カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 2月中旬の飛び石連休に合わせて家内が娘のところに上京して不在の夜。シメシメと日頃なかなか大きな音で聴けないCDを大音量で聴いてのオーディオ三昧。
久々に自作スピーカー愛器「スワン」(第12話参照)も本領発揮。作ってから既に20年以上経っていますが、10年ちょっと前にわざわざ秋葉原で視聴して購入したKEFののトールボーイも脇に追いやって(聴き比べると一「聴」瞭然です)、今だメインとしてバリバリの現役です。それにしても、フルレンジ一発とは思えぬほど、
「イイ音するよなぁ・・・!」
(“長岡教信者”の言う10倍のスピーカーの価値があるというのもあながち誇張ではありません。当時通販での板材の限定販売で、カット済みシナ合板で一組確か4万円しませんでした。写真はスワンと「鳴らず」のKEF・・・時折通電だけはさせていますが)

 この三晩で聴いたのは、何となくですが、久し振りのシベリウスの交響曲第2番、サン・サーンスの交響曲第3番『オルガン』と、多田武彦の男性合唱の名曲『富士山』。そして何度か登場させたいつもの愛聴盤、『ジャズ・ベスト100』と徳永英明の『Vocalist Ⅲ』にバッハの『無伴奏チェロ組曲』(ミッシャ・マイスキー盤)。

 シベリウスはどうやらシンガポールで買ってあったらしい海外盤(輸入盤)で、懐かしいバルビローリ指揮のハレ管。サン・サーンスは往年の名盤であるミュンシュ指揮のBSO盤。これはLPでも持っていますし、当時“フランスのオケよりフランスらしい音がする”と言われたデュトワ指揮のOSM盤もありますが、ミュンシュが今だ我がベスト盤です。
シベリウスの2番は、彼がパトロンの招きで滞在したイタリアの様子を表したそうです(昼間の剪定作業中にたまたま聴いていたNHK-FMで解説していました)が、『イタリア』と聞いて思い浮かべるメンデルスゾーンの交響曲第4番とは違って、やっぱり地中海ではなく北欧の香りがします。
サン・サーンスの3番は、曲中でパイプオルガンが印象的に使われ(それなりの音量で聴かないとパイプオルガンの風圧が感じられません)、計算し尽くされた、構成美溢れる荘厳且つ華麗なシンフォニー。
聴くとシベリウスは大らかになりますし、サン・サーンスは元気が出ます。この交響曲はパイプオルガン常設のホールでしか演奏できませんので、一度だけ(それも赴任中ではなく、帰国後家族でシンガポールへ“里帰り”旅行した際に、偶然滞在中に定演で演奏されると知り、一人で聴きに行った)シンガポール交響楽団(略称SSO)の演奏をビクトリア・ホールで聴きました。サントリーホールにはわざわざ行けないので、パイプオルガンのある(松本)ハーモニーホールでも是非やって欲しいものです(3管編成のこの曲には800席では箱が小さすぎるかもしれませんが、そこを是非何とか・・・)。

 ジャスでは、サッチモの『この素晴らしい世界』とサラ・ヴォーンの『ラヴァーズ・コンチェルト』(ずっとバッハのメヌエットが原曲だと思っていたら、最近の研究ではクリスチャン・ペツォールトという人の曲というのが通説だとか)に心癒され、オスカー・ピーターソンの弾くデューク・エリントンの名作『Cジャム・ブルース』と木住野佳子の繊細なピアノ(収録曲はアイルランド民謡『ダニー・ボーイ』)に心躍ります。

 いいなぁ・・・と、グラス(実際は冷酒の「おちょこ」)片手に久々のオーディオ三昧の夜が更けていきました。
【追記】
・・・と言いつつ連日の剪定作業に疲れ果て、どうやら途中で夢の中。
きっと突付いて起こそうとしたであろうチロルとナナも諦めたのか、はたまた飲兵衛には付き合っていられぬと愛想が尽きたのか、気が付いた時は(・・・静寂の中で)既に自らケージの中に入ってスヤスヤとお休みされていました・・・ゴメン。