カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
大中恩の『愛の風船』(中村千恵子詩)という女声合唱組曲の第一曲に「音楽会のあと」という歌があります。
『 音楽会のあとは何にもおしゃべりしたくない
公園のベンチを通り越して ほの暗い小道を行けば(二人きりで)
さっきのチェロがまだほら・・・』(以上おぼろげな記憶はここまで)
高校三年の時の文化祭“とんぼ祭”での音楽部の公演で、女性陣が歌った女声合唱で初めて聞いた曲でした(因みにメインは同じく大中恩の『島よ』で、その後大学の合唱団でもう一度歌うことになります)。
この日のOEKの素晴らしい演奏で、コンサートの後家内と二人でハーモニーホールのヒマラヤ杉の木立の下を歩きながら、ふと40年近くも前のこの曲が浮かんできました(当時の個人的なイメージでは、この演奏会場は上野の森の東京文化会館で、そしてこの日“音楽界のあと”の耳に残っていたのはチェロではなく第7番の第3・4楽章のオーボエとトランペットの旋律でしたが・・・)。
今年は、バッハの『音楽の捧げもの』と今回のOEK。昨年?は、日フィルのブライチと綾戸智恵。なかなか年に2回くらいしか行けませんが、演奏会後の、例え瞬間的であれ、何とも言えない胸一杯の幸せな気持ちがたまりません。
さて、ハーモニーホールの演奏会予定のパンフレットによれば、年明けには小林道夫率いるブランデンブルグの全曲演奏会や、ムターのリサイタル、そして20年近くも前のシンガポール赴任中にピアノを習っていた上の娘と聴いたダン・タイ・ソン(オール・ショパン・プログラム)なども今後来日ツァーの中で、このハーモニーホールへも来演するとのこと。
“音楽界のあと”の胸一杯の幸せな気持ちを求めて、もう一回くらいコンサートに行ってみたい気がします。