万円は結構な買い物だったんですね。独身時代だからこそ成せる業(ワザ)。

 さてTRIO LS-202はフロア型の3Wayバスレフで、一台20kgくらいあるのではないかと思えるほど重くてかなりしっかり作ってあります。何でもそうですが、昔のモノは素材から良い物を使って手間隙掛けて作られています。今だったら、当時の価格では作れないのではないでしょうか。スピーカー側にもアコースティック・レベル・コントロールという音質選択のコントローラーが付いています。そう言えば、当時はスタンド代わりに私も安いブロックを使ってましたっけ。
これまで全く通電もされておらず、内部の回路やコーン紙の劣化が心配ですが、とりあえず音が出るか、(奥様不在の)リビングに運んで鳴らしてみることに。しかし、その重いこと。高さは70cm近くあり、重量も20kgは軽くオーバーしています。「よっこらしょ!」と漸く運び込みました。

 さて、まさに四半世紀、25年ぶりの音出しです。
(やっぱり長すぎるので、2回に分けることにします。スイマセン!)