カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
先日、リンゴ採りの手伝いに妹夫婦が来てくれた際に、自家製の「すんき漬け」を持ってきてくれました。
「すんき漬け」というのは、御嶽山麓一帯を中心に木曽地方に古くから伝わる郷土食の漬物で、日本でも珍しい無塩乳酸発酵で漬けられた発酵食品です。これは、海から遠く離れた木曽の山の中で、貴重な塩が使えなかったことがその背景にあるのだそうです。
義弟が知り合いの方から「すんき漬け」の「種」を頂いて、一緒に漬けるところから教えていただいたのだとか。木曽地方では一般的には蕪菜を使いますが、その知り合いの方は「稲核菜(イネコキナ)」(注記)を使うそうです。木曽では、そばの具にした「すんき蕎麦」がご当地蕎麦として有名ですし、所によっては味噌汁の具にも使うのだとか。
鰹節と醤油を少し掛けた「すんき漬け」は、家毎に味が違うそうですが、酸味が特徴の素朴な味わいで、日頃野沢菜漬けはあまり食べない家内も喜んで食べていました。
【注記】
上高地へ向かう梓川の渓谷沿いの松本市の(旧安曇村)稲核地区に伝わる郷土野菜。これも蕪菜の一種で、一般的には「野沢菜漬け」と同じように使われています。ルーツは峠向こうの飛騨の赤蕪とか。ここは、自然の洞窟「風穴(ふうけつ)」があり、その自然の冷蔵庫で稲核菜漬が貯蔵されてきたそうです。
今年、その風穴で貯蔵した地元の幾つかの酒蔵のお酒が初めて売り出され、地元の話題になりました。