カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
総務省の家計調査で、全国の県庁所在地中、小麦粉の(家計調査ですので家庭での)消費量日本一は「讃岐うどん」の高松(別の調査で「うどん玉」消費量は確かに香川県が全国一位だそうです)やお好み焼きやたこ焼きの本場である関西でもなく、何と長野市なのだとか。そして、この傾向は県全体でも同様なのだと言います。
しかし、蕎麦処信州ですので麺類はうどんより蕎麦の筈。お好み焼きやたこ焼きなど「粉文化」の関西とも異なります。
雨の少ない信州では昔(江戸時代)から米作が困難な地域では小麦の生産が盛んで、讃岐地方だけではなく、「水沢うどん」に代表される上州(群馬)のようにうどんが名物という地域も信州(上田などの東信地方など)にも無いではありませんが(因みに信州ではうどんのことを「オザンザ」と呼ぶ地域があり、それも地元産の「地粉」の手打ち。我家でも亡くなった祖母は「オザザ」と呼んでいました)、その傾向は勿論讃岐ほどではなくまた全県でもありません。ただ、地元では精進落としの締めには、基本的にソバではなくうどん(ヒヤムギに近い細麺で薄口の汁椀)が出されます。これは、仏教とうどんの伝来に何か関係(由来)があるのでしょうか?
さて、長野県で小麦粉消費が多い理由、それはうどんではなく、何と「天婦羅」がその答え(としか考えられない)なのだとか(8月19日付日経長野版)。その証拠に、家計調査で小麦粉同様食用油も消費量全国一位(長野市)なのだそうです。
そう言われると、母や叔母、家内の実家の両親も、蕎麦屋に行くと必ず「天ざる」を注文します。義母などは、家内が休みの取れた平日なら混んでいないからとわざわざ安曇野・翁へ連れて行ったのに、天婦羅が無いから(蕎麦も美味しくない)と、“あの”翁の蕎麦を残したのだとか・・・。いやはや「天婦羅恐るべし」です。
信州では、お盆にも必ず天婦羅(サツマイモやかぼちゃ、地域によってはお饅頭!なども)をお供えします。また、信州での春の定番と言えば、タラの芽やコゴミなど山菜の天婦羅。また夏にはナスやかぼちゃ、ピーマン、はたまたアスパラガスなどの天婦羅も定番です。
これは、古来山国信州は魚や肉類が乏しく、食事が野菜や山菜などばかりになりがちな中で、油分を補給するために素材はそのままで天婦羅にしたためなのだとか。今の若者は何でもありますが、戦前戦中派のお年寄りの信州人は、そうした食生活の中で天婦羅が「ごちそう」になっていったのでしょうか。この連休に帰省してきた横浜に住む叔母曰く、「天婦羅が一品あると、お蕎麦が豪華になるでしょ。」と当然の如くご注文!。やっぱり。
うどんや粉モノではなく、天婦羅で小麦粉の消費量全国一位というのも、考えてみればスゴイことですね。まさに、信州の天婦羅恐るべし!
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