カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
昨年リタイアされた会社の大先輩の方からお誘いをいただき、上諏訪駅前にある(何回か取り上げた「岩魚の骨酒」のお店です。第26話を参照ください)小さな割烹「味宏」へ(「かき揚げ丼」が名物です)。
その方は本社勤務時代に単身で諏訪に住んでらっしゃって、赴任中はこのお店で、飲む時だけでなく夕食も食べられるなどの常連さんで、メニューには無い「スペシャル」が出されるのだとか。また、(単身時代の)休日は店の女将さん(オバチャン)に連れられて山へ一緒に山菜やキノコを採りに行かれていたそうで、オバチャンが言わば信州での「山(の幸)」のお師匠さんです。
その日も、久し振りに上諏訪に来られる大先輩のために、オバチャンは早朝4時起きして山へキノコ採りに行って来られたのだそうで、大先輩のために期待に違わぬ「スペシャル」メニューが用意されていて、私もそのご相伴に与からせていただきました。お二人に感謝であります。
“山の達人”曰く、今年の(も?)キノコは豊作だとか。もう2000m以下まで“キノコ前線”が降りて来ているそうです(9月4日時点)。
さて、その宵のスペシャル・メニューはと言うと、地元では定番のジコボウ(ヌメリイグチなどのイグチ系キノコの総称。松本ではリコボウと呼びます)のキノコオロシに始まり、天婦羅や4種類のキノコが入っているという「のっぺい汁」。そして、高級キノコ「ポルチーニ」(和名ヤマドリタケ)のバターソテー。他に、天然鮎の塩焼きなどなど。どれもこれも美味しくて、一足早く信州の秋の味覚を堪能させていただきました。
とりわけビックリしたのが、生まれて初め食す「ウドの花の天婦羅」。ウドの花をかき揚げ風にしたものですが、まさか“役立たず”の代名詞であるウドの大木ならぬ花が食べられるとは・・・。ほんのり苦味のようなウドの香りがして美味しかったです(少なくとも春の「アカシヤの花の天婦羅」より遥かに珍味にして美味)。
また、最初の付け出しの一つが、何とミョウガの花!(しかも、生の花弁にただ醤油を掛けただけとかで、感じは山形の食用菊「もってのほか」に似ています)。これまたほのかにミョウガの味がして珍味でした。いやはや、料理は奥深い・・・参りました。
途中、8時半にはこの夏最後となる打ち上げ花火の音が外で響いていました。翌5日の新作花火大会を以って、1箇月以上毎晩続いた今年の諏訪の花火シーズン(第121話を参照ください)も終了し、湖畔は足早に秋に衣替えです。
【注記】
参考までに、我家にあるウドの花の写真です。紹介のために撮影してみました。既に実が黒くなっていますが、花が咲いて熟す前の、実がまだ緑色の時に食材として使うのだそうです。たくさん食べるものではありませんが、ちょっぴり目先が変わって良いかもしれません。来年花が咲いたら我家でも試してみようと思います。
【注記2】
この“スペシャル”メニューは、この大先輩のみが対象で、我々がお願いしても無理なのです。悪しからずご了承ください。