カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前回(第133話をご参照ください)ご紹介したクレソンですが、水に浸したプランターが予想以上に効果的でした。

容器の穴は底に一ヶ所あるだけなのですが、プランターの川砂の表面が、本当に川縁(べり)のように常時湿っています。乾かぬように毎日水を撒こうと思ったのですが、これなら不要。後は、野生化した(注記)クレソンは清流に育つと言いますから、二日おきくらいに定期的に液肥を基準通りに薄めて水を取り替えてあげれば良さそうです。

 久し振りの“お湿り”となった、雨で農作業が出来なかった9月12日の土曜日に移植してから一週間経った19日。既に青々と茂ってきました。一方、残った数本をそのまま活けた瓶のクレソンも、少しずつ成長しているようです。ただし、こちらは茎が伸びるだけで、プランターのように新芽は出て来ません。
 前回の水耕栽培で、青虫クンに食べられて全滅した中に、1cmにも満たないほどのクレソンの小さな芽が数本あったので、これもまとめてプランターに植えておいたら、やはり水より砂地が適するのかグングン成長してきました。頑張れ、頑張れ!
 その後、茎の下の方の葉が少し枯れてきました。恐らく、液肥が強過ぎた(濃すぎた)のではないかと思われます。もう少し薄め(ハーブ類は10リットル当たりキャップ半分の表示ですが、キャップ1/4くらい)にしてみたところ大分回復しました。

 また、地場のスーパーへの出荷用資材(果樹を入れる穴空きのビニール袋。これまでは家内が普通のビニール袋を手作業で一々穴を開けてくれていました)が市中には見当たらず、近隣では一番大きな豊科のホームセンター(場所柄か農業用資材が充実)まで週末探しに行った際に、応急措置として発泡スチロールで作った防虫ネットを固定する台座が、当然のことながらぐらぐらするので、替わりの木枠を自作しようと表面処理された細め(5cm角)の角材(180cmで198円也)一本を一緒に購入してきました(家内からは「高いクレソンね」とまたまた溜息ですが、聞こえなかった振りをして・・・)。
 木工は、自作スピーカー「スワン」(カット済み)を始め、薪ストーブ用の薪の一時的室内保管庫を兼ねたチェスト(自分で設計し、板材カットはホームセンターに依頼)や娘のオーディオラックなどもその昔DIYで自作しており、今回は紙やすりもニスも不用ですので、それに比べれば遥かに単純な工作です。

 そして移植から10日目の23日、秋分の日の様子です。茎にも新しい芽が出て葉も茂ってきました。また、1cmにも満たなかった水耕栽培の“遺児”達も一人前に成長してくれました。更に、水耕栽培時に比べ、砂地では小さな芽が根元から次々と顔を出しています。これは大成功・・・かも?

 肉料理の付け合せ程度なら既に収穫できますが、昔のアメリカン・クレスのようにたくさん収穫しサラダにしたいので、もう暫く我慢することに。

 そして、プランター移植から15日目の9月27日。もう大分伸びて茂ってきましたし、スーパーで買った時の茎ばかりでなく、次から次へと新しい芽が伸びてきています。また古い枝先にはそろそろ花芽も付き始めています。これ以上置くと硬くなって(信州弁で言う「こわくなる」)しまうので、漸くここで収穫です。
 20本ほど茎を採って、ルッコラと一緒にサラダとして夕飯の食卓へ。ピリリとしたクレソン特有の辛味があり、思った以上に柔らかでした。
「ああ、長かったなぁ・・・。」
「あ~あ、高かったなぁ・・・」とは奥様のコメント・・・確かに。
でも、これから元が取れるかも・・・ヨ??

【注記】
クレソンは、明治初期に在留外国人用の野菜として我国に導入され、上野精養軒から料理に使われた切れ端が排水と一緒に不忍池に流れ込み、自生したのが野生化の始まりとか(こんな所にまで登場するとは流石に精養軒)。
また、外国人宣教師が軽井沢など日本各地への伝道の際に持ち込んで、同様に各地の川や湖沼で野生化し、今や日本のあちこちで自生するクレソンが見られると言う。但し、野生のものは、その水質により寄生虫などに要注意とのこと。

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